最近の記事

人として大切なことは旅程の余裕と欠航への備え(高松ケースのご報告)

 旅程崩壊なんてものは端から見ているのが楽しいのであって、公務多忙な公人たる私は、外向けには限界イキり旅行者としてイキっているが、実際のところ旅程崩壊は大いに恐れている限界チキンに過ぎない。 1.伊丹空港での余裕エピソード 実際、どこかへ遠征ともなればバックアップルートの目星をつけ、ある程度の余裕をもたせるようにしている。そんな訳で先の週末は、ふらりと関西方面へお出かけすることにしたのだ。  今回の目的は15:00開演のラジオの公録のために三ノ宮まで。多少の寝坊も出来るよう

    • 鶏肉の生食

       人間が南九州へ行く理由なんて、たった一つしかない。それは鶏肉を生で食べたいという生物として根源的な欲求である。 かつてウィンストン・チャーチルが述べた「その新鮮な鶏は卵よりも肉に意味がある(The fresh chicken is meaning with before eggs.)」という言葉により、本邦における鶏卵論争に決着を付けたことが広く知られている。  鶏肉の生食は禁忌であるが故に長年に亘る人類の悲願であった。  結局のところ、人類はいつまでも愚かな行為を繰り返

      • 韓国まで鞄を買いに行った話(後編)

         さて、 前 回 は壊れかけた鞄の代わりを求めて韓国を彷徨ったという話をした。日本に戻ってから、この失敗談を話したところ「同じの鞄が5年も製造されているとは思えない。今更新品で手に入れるのは無理があろうかと思われる」とお気持ちを頂いた。  確かにその通りだ。  せめて同じようなサイズ感のクソデカ鞄が欲しい。なんせ機内持ち込み出来るキャリーカートとほぼ同じ内寸(チャック拡張時)があるのだ。この容量は私の旅行に必須となる下限サイズなのだ。  しかしこう明確に理由を添えて無理だと

        • 韓国まで鞄を探しに行った話(前編)

           かれこれ同じかばんを6年間も使い続けて、もうぼろぼろになってしまった。よくある肩掛けのショルダーバッグなのだが、A3の本でも折り曲げずにそのまま入れることが出来る上に容量を拡張を出来るチャックがついており、大変に使い勝手が良い。  これを手に入れたのは、もう5年も前に釜山駅前の地下街にある露天なのか店舗なのか、外国人観光客には一見分かりにくいお店だった。その店で見かけた実用性一点張りの肩掛け鞄。クソ日本人(筆者のこと)が、鞄に興味を示したところに店主は「メイド イン コリ

        人として大切なことは旅程の余裕と欠航への備え(高松ケースのご報告)

          のぞみ ナンバー・シックスティフォー(64Aのお話)

           今まで、幾度となく新幹線に乗ってきた。 新函館北斗も、金沢へも、もちろん博多南だって行ったことがある。 そればかりか外国の新幹線にも乗ってきた。しばらく前にソウルへ遊びに行くのに宿を200kmも離れた大邸市に取ったのは、当地にも高速鉄道が根付いているからに他ならない。  さて、「今まで最も多く乗った新幹線はなんですか?」と尋ねられたら答えは決まっている。 「それは、のぞみ64号だ」  もとより新幹線がない地域を故郷とする私にとって、新幹線とは遠く離れた世界の乗り物であり

          のぞみ ナンバー・シックスティフォー(64Aのお話)

          白に染まる街、白に染まる僕。

          1.  例年になく強い寒波が日本列島を覆い尽くした夜。 空からは無限に舞い降りてくる雪は、都市機能もろとも風景を白く埋め尽くしていく。静謐と静寂、凍てつくような冷たい空気は物理的にも精神的にも全てを凍りつかせて、つかの間の休息をこの街にもたらすのだ。  仕事の合間に覗いたネットニュースは、降りしきる雪の話題で占められていた。同僚たちは「電車が止まるといけないから」と言い残してどんどん先に帰っていく。日没からさほど時間が経たわけでもないのに、気づけばオフィスに残るのはもう自分

          白に染まる街、白に染まる僕。

          異世界虻さん 第7話 「傷心の虻さんと軟弱の道」

          【前回「エロ触手vs虻さん」のあらすじ】  エロ触手に襲われた村を救うため、1人で触手が跋扈するチンポランドへ乗り込むも、逆に触手に襲われてしまった虻さん。このままではエロ触手の粘液でふたなり男の娘にされてしまい、種付されてしまう! 絶体絶命の危機に陥ったが、異世界へ回送される直前に笹松しいたけから献本された新刊を心を込めて朗読することで触手たちは萎え、村は救われた。 こうして虻さんは村の英雄になったのだ!  触手を退治したことで、村の英雄となった虻さんを称える飲み会は三

          異世界虻さん 第7話 「傷心の虻さんと軟弱の道」

          コミケC100の思い出~笹松への恨みを添えて~

           笹松しいたけが日本銀行に行くだけの話がずいぶんとバズったらしい。世の識者らは、この状況を「笹松は日銀へブログのネタを強奪しにいったのだ」と指摘する。この性癖コンプライアンスが機能していない愚かなる股間チンポ主義者は、倫理観が厳しい全体主義諸国では思想わいせつの罪で秘密警察に無令状逮捕されても仕方がない。  ともあれ、今日はそんな笹松しいたけの悪行について書き連ねていこう。 御存知の通り、小生は先のコミケC100において新刊「言論の力」を上梓した。これは2冊構成となっており

