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「UPGRADE with TOKYO」第23回・24回・25回(テーマは「電力のHTT(「H」減らす・「T」創る・「T」蓄める)の推進」を開催し、各回3社の優勝が決まりました!

東京都が抱えるさまざまな課題の解決に向け、これまでにない製品・サービスをスタートアップ企業が紹介するピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」が開催されました。今回は第23、24、25回の合同開催で、テーマは「電力のHTT(「H」減らす・「T」創る・「T」蓄める)の推進」。AIや再生可能エネルギー関連など9社がピッチに臨み、第23回「H」減らすではSOINN(ソイン)株式会社、24回「T」創るではinQs(インクス)株式会社、25回「T」蓄めるではエリーパワー株式会社がそれぞれ優勝しました。

日本でも電力不足は長期化

国際情勢により顕在化した我が国のエネルギー安全保障という課題は長期化が見込まれており、電力危機のリスクは依然継続しています。この冬も依然として厳しい見通しであり、引き続き電力需給ひっ迫への対策が必要不可欠となっています。

都の関連施設への導入を前提に省エネ・節電技術を競う

東京都はこれまでも電力の安定化に向けて、節電等の徹底化や都民・事業者への節電行動の呼びかけなどを行ってきましたが、一連の行動をさらに後押しするには、都庁自らが率先して、「HTT」の取り組みをさらに加速させる必要があります。こうした背景から、今回の合同開催では、都の関連施設への導入を前提として省エネや節電などにつながるスタートアップの製品、サービスを募集。H、T、Tごとに優勝社が決まりました。

■第23回「H」減らす 優勝社:エントリーNo9 SOINN株式会社

施設内の電力稼働状況を、独自AIによって検出し節電
第23回で優勝したSOINNが提案したのは、施設内の電力稼働状況を独自AIによって検出し節電を実現するシステムです。現場に設置したパソコン1台で対応でき、既存の自動運転装置からさらに4%削減できます。東京・丸の内エリアでは、大規模熱源システムにこの技術を搭載。どんな天気の時に、どのようなビルが、どういった形でエネルギーを消費していくのかについてAIが学ぶ仕組みです。重要な情報だけを覚え、それ以外は効率よく忘れるという、脳の側頭葉のメカニズムをモデル化したAIです。これによってエネルギー消費量が最小となる設定値を探索し、出力・制御します。
都庁舎の年間消費電力量は、一般家庭の約8900世帯分ですが、丸の内と同等レベルのシステムを適用することで、4%分に相当する356世帯分の削減が試算できます。目標はその倍に当たる712世帯分です。また、発電や蓄電池との併用も可能で、昼間の電力状況を予測し夜間の電気代が安い時間に買電して充電できます。

■第24回「T」 創る 優勝社:エントリーNo1 inQs株式会社

ガラスで地産地消型エネルギーを創出
第24回で優勝したinQsは、電気を使いたい場所で作って使うという、地産地消型エネルギーの創出を目標に掲げています。太陽光だけではなく、生活時に発生する明かりの利用も可能で、核となる技術を搭載した製品が、遮熱効果と環境発電を同時に実現するガラス「SQPV」です。2枚の板ガラスの向かい合った内側に透明な発電層が組み込まれており、表裏から受光し発電します。このため建物の景観を壊すことなく設置することが可能です。既存の建物にも簡単に対応でき、オフィス共用部を稼働させるエネルギーをまかないます。また、遮熱効果によって空調費を30~40%削減します。
2050年に温暖化ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを実現するに当たっては、新築だけではなく建物の改修によって、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化を推進する必要があります。SQPVは、既存建物のZEB化、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化を促す技術として注目を集めそうです。

■第25回「T」 蓄める 優勝社:エントリーNo6 エリーパワー株式会社

停電発生時には1基で500台以上のスマートフォンの充電
第25回優勝社のエリーパワーは、電力需給のひっ迫緩和に貢献する蓄電池サービスを提案しました。サービスは可搬型の蓄電システム「パワーイレ・スリー」とパワーイレ・スリーを一括して管理するシステムで構成されています。需給のひっ迫は、ピーク電力を削減・シフトすることによって緩和できます。具体的には、電力会社のオフピーク時に蓄電をしておいて、ピークに備えて電気を作っておきます。ピーク時には蓄電池から放電させることで、ピーク電力の削減に貢献します。
パワーイレ・スリーは多くの台数を束ねることによって、より大きな効果を発揮します。例えば東京都の関連施設に180台を分散配置した場合、1年間で15万キロワット時の電力をピークシフトすることが可能です。通常はピークシフトに活用しますが、停電発生時には一般開放し充電スポットとしての役割を果たします。1基で500台以上のスマートフォンの充電に対応できます。

「HTT」はゼロエミッションなどにつながる重要な取り組み。東京都との協働によって、より高度なHTT関連技術へと発展することに期待が高まります。


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