見出し画像

フィンランド3日目 おしまい

昨日の夜、ホテルの部屋でフィンランドのドラマを見ているとき急な寂しさに駆られた。明日、もう帰ってしまうんだなと思うと急につまらない気持ちと寂しい気持ちでいっぱいになった。もう遅いし寝よう、と努力したけれど、考え事が止まらなくて寝付けなかった。窓を見ると日が昇ってくる3時半すぎだった。

朝起きて朝食を食べて、Marimekkoのアウトレットへ向かうことにした。今日は家族や友人へのお土産を買う時間だ。

バスを乗り継いで到着。開店したばかりだったけれど、日本人がお客さんの7割を占めていた。

Marimekkoアウトレット

街で自分の母親と同い年くらいの女性がMarimekkoの花柄のワンピースを着ていて、素敵だったので自分の母親へのお土産として購入した。デザインもかわいいし、きれいにみるし、素材もやわらかくて着やすそう。

その後ヘルシンキに移動してムーミングッズなどを購入。

イッタラの店内にムーミンいた
ヘルシンキのmarimekko本店

その後、お昼ごはんを食べにCafe Aaltoへ。ここは、カモメ食堂の撮影地として有名なカフェ。

店に入ると、女性の年配の店員さんが私の顔を見て、「英語のメニューがあるよ^^」と言いながら日本語と英語が併記されたメニューを渡してくれた。多分、日本人だなと思っただろうけど、英語のメニューだよ、と言って渡してくれたのは素敵な配慮だなと思う。

私はアジア人の見た目をしているし、感じ的に日本人ぽいけど、そうじゃなかったら失礼だし、日本語だよね?と言われて日本人だと当てられるのが気に障る人もいるかもしれない。だから、フィンランド語じゃない、英語のメニューだよ、と言う雰囲気で渡すのだ。フィンランドの人のこういうところが好きだ。

2階建てのお店の2Fに入っている。奥は本屋さん。
照明と椅子はAaltoさんデザイン。かわいらしい。
思いのほかメニュー1つ1つ量がしっかりあって頼みすぎたの図。
クリームサーモンのスープと、アアルトカフェオリジナルパイ。
おいしかった上に栄養たっぷりで生き返りました。


その後、ヘルシンキ大聖堂をちらっと見て、空港へ。

ヘルシンキ大聖堂
礼拝されている方がいたので静かに後ろで撮影。
ヘルシンキ大聖堂前の広場。広大で壮大。
ロシアのニコライ1世と一緒に

大聖堂の上の部分が丸くなっているところとか、フィンランドってロシアと昔から関係ある国なんだよな、と改めて思った。特に、ロシアのスパゾ・オブラジェンスキー大聖堂に似ている。

地続きの隣の国で、一時期ロシア(ソビエト)領土だったころもあるだろうに、フィンランドとロシアは全く違う文化がある。しかもそんな隣国でまさに戦争が起きている。世界史は全然詳しくないが、ヨーロッパの歴史をみると、領土争いで何度も何度も同じ土地が違う国になったり、民族が移動したりしている。そうやって揉まれてきた上で現在の国がなりたっている。

しかも、フィンランドは冬に日が昇らず、暗くて寒い時期がある。フィンランドほどではないが、私もハンガリーで午後3時に真っ暗になるような暗い冬、そして東京よりも寒い冬を体験した。現代は電気があるのでそこまで人間に影響しないと思われがちだが、これがハンガリーでさえメンタルに影響することを身をもって体験したため、フィンランドはもっと体に影響するだろうと予想する。

歴史的に隣国に沢山揉まれていながら、位置的に日照時間が極端に変わる国でありながら、世界幸福度ランキング1位の国だ。これはかなりすごい国だ。

***

このフィンランド旅行で感じたことをとりとめもなく書いてみる。
まず、フィンランドの人のモラルの意識の高さを感じた。
例えばこれ。

バスの中にあったマナーの広告

・チケットを買って運転手に見せましょう
・荷物は隣の席じゃなく自分の膝の上に置きましょう
・手すりをきちんとつかまりましょう
・車内で香水をふりかけないようにしましょう
・食べ物はバスの外で食べましょう
・ごみはゴミ箱へ捨てましょう
・リュックが人に当たらないようにしましょう
・靴で座席を踏まないようにしましょう

