オスカー・ワイルドの入口①「サロメ」
(ややネタバレ)
オスカー・ワイルドは、ディケンズやエリオットらの後の世代、19世紀末を代表する作家です。
耽美主義、デカダンス、芸術のための芸術・・・これらの呼称からワイルドは「とっつきにくそう?」と敬遠されがちな面もありますが、「サロメ」は比較的読みやすい作品です。
文庫で60ページほどの戯曲なので、ストレスも少なく読了できるでしょう。聖書の挿話が土台となっていますが、元の話の知識は必須ではありません。
ただ、アクが強く濃密な内容なので、好き嫌いがはっきり分かれるかも知れません。
好みに合う人は、倫理を超えた妙味を堪能することができるでしょうが、苦手な人にとっては醜悪な猟奇ものでしかないかも知れません。
また、悲劇ととるか喜劇と感じるか、ここも分かれるところでしょう。
⇒「獄中記」に続く