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唐揚げ1/4【Vの庭先で肉食を】

雨が降っている。
敵の死体、味方の死体、それと…鶏の死体。
動いているのは10人弱のレインコートの群れだけ。
どうやら人間の死体を掻き分け、鶏の死体だけを拾い集めているらしい。
敵=肉食者を倒してくれたから味方かと思ったが、違うのだろうか。
群れで襲撃し肉を奪っていく様子は、いつか聞いた狼の狩りを想起させた。

雨が降っている。
銃創から溢れる血液と体温が容赦なく洗い流されていく。
雨音に時折混ざる銃声は哀れな生存者にトドメを刺すものだろうか。
仰向けに倒れた僕のすぐそばにも、レインコートの狼がひとり。
「おお…かみ?」
「狼?ふっふふふ…」
影になっていて表情が読み取れない。
僕にもトドメを刺しに来たのか。
「トドメ?いいや、ヴィ連兵を撃つのは私の仕事じゃない。が、ヴィ連兵を助けるのも私の仕事じゃない。じゃあね、哀れな少年兵」
声の主が踵を返す。
覚悟した鉛玉は与えられず、代わりに安堵した肉体を襲ったのは空腹と五感の閉鎖。
「おなか…すい…た」
それきり、雨音は聞こえなくなった。

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#小説 #逆噴射プラクティス #Vの庭先で肉食を #唐揚げ

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