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まさか自分が新卒2日で会社辞めるなんて!勢いで会社を辞めた経緯とその後

「新卒2日で辞めるなんて根性なさすぎ。てか、辞めてどうすんの?」

毎年4月になると流れてくる”新卒辞めた”ニュース。せっかく頑張って就活して入った会社に、たったの数日で見切りをつけて辞めるなんてありえない。大学生の頃のわたしはそう思ってた。

自分が新卒で入った会社を2日で辞めるまでは。

この記事では新卒で入った会社を2日で辞めた経緯、仕事を辞めるとどうなるかについて書いていく。


初日、先輩に「この会社で大丈夫?」と冗談半分で言われ…

大学を9月に卒業した。正式な入社日は4月だったけれど、10月から基本フルタイムの有給のインターンとしてその会社で働かせてもらうことになった。

インターン初日。普段よりほんの少し気合を入れてメイクをして、午前10時に出社した。早速、直属の先輩となるAさん、これから同じ部署で働くことになる先輩たちへの挨拶、使用するPCの登録、デスクや社内見学などを済ませて業務に取り掛かった。

あれ、おかしい。入社し1時間で、ほんの少しの違和感を覚えた。

「みんな、メイクしてない?目の下のクマ、ニキビ、疲れ切った顔。っていうか、肩に湿布貼ってる人いるし…」

なんで私が違和感を覚えたって、この会社、美容・アパレル関係の会社なのだ。

華やかなことを届けている会社に限って、中の人は華やかに装うことができない。今なら想像に容易いが、当時の私はそこで違和感を覚えた。

「じゃあこれやってみようか。」

早速、その日の課題を渡され見よう見まねで業務に取り掛かる。初日ということもあってAさんをはじめとする先輩たちも優しく対応はしてくれるが、皆忙しそうで、自分のことで精一杯な様子だった。

午前の業務を終え、部署の皆さんが歓迎会ランチを開いてくれることになった。

改めて上司となる皆さまに挨拶をしたときに、先輩のBさんが

「この会社で大丈夫?」と言った。

「え?」と返すと、笑って濁された。そして周りの社員の方々も何故か苦笑い。

「この会社で大丈夫?」ってどういう意味だろう…?

その意味は、この日の終わりにはもうなんとなく分かることになる。

24時に届くストイックSlack


なんとか業務をこなし、1日目を終えた。すっかり疲弊していた。慣れない環境に疲れてしまうのは当然のことだ。

インターンは10-19時。わたしは8時間の勤務を終え、デスクで作業をする先輩たちに挨拶をし一足先に退社した。先輩たちはまだ業務が残っているようで、「お疲れ様!」と言ったあと、瞬時に業務に戻っていった。

「先輩たちはいったい何時に上がれるんだろう?」
(わたしがこの会社で働いたら、何時に上がれるのだろうか?)

わたしの頭はそのことでいっぱいだった。結局、会社のSlackは24時近くまで動き続けた。

そのことにも驚いたが、それよりも最後にSlackに送られたメッセージに私は驚いた。

"お疲れ様です!
本日は〇〇の業務を行いました。
〇〇についてはできなかったこと反省しています。明日は効率よくできるよう改善します!"

(文言は違えど内容はこんな感じだった)

死ぬ気で働きます!
みたいなモーレツな勢いを感じた。

たしかに業務の効率は大切だ。しかし、真夜中に届いたストイックなメッセージに入社1日目の超・新米なわたしは怖気付いてしまった。

※Slack=ビジネスチャットツール

「この会社で大丈夫だろうか?」の意味を理解した昼休み


出社2日目。昨日のこと(先輩の様子やSlackの件)があり、ややテンションが下がっていた。しかしまだ2日目。もう少し様子を見よう、と重い足を引きずり出社した。

わたしは会社の"やばそうなところ"を必死に探ることに決めた。

2日目にして通常業務を任されたわたしは、心労&気づかれ&慣れない業務にヘトヘトだった。午前が終わりお昼休み。直属の先輩Aさんとコンビニへお昼ごはんを買いに行った。

Aさんがコーヒーを手に取ったので、日常会話として「コーヒー、好きなんですか?」と聞いた。

「好きじゃなかったんだけどね、仕事忙しすぎてコーヒー飲まないとやってられない」

と苦笑いしながら答えてくれた。肩に湿布を貼ったAさんの顔があまりにも疲れていたので、純粋に体調が心配になった。

そして、ますます「この会社で大丈夫だろうか?」と思ってしまった。

この流れでわたしはAさんに

「やっぱり結構忙しいですか?昨日もSlackが夜中まで動いてたし。」

と恐る恐る聞いてみた。

するとAさんが会社について色々と教えてくれた。

分かったことは

・終電近くまで働いても持ち帰り業務が発生することがよくある

・会社で寝袋で夜を明かすことも月に何日かある

・家が近くないと厳しい

ということだった。

な、る、ほ、ど。まじかーーーーー。

昨日の「この会社で大丈夫?」はそういう意味だったのか。4月からの生活への不安がむくむくと膨れ上がっていった。


社長面談で号泣、ヒステリックなやばい女


昼休みを終え、業務に戻った。先輩に聞いた会社のことがわたしの頭を占領して、業務に集中できなかった。

「この会社で大丈夫だろうか?」

昨日までのぼんやりとした不安ははっきりとしたものになっていた。

午後の業務を始めて2時間ほど経ったころ、社長が社内の様子を伺いに来た。社員たちに声を掛け、わたしにも話しかけてくれた。

その頃にはもう完全に社会人生活が不安になっていたわたしは、どうにでもなれの状態で、社長が来るなり

「あの、伺いたいことがあります」

と言っていた。

そして業務時間や先輩方から聞いた残業についての疑問をぶつけた。社長からは「残業をさせようとは思っていない。泊まり込み、持ち帰りは残業をするやつの効率が悪いだけ」との回答だった。

わたしはどういうわけか、

「わかりました。でも、ほぼ全員が持ち帰り業務や泊まり込みをしている状況ってことは、業務量が多すぎるんじゃないですか?

