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Vol.2 「わかめの養殖」
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Vol.2 「わかめの養殖」

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一次産業の生産時に出てくる廃棄物を日用品に変化させ、自然と人とが寄り添った暮らしをつくる。

そんな想いで立ち上げられたライフスタイルブランド「ura」で、最初の商品づくりが始まりました。

つくられているのは、シャンプーとコンディショナー。岩手県陸前高田市産の廃棄されるわかめの根元部分の茎のエキスを原料にした商品です。

この連載「ura 制作ストーリー『ura shampoo・ura conditioner』」では ura が取り組む商品開発の様子をご紹介します。

Vol.2の今回は ura の三浦尚子さんにシャンプー・コンディショナーの原料になるわかめの養殖についてお話をお聞きしました。

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三浦 尚子(みうら ひさこ)
わかめ生産者 / 編集者
1991年生まれ。神奈川県出身。岩手県陸前高田市在住。玉川大学文学部比較文化学科卒。大学卒業時に陸前高田市で約1ヶ月間の漁業アルバイトを経験した後、2014年5月に同市に移住。マルテン水産で牡蠣やわかめの養殖作業に携わり、2020年にわかめ生産者として独立。"ura"の屋号でわかめ養殖作業のほか、SNS発信やWebメディアの運営サポートを行う

三浦さんが独立してわかめの養殖を始めたのは、2020年10月のこと。
今はマルテン水産での仕事を続けながら、個人でわかめの養殖とuraの運営を行っています。

わかめの養殖を行うのは、毎年6月〜4月まで。三浦さんはその仕事について「『海の農家』に近い感覚」を持っていると話します。

1年の最初に行う作業は、「採苗(さいびょう)」。紐にわかめの胞子をつけ、海の中へ。芽が出るまで、海に沈めて待ちます。続いて、芽が十分に生えた後、11月に行うのが「種まき」。

早朝に海へ行き、育ったわかめの種を回収。その後、仕込み作業として、陸上で紐にわかめの種を挟み込んでいきます。

「作業は大体朝の5時から、午後4時まで。陸上で仕込んだわかめの種を挟み込んだ紐を、海上に設置したロープに巻きつけていきます」

「わかめの種が乾燥に弱いこともあり、風が強い日は作業ができません。冬の不安定な気候の中で、自分で判断しないといけないので、種まきは一連の作業の中でも特に難しい工程だなと思っています」

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種まきをした後は、定期的にわかめの様子を見に海へ。ちゃんと育っているかどうか確かめながら、芽が十分に出ていないところは種をまき直す「補殖(ほしょく)」を行います。

約1週間が経って、わかめが安定した状態になったら、あとは自然に任せて成長を待ちます。

種まきから3〜4ヶ月後、わかめが十分に育ったら「収穫」の時期。2メートルほどに成長したわかめをナイフで刈り取りしていきます。

「出荷するのは、わかめの根本にあるめかぶの部分。そこから下の茎は全部ナイフで削ぎ落としてロープをきれいな状態にしていきます。ロープは毎年使うので、きれいな状態になったら引き上げて回収していきます」

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この時に削ぎ落とされていくわかめの茎がシャンプー・コンディショナーの原料に。
三浦さんが養殖の工程の中で「もったいない」と感じていたことが商品開発のきっかけになりました。

収穫したわかめは、漁協に出荷。一般的に塩蔵加工した状態で出荷する人が多い中で、三浦さんは生のまま漁協に卸しています。

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三浦さんが独立してから、一連の流れを経験したのは昨年と今年の2回。
回数を重ねるごとに試行錯誤を繰り返しながら、わかめの養殖を行っています。

「1回目は本当に初めてだったので、『なんとかしないと』という気持ちを強く持っていましたね。すごく緊張しながら仕事していました。2回目の今年は同じ気持ちを持ちながら、今後も続けていくための形をつくらないといけないなと考えて作業しています」

昨年はマルテン水産のスタッフに協力を得ながら、養殖を行った三浦さん。今年はできるだけ職場に頼らずにできる方法を模索し、一次産業に興味を持っている周りの人達に声をかけて、手伝ってもらいながら種まきを行いました。

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ひとりではできない作業を、友人や知人に手伝ってもらう。
これまで会社や家族労働が一般化していた漁業にとって、新しい方法でわかめの養殖を続けていこうとしています。

「生産規模が大きいところは会社として行ったり、家族の中で旦那さんと奥さんが一緒に作業したりすることが当たり前の業界。なので、私が養殖を始めることを地域の人に伝えたときは、『ひとりではできないぞ』と言われて。でも、私はその固定概念にとらわれずに、大きい会社じゃなくても、夫婦じゃなくても、そしてそもそも男性じゃなくても、この仕事ができるようにしたいと思っているんです」

「だからまずは私が自分の身の回りの人たちに手伝ってもらいながら、新しい方法を実践して、ゆくゆくはこれから新しくこの仕事に就こうとする人にも紹介できるような方法を見つけていけるといいですね」

春にわかめの収穫、出荷を終えた三浦さん。改めて、今年の作業を振り返りながら、今後に向けて「実践し続けていくことの大切さ」を感じているといいます。

「今回も本当にいろんな人に手伝ってもらって、なんとか作業を終えることができました。協力してくれたのは、ほとんど他業種の仕事をしている人ばかり。同じ漁師の人でも普段は全然違う仕事をしている人だというのもあって、みんなとの作業から学ぶことが多くありました。改めて振り返るとすごく楽しかったですね」

「今後はもっと技術を向上させていきながら、自分で一通りの作業ができるようにしていきたいなと思っています。uraとしての新しいプロジェクトもありますが、やっぱり本業は海なので。みんなに『やれるんだぞ』というのを伝えていくために、実践し続けていきたいですね」

Vol.2のお話はここまで。次回もぜひお楽しみに。
ura shampoo・ura conditionerは、公益財団法人さんりく基金の助成を受け製作しています。

(文:宮本拓海)

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「流れる水のように ゆるやかに つながりつづける」 uraは、自然と人が寄り添う暮らしを目指して生まれたライフスタイルブランドです。