見出し画像

シェイクスピアの入口①「ジュリアス・シーザー」

画像2

(ややネタバレ)

シェイクスピアと言えば、1600年以降に書かれた四大悲劇「ハムレット」「オセロ」「リア王」「マクベス」が有名ですが、その直前(1599年頃)に発表された「ジュリアス・シーザー」は、比較的すっきりとしていて分かりやすい心理劇です。

時は古代ローマ。英雄シーザーの独裁的な権力が強まることを恐れ、議員たちはシーザー暗殺計画を謀ります。そのためにまず、議員たちはシーザーの側近ブルータスを仲間に加えようとします。

 しかし、ブルータスにはシーザーを恨む理由は何もありません。その一方で、独裁を許してはいけないとも考えています。 ブルータスは煩悶します。「この計画は民衆の理解を得ることができるのだろうか?」「暗殺の真の大義は何なのか?」。

結局、議員たちに説得されたブルータスは、「ローマのために」と自分に言い聞かせてシーザー暗殺を決意し、成功します。

事後、ブルータスは民衆に対してこのことについての説明を行い、一旦は納得を得たかに思えました。
しかし、続いて弁舌の才で上回るシーザーの腹心アントニーが壇上に立ち、逆襲の演説を始めます。そして「世論」の振り子は予期せぬ方向に転じて行きます。

シェイクスピアの戯曲にはト書き(状況説明)がほとんどないため、活字で読むより舞台で観る方が分かりやすいかも知れません。

また、出来れば生の英語でセリフのリズムを体感できるとよいでしょう。そのため、和訳字幕付きの映画で楽しむこともお勧めです。

                                                                                    ⇒「ハムレット」に続く

シェイクスピア

シェイクスピア、ウィリアム(1564- 1616)~イギリス・劇作家、詩人~
イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物。「最も優れた英文学の作家」とも称される。「ハムレット」、「オセロ」、「リア王」、「マクベス」「ロメオとジュリエット」「ヴェニスの商人」などが有名。


この記事が参加している募集

海外文学のススメ