日本ではこれが当たり前にできることかもしれないが、海外でマナーの広告が貼られていること自体驚いた。要求水準が高いので、ベースとなるモラルの意識が高いなと思ったし、街に落ちているごみが少なかった。

あと、治安の良さ。
北欧全体的にホームレスの数がとても少なかった。見かけたホームレスも、空き缶を集めに回っていて、わりとまともな服装をしていたので、そこまで悪くない生活をしてそうだった。日本のホームレスと似ている感じ。
ハンガリーの首都ブダペストでは、主要な駅に複数人固まっているし、服装ももっとボロボロで、恵んでくれ、と話しかける。暴力的なタイプも居るし、目の前で普通に排泄していることもある。(汚い話ですみません)


あと、フィンランドの人の会話の仕方が好きだと思った。
フィンランドのドラマや映画を見てても思うが、会話の間の取り方がゆっくり目で、私はそれがとても心地良かった。私は日本語でも英語でも、あまりおしゃべりなタイプじゃなく、話すときもゆっくりなので、このテンポが合うと感じた。そして、沈黙が苦じゃない感じがあって、これも心地いい。
世間話を続けなくては、みたいな気持ちがあまりなさそうだし、自分自身の心から正直に話している感じがして、これも、私にとっては心地よかった。

たった3日間だけど、大学訪問の時に私がややめんどくさいであろうお願いをしたときや、Aalto邸で外壁の塗装をしている人に聞いたときも、これを強く感じた。

世界幸福度ランキングを決める質問項目には「自分の身近な人(同僚、友人、近所の人、家族)を信頼しているか」という項目がある。

過去にアメリカの外資系の会社で仕事をしていたときの経験で、人間関係があまりよくなく、みんな会社に対しての不満を漏らしているところだったのを覚えている。というのも、仕事のパフォーマンスの評価方法がかなりお互いを競争させるような仕組みになっていて、自分のアイディアなんかを口外した次の週にはそのアイディアをとられるような経験もしたし、同僚とのミーティングでけんか腰でやってこられた経験もあった。そんな感じだったから、上司の前ではお互いに上手くやっているフリをし、裏では嫌い合ってる、というような信頼ゼロの人間関係であった。給料はよかったが、3年ほど働いた後、会社を辞めた。

フィンランドに限らず、北欧は自分以外の人をちゃんと信頼している感じがとてもある感じがしたし、余分すぎるセールストークのようなこともしない。静かに相手の言葉を聞いて、それに正直に答えている感じ。

フィンランドは世界的にも教育に力を入れている国ということで有名だが、この背景には、土地的に天然資源にそこまで恵まれていなかったため、人をきちんと育てて人が資源という国にしよう、という考えをしているから、らしい。このモラルの意識の高さや人柄の穏やかさは教育の賜物だと思う。

ハンガリーの大学のとある先生はこんなことを言っていた。「長いこと留学生を見てきて、絶対にCheating(カンニングなどのズル)をしない国というのがある。それはフィンランド人と日本人だ!」と。
やや差別意識も含まれているような気もするが、それは置いておいて。

聞いたときは日本人として嬉しいな~とぐらいにしか思ってなかったが、フィンランドに来てこの言葉を思い出し、確かにそうかも、、、と思った。

フィンランド旅行では、デンマークよりスウェーデンより、たくさんの日本人に会ったし、フィンランドが好きな人が多い。その要因の一つには、日本と似た性質を持つ国だからという点が大きいんじゃないかな、と思った。

***

さて、これで9泊10日の北欧(デンマーク、スウェーデン、フィンランド)旅noteはこれでおしまい。

旅行って、楽しかったこととか気づいたことは時間が経つと忘れてしまってもったいないから、日記のように毎日書こうと思って始めました。
好き勝手に書いたので読みにくい部分もあったと思いますが、こんな文章を読んでくれた人、いいねしてくれた人、ありがとうございました。
毎日書くのは大変でしたが、いつかこの10日間を振り替えりたい日が絶対くると思うので、最後まで書けてよかったなと思っています。

空港のお土産やさんにて。
お、おまえムーミンか…?w

ではまた。


****お知らせ****
この北欧一人旅で撮影した写真がエモいTシャツになりました!
もしよければちらっと見てくださいね。

オリジナルアイテム通販 ∞ SUZURI(スズリ)
#suzuri

***********

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?