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Cookpadでの7年の感謝と新しい挑戦について

だいぶご無沙汰、気がつけば2024年初めてのnoteになりました。
2024年ももう半分が過ぎてしまいましたが、近況をお知らせしたいと思います。

7年間在籍したCookpadを退職いたしました

2017年7月1日に「CEO特命担当」という謎なポジションで入社したCookpadを、2024年5月31日付で退職いたしました。

「料理は趣味でやるもの」と思っていた私に、料理を仕事ど真ん中に据えることを許容してくれたCookpadには本当に感謝しています。

入社〜2023年2月は料理が楽しくなるオンラインマルシェKomerco事業、最後の1年にEntrepreneur in Residence(社内起業家)という立場で価値検証していた発酵基礎調味料のサブスクサービス3/threeなど、自身の発案である事業に投資いただいたCookpadでの7年間は、苦しいこともたくさんありましたが、それらも楽しめるくらい幸せな日々でした。
また途中にはCookpad Japan執行役員も拝命し、さまざまなポジションでCookpadという会社を見る機会をいただけたことは、とても貴重な経験でした。

Komercoリブランディング時の撮影の様子。
お気に入りのキッチンを再現しての撮影。楽しかったな。

事業に関わってくださったクリエイターの皆さま、ユーザーの皆さまに、社外で協力いただいた多くの皆さま。
皆さまの応援は心の支えでした。事業クローズという形で期待に応えられなかったこと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

そして関わってくれた事業メンバーはもちろん、超絶サポートいただいたCookpadの別部署の皆さん。
「毎日の料理を楽しみにする」という同じビジョンを信じる人たちに支えられ、とても健全に私は事業に向き合うことができたと思っています。

Cookpadメンバーとは釣りしてから我が家でみんなで捌いて料理したり、合羽橋や陶器市に買い物に行ったり、プライベートな時間でも料理を一緒にすることが仕事につながるのも楽しかった。

仕事だけでなく、プライベートの時間も。
心から料理を楽しむ皆さんと多くの時間を共にできたことで、私はライフワークとライスワークが重なる楽しさ、幸せを存分に味わうことができました。本当に心から感謝申し上げます。

実際、離れてみて。
ビジョンが浸透しきっている環境のありがたみや、心地よさがどんなに得難い場所だったかを日々実感しています。

今の自分にできる悔いのない選択を

そんな居心地の良い環境からなぜ離れるのか。
7年投資をいただいていたことはとてもありがたい環境ではあるものの、事業をマネタイズという意味で成功させられなかったということは自分自身がよくわかっています。
であれば一旦ここを区切りにしたほうが良いだろう、と思いました。

人生の最後まで、リスクを取って、悔いのない挑戦を選択できる自分でありたい。

今回ずっと頭にあったのはこのことでした。
居心地の良い環境に甘んじることなく、今一番リスクを取る選択は何なのか。

そんなことを考えている時に、同世代の放送作家・鈴木おさむ氏が放送作家を卒業するニュースが出ました。
彼の著書「仕事の辞め方」も拝読しましたが、その中で「残りの人生でワンチャン勝負をかけるなら、これが最後のタイミングかもしれない」というニュアンスの言葉があり、私も同様に最後のワンチャン勝負をどれにするのか?ということを考えて新しい挑戦を選びました。

多くの人が選ばないであろう、または賛同もされないであろう、私しかやらかさないだろう挑戦を。
そのくらいのヒリ付きを持って、残りの人生のワンチャン勝負をしたい。

とはいえ、自分の会社を創業した時(34歳)も、トレンダーズと合併した時(42歳)も、Cookpadに入社した時(47歳)も「キャリアの集大成」と思っていたので、今回(52歳)も最後じゃないかもしれませんがね笑。

これからの新しい挑戦について

2024年6月25日付で新会社を設立しました。
LUVtheLIFE Inc. ラブザライフ株式会社
当面は社長である私一人の個人事務所的な形式を取り、基本的には業務委託の方々と連携して活動を進めていく方針です。

2024年4月・5月の渡米用に急遽、Canvaで作った名刺。Canva、サイコー。
色は日本の伝統色である「麹色」「麹塵色」を採用

Cookpadで長年向き合ってきた「料理」「発酵基礎調味料」の領域を、「グローバル」も視野に入れて挑戦していきます。

社名はBob Marleyの

Love the life you live. Live the life you love.
自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。

から取りました。

私は「料理を楽しむ」ことを通じて「好きなことが同じ人たちを繋げることで増える人生の楽しみ」を提供し、「自分の人生を、自分の意思で選択し、愛せる人たちを増やす」ことを目指していきます。