          コミケC100の思い出~笹松への恨みを添えて~

          本当にあった怖い話

           つい2~3年前の話なんですけどね、ちょっと用事があって北海道に行ったんですよ。  用事自体はすんなりと終わって、出先の人と一緒に軽く食事なんかして、「じゃあ最終の飛行機で東京に帰りますから」なんて言いながら、札幌駅から空港に行く電車に乗ったんです。  ついつい話が盛り上がっちゃって、本当に最終の飛行機にギリギリ間に合う電車に駆け込むように飛び乗ったんですよ。 いえ、流石に出発の1分前には車内にいましたよ。本当に駆け込んだ訳じゃないですけど。  電車の中で(いやぁ、さっき食

          本当にあった怖い話

          大雪のStarlight Prologue

           今週末(2021年1月15日あたり)はどうやら日本海側で大雪となるらしい。つい2~3週間ほど前も大雪の懸念が盛んに騒がれ、関が原が雪中に没したのも記憶に新しい。札幌も大雪で大変なことになっているとのことなので、折角だから大雪のまつわる思い出話をしよう。    コロナ禍となってからすでに2年。  社会はある程度この特殊な状況への対応を求められる中で、感染症対策と経済循環、ひいてはその先にある日常生活の両立を目指し、現実的な妥協を必死に探っている。 それはまたオタクの活動にお

          大雪のStarlight Prologue

          かつて関西空港に閉じ込められた話

           たまには、少し懐かしい話でもしようか。 そう、これは3年ほど前の冬に私が実際に経験した、ちょっとした体験談である。  私を載せたVIPの文字を図案化した鳳凰を尾翼に背負った飛行機は、ユーラシア大陸に向けて高度を下げていった。 衛星写真の如く眼下に広がる地形は、降下が進むにつれて航空写真からやがて展望台から見る風景に近づいている。飛行機の目的地、北京首都空港が近づいてくるにつれ、華北の大地の様子が克明になってくる。 「どうせ中華人民共和国はしょっちゅう行ってるから」と前回

          かつて関西空港に閉じ込められた話

          古い・ボロい・ホテル

           さてこれは過日の或る日の話です。 デヰスコォドなるインターネットオタヨリツールに、ふとこんな一言を漏らしてしまったのです。 「嗚呼、今週の得旅マイルに凾館が含まれてゐる。行きたいナア」と。 然しこれは吾輩の本意ではございません。凾館に行けるもんなら行きたいという気持ちを発露しただけであつて本当に凾館へ行くつもりなど毛頭なかったのです。  それから暫くして吾輩の元に一つのメツセェジが届いたのです。それは凾館行きの具体的な行程を尋ねるものでありました。 いやはや、そんな気軽に

          古い・ボロい・ホテル

          コミケ・為替・レート

           そろそろ日本も、入国における水際対策が緩和されるという。  日本国籍を持つ再入国者はワクチン接種を条件に3日間の隔離に許容されることになり、いわゆる限界旅行勢達が頻繁な出入国を繰り返す日が戻ってくるタイミングも近いのだろう。 かくいう私もかつては、毎週のように出入国を繰り返していたがもういい加減いい歳になり衰えもある。最近は、せいぜいラブライブ!シリーズのライブを全て追いかけるのが精一杯である。  さて今日の話題は、国境がまだ開放されていた一昔前の想い出だ。その日、私はコ

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          灼熱の日差しから逃れて…

           これはある夏の話だ。  燦々と輝く陽光は爽やかな夏という記号をとうに投げ捨てており、単なる都市を焼き尽くす灼熱として地表に降り注ぐばかりである。  もう無理だ。 そう悟った小生は、一瞬の涼を求めるべく算段に入った。  今日も気温は30度を優に超えてくる。ともなれば選択肢として第一に挙がる手段は、“場所を変えてみる。” それが最も容易にして適切な判断となるであろう。今どきの言葉が表すところの「コスパがよい」というものである。徐に小生は動き出した。  平日の昼下がりともなれ

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          ラブライブ!サンシャイン!!二次創作小説「セイラハウス編」

          「姉さま!これはどういうこと!?」  理亞が血相を抱えて飛び込んでくる。 その手にはある道民雑誌が握りめられている。 「私、知らなかった。姉様が国後島に宿泊施設を作ったことも、それがセイラハウスって呼ばれていることも」  聖良は理亞の剣幕に動じることもなく、いつもの定位置でお茶をすすりながら話を聞き流す。 「理亞、もし仮に私が北方領土に施設を作ったとして、それが非難を受けるわけではありません」  聖良は冷静に理亞に諭すように告げる。 「姉様、そのお金はどこから手に入れたの?

          ラブライブ!サンシャイン!!二次創作小説「セイラハウス編」

          ラブライブ!サンシャイン!!二次創作小説(サンプル)

          緒言 これはラブライブ!サンシャイン!!の二次創作であり、今後の某イベントにて頒布を予定している内容の一部について事前公開を行い、需要の喚起に努め、読者の要請に応えるサンプルである。 以下、本文 タイトル「黒澤ルビィがよっしゃ!よっしゃ!する話」 「鞠莉ちゃん!久しぶり~~」 ルビィは久々に会った上級生に駆け寄った。 「ルビィ、新しい生徒会長として頑張ってるようね!これはちょっとしたお祝いよ」 鞠莉は有名な化粧品ブランドの紙袋をルビィに手渡す。 「中に10本入れてあるわ

          ラブライブ!サンシャイン!!二次創作小説(サンプル)