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10月のお稽古は中置(10/11)
10月と言えど昨日は夏日で、先生と「季節感がないわね〜」と笑ってしまいました。
季節はもうすでに二十四節気で寒露。
「寒露」とは、朝晩の冷え込みがはっきりと感じられなるようになり、明け方、草や葉に宿る露の冷たさに驚かされる、という季節です。
七十二候では次の3つの候に分かれます。
10月8~12日頃 鴻鴈来
燕が南へ帰ると入れ違いに雁が渡ってきます。遠くシベリア、カムチャッカから海を越えてやってきた雁は日本で越冬してまた春になると北へ戻っていきます。隊列を組んだ雁の姿は趣があり、昔から日本の風景としてなじんでいます。
10月13~17日頃 菊花開
秋の代表的な花である菊が咲き始める時季。このころの晴天を「菊晴れ」とも言います。菊は皇室の紋章でもありますが、鎌倉時代初期の後鳥羽上皇が菊花の意匠を大変好んだため、とも言われています。
10月18~22日頃 蟋蟀在戸
漢字はコオロギですが、昔コオロギのことをキリギリスと呼んだそうです。
哀愁漂う秋の虫の音が晩秋深まる秋の世を感じさせる時季です。
さて、今日のお稽古は、一年にひと月だけ行う、「中置」のお点前です。だんだんと寒くなってきた10月のみ、風炉から炉へ移る際、多少暖を取る意味で、お客様の方へ風炉を寄せるわけです。
備忘録として、下記メモです。
◆柄杓の柄が真ん前に突き出てくるため、茶筅通しを行う際は、柄にひっかからないように少し手前に持ち上げる。柄より高くならないように。
◆それぞれ置き合わせる場所に注意。特に仕覆は狭いところに置くため、最初の位置が重要。水指が左サイドに来る。
◆本仕舞のため、茶碗、茶入れ(棗)は清めたら元の位置へ戻す。
◆水指が近いため、蓋を置く時は二手で。
YouTubeなどを見ると、先生によって蓋置の場所が少し違うようです。
お軸は「昨夜一声雁」。
「昨夜一声雁、清風万里秋」の一部。前半部分のみの掛軸もあれば後半のみのものも。
昨日の夕景、空を見上げると、北から南へ雁の一群が鳴きながら渡って行った。暑い、暑いと思っていたが、もう雁が渡って来る季節になったのかと物思いにふけったものだ。
今朝起きてみると、清々しい風が吹き渡って、もう至る所、秋の気配がするわい
といった情景をあらわしています。
先生は、「雁の一声で”喝!”と言われたようにぱっとモヤモヤが秋空のようにクリアになる、といった意味合いがあるのでは」とお話しされていました。
秋の清々しさがあらわされた禅語ですね。
茶花は
秋海堂、不如帰、蓼、ススキ
など。もう秋の花も終盤になっています。