2005年に起業した私の1社目「クラリティ・アソシエイツ」に続き2社目、約20年ぶりの起業です。
当時とだいぶ起業環境も変わっているので2社目といってもだいぶ勝手がわからずドキドキしていますが、頼る人が誰もいなかった当時に比べて、今回はCookpad時代からお付き合いさせていただいてる生産者の皆さんや業務委託をお願いしている方もたくさんいらっしゃるのでとても心強いです。

2023年は地元・葉山にて楚々さんをお借りしての朝ごはんイベントを行い、2024年は”発酵の手しごと”というワークショップ形式に変更して開催しています。

このワークショップは単にワークショップやることが目的なのではなく、私の商品企画の研究やコミュニティ構築の学びを得る場としてとても重要な場所になっています。

ここでのヒントをコンテンツ化して、2024年4月・5月にはそれぞれ2週間ほどサンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨークに現地の発酵のトレンドを視察しに行き、サンフランシスコでは何度かポップアップイベントをしてきました。

帰国してからはオリジナルの商品開発や、インバウンド向けクッキングツーリズムの商品開発が進んでいます。

手探りではありますが、何よりCookpadで7年間、没頭してきた料理の領域です。もちろん緊張感もありますが、息を吸うように7年間やってきた領域ですから、安心感があるのも事実。また新たな料理領域の挑戦ができることにとてもワクワクしています。

LUVtheLIFEのサイトができたり商品が世の中に出せた時には、また改めてお知らせいたしますので、ぜひ今後も引き続き温かく見守っていただけたらと思います。

もう一つの新たな挑戦について

ここまででもだいぶ長文なのに、さらにもう一つご報告を。

実は2024年6月1日より、渋谷のスタートアップ「allesgood Inc.」に、プロダクトマネージメントの領域にフルコミットする形で入社しています。

結構、渋谷のオフィスにいます。私の1社目の”創業の地”と近いので、懐かしい気分です。

allesgood代表である勝見さんからFacebookでDMをいただいたのが今年の1月下旬。(当時はBaseMeの前身である「エシカル就活」というサービスでしたが)彼にJoinオファーをいただいた際は、私はZ世代でもないし、そもそも就活したこともないから私自身にペインもないし、よくわからない領域だったので、お断りをしていました。

…ではあるのですが、勝見さんから「価値観で人をつなげたい」というビジョンを聞いた時。
Cookpadでの活動を通じて私が経験した「好きなもの(価値観)が一緒だと、人たちは、国境や性別を超えて共感しあえ、楽しさや幸せを享受できる」ということがふと頭に浮かび、それを思い浮かべながら話を聞いてたんですよね。

Cookpadで海外視察をしていた時に、各都市で知り合った人たちと、お互いに好きなモノの話で盛り上がった楽しさ。
私には私と同じ価値観を持つ人たちが世界中にいる、と思えることの心理的安全性と心強さ。

この経験は、私自身に強烈な経験として残っていて、LUVtheLIFEで目指したい世界のベースになっています。
そしてallesgoodが目指そうとしている世界も、同じベースがあるのではないか、と思うようになったのです。

私は料理を通じてそのVisionを目指しているけど、この人はキャリア領域を通じてそのVisionを目指しているんだな、と腹落ちしてから、彼がやろうとしていることに私がどう役に立てるか一旦検討してみよう、とスタンスが変わったのを覚えています。

創業社長である勝見さんはZ世代、まったく違う業界、シードラウンドの若い組織…話を聞けば聞くほど難易度が高い挑戦だな…と正直、躊躇する部分が多分にあったのですが

「多くの人が選ばないであろう、または賛同もされないであろう、私しかやらかさないだろう挑戦」でヒリ付きを持って人生のワンチャン勝負をしたい。

を思い出し、思い切ってダイブしてみよう、と入社を決断した次第です。

Z世代、年代が違いすぎて全然わからないけど、彼らの若さや熱量なら、私がLUVtheLIFEでは辿り着けない、まだ私が知らない世界へ連れて行ってくれるかもしれない。

ここにBETしたい。そう純粋に思いました。

全然料理と関係のないallesgoood Inc.になぜ?
2つもやって、やり切れるの?
これは私にとって悔いのない、今取るべき選択なの?
と思われる方も多いと思うのですが

LUV the LIFEとallesgoodを両方選ぶ、といのが今の私の最適解

であった、というのが結論です。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

そんな感じで「天命を知る」はずの50代を、天命?なにそれ?くらいの勢いでバタバタと生きております。

2023年年末から2024年の上半期は瞬き3回くらいのスピードで過ぎていき、記憶がところどころ無いくらいです(笑)。

しかしながら人生の記憶に残る濃い期間だったと思うので、良い選択だったと思えるように精進してまいります。

これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。

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