幼なじみという呪い。⑦【一旦、終話】

※実体験を元にしたフィクションです。元ネタはこちら

1話目 幼なじみという呪い。②【はじまり】
2話目 幼なじみという呪い。③【好きでしかない】
3話目 幼なじみという呪い。④【ウソの友情と幼い性愛と】
幼なじみという呪い。⑤【そしてメンヘラへ……】

前回


結婚報告と変わりゆく連絡ツール

自分が結婚した、このことをヤマピーに知らせねばならない。ここではまだ、私はこんなにマトモになったよ!だから心配しないでね!そして私の過去の悪行も謝るから許してね!みたいな気持ちがあった。ここで一旦終わらせたい、私の彼への気持ちを。ここで一旦終わらせたい、メンヘライメージな私を。ここでまた戻りたい、友達として連絡を取り合う仲に。

結婚することになったんだよ~、という軽い内容にまたもヤマピーは優しく返事をくれた。夫婦というのはなかなか大変なこともあるけど君が選んだ人ならきっと大丈夫だよ、みたいな素晴らしい大人のテンプレのような内容だった。それでもとてもとても嬉しかった。私に、そんな言葉をくれたことが。これ以上、望むことがあるだろうか?その時はそう思って、報告だけに留めた。


マトモなやり取りをしたのはこのあと、ネコを飼い始めた時に送ったメールくらい。その時もなにか返事をくれたとは思う。スマホが当たり前の時代になって、私が知ってる連絡手段のキャリアメールでは連絡が取りづらくなった。そしてついに、完全に連絡を取らなくなった。

LINEの設定で、電話番号登録で自動追加というようなものがある。ヤマピーはそれまでLINE上に現れたことがないのに、2年前くらいに急に現れたのだ。私が登録している名前で。私はすぐさまトーク画面から当たり障りのない何かしらを送ったが、既読はつかない。しばらくすると表示名が変わっていた。名字は変わらないけど、名前が違う……男性名だから、息子さんかな。と思ったら急に連絡するのが怖くなった。私が知ってるヤマピーの連絡先、これはもうヤマピーの息子が使ってるかもしれないから。

大好きなヤマピーの、息子かもしれない存在が(スマホの中とは言え)目の前に現れて、もう私は動くことができなくなってしまった。



思い出は美しい

文量を見てお気づきだと思うが、中学生の頃の話が異様に長い。つまり思い出。この歳になって20年以上も前のことをここまで覚えているというのはやはり、そこに執着しているからだろう。思い出しながら書く作業で何度もその場面にタイムスリップして何度も気持ちや感情を追体験した。最後に会ったのも20代前半だ。恐らく、お互いに最も若く美しいとき。そこでストップしている。

もし今、会うことができたら。
私の気持ちは落ち着くか、もしかしたら幻滅するかもしれない。見た目だけではない。考え方や価値観が大きく違うことは簡単に想像できる。比較的アウトローな道を歩んできて一般社会的な価値観からは離れている私。お堅い職業に就き、一般社会から求められる倫理観から絶対に外れてはいけない立場である彼。お互いの近況だけでも、もう話が噛み合わないかもしれない。それなら思い出だけのほうがいいかもしれない。



伝えられなかったこと

私のほうが好きだったのに!他の女と結婚するなんて!!ということは、不本意な形ではあるけど既に伝わっている。ちゃんと伝えてない、とは言えるかもしれないけど。でも私が一番言いたかったことは言えてない。

中学2年の終わり、なぜ私になにも言わなかったの?あの時に私、ヤマピーから直接聞きたかったんだよ。

これが、一番なんだ。結局。それまでのことも話したい。大人になってからのことはもういい。不登校だったけどヤマピーと喋るのが楽しみだったんだよ、きっと小学生の時から好きだったんだ、中学2年になってから寂しかったんだ、転校すること直接ヤマピーから聞きたかった、あの時に私から聞こうとしたけど聞けなかったの気づいた?こんな話を。いま、どうやってしたらいいんだろう。そして、言ったらスッキリするのかな?なにか変わるのかな?私の中で。

動かないままで、答えが出るはずもない。





思いがけず、長くなってしまいました。次回はこのお話のまとめとして「幼なじみという呪い。」というところになんとか繋げていきます。こちらはフィクションというより私の現在の語りのようなものになる予定です。

ここまでだとスッキリしてないけど、ちゃんと終わらせます!


続き(最後)→ 幼なじみという呪い。⑧【呪いは愛】

ここから先は

0字

¥ 100

なにかしら心が動いたらサポートくださると嬉しいです。私の好きなことに使わせていただきます!変態記事を量産していきたいです😊