とさらなる疑問をぶつけていた。今考えると、よくそんなことはっきりと言えたと思う。

「そんなことないと思う。俺はできるから。」

と言われた。そうか、社長はかなりデキる人なのだ。そうだよな。社長の言っていることも十分に理解した。

けれど、

何年も前から減らない持ち帰り業務や会社での寝泊まり。その状況を聞く限り、社員の効率の悪さだけが原因だとは思えなかった。やはり、業務量が見合ってないのではないか。

しかし社長が「そんなことはない」と言っている限り、納得せざるを得ない。不安は増すばかりだった。気がついたらわたしは泣いていた。なんて子供なんだろうと分かってはいたけれど、涙は止まらなかった。

社長面談を終えわたしはまた業務に戻った。気まずい雰囲気にさせてしまって、先輩には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

「生理前になるといるんだよね、ああなっちゃう人」


社長面接を終えて業務を進めていると、社長とわたしの部署の女上司が話しているのが聞こえた。

「生理前になるといるんだよね、ああなっちゃう人」

と女上司が言ったのが聞こえた。「あ、わたしのことだ」とすぐに分かった。少し苦手だと思っていた女上司が言ったからか、同性が言ったからか、どちらの理由かはわからないけど、責められていると思ってしまった。

その言葉がボディブローのようにじわじわと効いてきて、また泣いてしまいそうだった。

わたしはなんとか定時まで業務を進め、退社した。その日1日中迷惑をかけてしまった先輩には本当に申し訳ない気持ちだった。

勢いで決断 会社を2日で辞めちゃった


2日目の帰りの電車でわたしは人目も憚らずぼろぼろと泣いていた。電車の中では、この会社でやっていくのか?と自問自答し続けた。そして家に着く頃には「会社を辞める」という結論を出していた。

親からは「まだ2日目だし、もう少し考えてみてもいいんじゃない?」と言われたけれど、一度決めたら突き進んでしまうタイプなので、辞める以外の選択肢が考えられなかった。

次の日、わたしはSlackで「辞めます」と送っていた。先輩にも「大変、申し訳ございません」と送った。

社長からは「わかりました」とだけ返信がきた。

今考えると、本当に失礼な辞め方だった。

その後、こんな辞め方をしたにも関わらず2日分のお給料はしっかりと振り込んでくれた。この企業がブラックだったかと言われれば、否。みなし残業代を基本給に含んでいるものの、基本給は通常の新卒の1.5倍ほどであるし、みなし残業を超えた分の残業代は支払われるそうだ。

ただ、わたしには合わなかったのだ。


よく考えると、生理前はいつも「死にたい」だった


「生理前になるといるんだよね、ああなっちゃう人」と女上司に言われたように、確かにわたしは生理前だった。だから人目も憚らず泣いてしまったのだろうし、女上司の言葉にも必要以上に傷ついたのだろう。

そして会社を辞めるなんて重大な決断をしてしまったのだろう。

よく考えると、(この時期の)2年前ぐらいから生理前はいつも「死にたい」という感情に支配されていた。生理の1週間前ぐらいになると、鬱々とした気分になって、些細なことで泣いてしまうことが多かった。酷い時には「死にたい」と喚くこともあった。

このように生理前の過度な気分の落ち込みは月経前不快気分障害(PMDD)と言われる症状らしい。

会社を辞めたのは、ちょうどこの生理前の鬱の最中だった。わたしは生理前の一時的な気分の落ち込みで会社を辞めるという決断をしてしまった。


勢いで人生の一コマ進めちゃったわたしのその後


生理前の一時的な落ち込みと勢いで会社を辞めてから、2回目の就活を始めた。大学3年の冬から就活を始め、7月に決まった就職先。そして3ヶ月しか経っていないけれど、また就活。

正直、しんどかった。

そしてわたしは9月に大学を卒業していたので、既卒就活になった。

既卒での就活は想像以上にハードで、もともと病みモードに入りやすいわたしはまたしても病みモードに入った。

そして、1ヶ月引きこもった。

疲弊していたので、とりあえず全てを辞めた。就活もやめて、SNSも辞めて、人との連絡も絶った。2、3日は平気で風呂に入らず、常にパジャマで、顔も洗わなかった。とことん何もせず、休んでみた。

そうして1ヶ月したころ、そろそろ動き出そうという小さな気力が湧いてきた。再び就活を始めて、結局は知り合いに紹介してもらった会社から内定をもらった。コネ入社だ。


自分に合う企業を見つけるには


今はコネで入った会社で働いている。しっかり定時に帰れる超ホワイト会社だ。働く人も尊敬できる人ばかりで、いまの会社でよかったなと思っている。

結局、会社は良いか悪いかというより、自分に合うか合わないかだ。

「残業でたくさん稼ぎたい」という人が残業なしのホワイト企業に入ればつらいと感じるだろうし、「好きなことを仕事にしたい」人が興味のないことを仕事にしていたら、いくら会社ホワイト企業でも、本人はつらいと感じるかもしれない。

これから就活する人、今就活している人は、世間で良いとされているホワイト企業に入ろうと考える前に、何が自分にとってホワイトで、何がブラックなのか今一度考えてみると良いかもしれない。

という一度失敗した人間からのアドバイス。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。

みなさまが心地よく働けるように祈っています。


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