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『ノラガミ』27

あだちとか『ノラガミ』という漫画の最終巻を買った。全27巻。

連載を始めたのがいつなのか忘れたけど、ちょっと前。ちょっと昔。

調べたら、2011年(正確には2010年かも)から連載していたようだ。

途中で作者さんが休養していた時期があり、新巻が出ない時期が長くあったから。

終わるまで長かったねぇと思う。

お話としては、夜卜(やと)というマイナー武神(漫画のオリジナル神)が、毘沙門天、天神(菅原道真)、貧乏神、恵比寿などなどの有名神の居並ぶ中で、悪い存在(とも限らない)と繰り広げるバトル漫画というか、神様世界と人間の住む下界との間でおこる事件や、人間模様、神様模様を描いた作品。

この漫画の神は器(き)と呼ばれる、従者であり武器を持つ。

その器は、神のサポート役で、元々は死んだ人間。

でも器自身は、自分が死んだ人間であるという意識は基本ない。

それは人間を器にした神のみが知る、「神の秘め事」と呼ばれ、器は自分の正体(自分が死んだ人間であること)を知ると、破滅してしまう。

物語の最後の最後まで、ラスボスにあたるしぶとい人物に、まるで歯が立たない感じの主人公夜卜。

なかば絶望的な戦いで、これじゃあ相討ちもできそうもないし、どうやって物語を終わらせるんだろうか。

ものすごく心配したけど、無事物語は終わった。

よかった。

私はあだちとかという作家さんは、絶望の中の希望、希望の中の絶望、普遍的な不平等さ、最高の不条理の中の幸せ、を描くのがとてもうまいと感じる。

設定も、物語も重たいのに、完璧に重たく感じさせないのは、絵柄の力と、物語の見せ方、設定を生かす力、テンポのよいギャグ。そして何より、作者さん自身が、この漫画をとても楽しんでいることが、ひしひしと伝わってくるところ。かなと思う。

1巻目から追いかけて、終わってしまったのは寂しいけど、物語が終わってほっとしているのも事実。

「ご町内神話」という隠れ(?)タイトルもあるくらい、神様たちがみんな人間くさくて、すましかえっていたり、格好いいばっかりじゃないのも楽しくてよかった。毘沙門天は痴女扱いだし。大国主は日サロで真っ黒に肌を焼いた、屋台のおっちゃんにしか見えないし。恵比寿の運動音痴は破滅的だし。

そういえば、この作品はアニメにもなっていたはず。私は見ていないけど、アニメの方で知っている方もいるかもしれない。

ちょっと長めでも、面白い漫画を探しているという方、『ノラガミ』はおすすめ。

長い作品なので、レビューに面白くないと書く人もいるだろうと思うけど、私はずっと好きで面白かった。

夜卜が、これからも神であり続けられますように。

【今日の英作文】
私より2歳年上の彼女は年齢よりずっと子供っぽくみえた。
She who is two years senior to me looked much more childish for her age.

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