見出し画像

幼なじみという呪い。④【ウソの友情と幼い性愛と】

※実体験を元にしたフィクションです。元ネタはこちら

1話目

前回


あれから初めての再会

中学2年の終わりに会えなくなってから、次にヤマピーと会えたのは18歳の時だった。私は高校中退で大学なんてもちろん行けずそこそこに荒れた生活を送っていたけど、優秀なヤマピーは広島県内の国立大学に通っていた。中学3年から高校生の間ヤマピーは同じ九州内でも他県住まいだったし、高校では寮生活で簡単に会いには行けなかったのだ。

手紙のやり取りを基本としつつ、携帯電話も普及し始めていたことからやり取りは前よりも簡単になった。きっかけは忘れたけどたぶん、広島で一人暮らししてるから会いにくる?みたいな話だったと思う。やっと寮生活じゃなくなったわけですし?

福岡から広島まで会いに行く。当時はものすごい大冒険のように感じた。

このとき私はメンヘラ全盛期で日毎に違う男と寝て、というのを繰り返してたんだけども、ヤマピーと会えると思うだけで他のことがどうでも良くなってた。しばらくは外で男を探すこともなく自宅でゆっくり過ごすことができた。両親も同級生であるヤマピーのことはもちろん知っていて、広島までヤマピーに会いに行ってくるね!ヤマピーの家に泊まってくるよ!と言う私を普通に送り出してくれた。18歳のあちこち遊び歩く娘が一人暮らしの男の家に行くことをなんとも思わなかったんだろうか。もしかしたら私よりもヤマピーの方が信頼されてたのかもしれない。

風俗店勤務で金銭的に余裕のあった私は迷うことなく、広島まで一番速く行ける新幹線を利用することにした。新幹線からの景色は今でも覚えてる。なぜだかその景色だけはすごく覚えている。



とにかく幸せな時間

ヤマピーが住んでるアパートは駅から遠くて、車で迎えに来てくれた。運転免許を持ってなかった私は、ヤマピーが車を運転してることに感動した。地元で男とラブホ行く時にはなんとも思わないのに。同級生で同い年で中学までの姿しか知らないヤマピーが車を運転しているという事実に、感激したのだ。気持ちだけはピュアだ。気持ちがピュアと言えば、私はこの旅の目的はヤマピーと久しぶりに会ってお喋りすることだと思っていて、男性宅に泊まるという事実について全く想像してなかった。地元では色んな男の家でセックスしているくせに、だ。ピュアっピュアだ。

なんせ、あの別れから初めて、ずっとずっと好きな人に会える機会なんだもの。まず目の前に本人がいるというだけで舞い上がる。会えただけで、いい。

料理が得意なヤマピーは、私のために夕飯を準備してくれた。事前に、こういうの作ろうと思うんだけどどう?って聞いてくれていて、よくわかんないけどそれでいいよー!って返事して、そのやり取りも今では愛おしい。豆腐を使ったなにかオシャレな料理だった。料理男子過ぎてすごい。私は今でも料理が苦手だ。



もう、ただの同級生じゃなくなった

ご飯食べて、他に特別なにかしたのか覚えてない。なにを喋ったかも覚えてない。布団を用意してくれて電気を消したのは夜の11時くらいだったと思う。たぶん、他人を泊める想定ではない彼の部屋には布団は一組しかなくて少し窮屈にそれでも努めて離れて布団に入った。掛け布団か毛布くらいはもうひとつ用意してくれてたように思う。

私はヤマピーに背を向けて横になった。男性の横で寝るくらいなんでもなかったけど、好きな人を目の前にしかも同級生で肉体関係はなくて友達関係だと思っていてそんな人と向き合って寝られる気はしない。どれくらい経ったか、後ろのほうから「……胸触ってもいい?」って言われて「うん、いいよ…」と、ここで、もう普通の同級生じゃなくなるんだなーって思った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

冷静に大人の頭で考えると、一人暮らしの男の家に泊まる時点で大体そうだよね。まるで、転校するの?って聞けなかった時みたいな思考停止。この人のこと好きだって気づかないようにしてたし実際に気づくまで時間かかったあの時みたいな。18にもなればそういうことになるかもって想像つくはずでしょ。

たぶん、すごく好きで大事に思ってる人を特別な存在にしておきたかったんだよね。隣に寝てるからって簡単に手を出してくるような人だと思いたくなかったのかもしれない。他の男と簡単にするように、簡単な関係になりたくなかったのかもしれない。だから、考えないようにしてたのに。

18歳童貞男子の性欲を甘く見てはいかん!!

そう言えば、この時にもこの後にもヤマピーとはキスしたことない。嫌煙家で、私がタバコ吸う人だからかな~と思ってた。でも、ただ私のことが好きではなかった、だけなのかもしれないな。




今回は広島だけで終わりました。ここまでは、ほとんどお花畑脳の乙女ちっく回想。これからは拗らせるばかりになっていきます。次回もお楽しみに。


続き→ 幼なじみという呪い。⑤【そしてメンヘラへ……】

ここから先は

0字

¥ 100

なにかしら心が動いたらサポートくださると嬉しいです。私の好きなことに使わせていただきます!変態記事を量産していきたいです😊