魚柄仁之助の生活防衛レシピ 第19回

魚柄仁之助の生活防衛レシピ
〜第十九回 手作り❣鯖の味噌煮〜

図1

ドロッとした白味噌仕立ての鯖の味噌煮です。
生姜のピリッとした刺激と白味噌の甘辛さが溶け合って
御飯が進みますな。

ところでこの鯖に味噌煮って
じっくり煮込んで・・・と言うイメージが
ありませんか?
そんなイメージがあるからそもそも
作ってみよう!と言う気にもならないのかもしれない。

フライパンで鯖の味噌煮

1;鯖の頭と尻尾を切りおとしたら三分割し、 小麦粉(又は片栗粉)をまぶす(最初に頭を切り落としておけば、三分割した時に内蔵は簡単に取り出せます)

図2

2;大匙2杯(30㏄)の油を入れたフライパンを弱火にかけ、
 鯖を転がしながら鯖の表面がカリッとなるまで炒める

3;一度火を止め、味醂50㏄、酒(又は水)50㏄、味噌50㏄
 そして下ろし生姜を混ぜて入れ、弱火で煮詰める
 焦げやすいので木べらで鯖を転がしながら煮詰めると
 煮汁がトローンとしてくる

*煮詰めて味を浸みこませよう…などと考えないで
煮汁がトローンとなったら火を止めて蓋をし、
そのまま冷ます

図3

ここがツボです❣

火を止めてから冷めてゆく間に味が浸みこみます。
これは物理学で言うソレー効果と言う現象で、簡単に言うと
「冷める時に味は浸みこむ」のです。

この作り方でしたら、鯖の身が崩れることも無く
味もしっかり浸みこみます。
味噌󠄀ごとタッパーなどに入れて冷蔵保存すれば
作り置き惣菜にもなりますね。
作ったその日より翌日の方が味がよく浸みて
美味しくなります。

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今はむかし…バブルの頃のお話です。
現在では考えられないようなことですが、
「彼女に作ってほしい手料理は?」とある雑誌で
独身男性サラリーマンにアンケート調査をしたら
鯖の味噌煮と肉じゃがが上位に入っておりました。

その頃、このおいさんちに
「鯖の味噌煮、教えてくださ~い」とやって来る
若いお姉さんも何人かおりましたが、
もしかしたら下心があったのかも?

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今回も編集部のKさんがレポートしてくださっています!

たしかにサバの味噌煮といえば煮込むイメージがいつの間にか刷り込まれていて、保温調理の知恵を活かせるとは、魚柄先生に教えられるまで気づきませんでした。
これまで学んできた「料理の常識」は思い込みばかりと改めて感じ、さっそく魚屋で丸のままのサバを探します。コロナのご時世、やはり鮮魚は苦戦のようで、銚子で揚がったという大物が一匹350円でした。割引されていたことからわかるように、鮮度はそこまでよくありません。

画像4

サバ缶代わりの試作の一品にはかえっていいと思い、即買いです。

平日でしたので帰宅後、ゆっくり料理する時間がありません。三等分して片栗粉をまぶします。

画像5

油通ししたときに気づきましたが、このサバは大きかったのでもう少し小さめに切ったほうが、調理しやすかったです。

火を止めて味噌、酒、みりんとおろし生姜を加え、再び火をつけます。すぐに煮汁がふつふつしてきますので、弱火にして木べらでサバを動かします。

画像6

2-3分でとろみが増してきて、5分もたたないうちに焦げそうになってきます。もはやこれまでと思い、ふたをして火を止めます。

ぴったりふたを閉じたまま、温度が下がるのを待ちます。この日はここで寝てしまい、翌朝タッパーに移して冷蔵庫に入れました。

冷蔵庫の奥に眠るサバの味噌煮のことを忘れ去って1週間。この日も慌ただしく帰宅し、夕食のおかずをどうしようか悩んでいると、1週間前のサバを思いだします。寝かせるには十分な時間が経過していますので、夕食メニューに追加してみました。

画像7

味はどうでしょうか…味噌の味がしっかりしみ込んでいるのはもちろんですが、なんだかサバの身がしっとりしています。サバを煮込んで身質がパサパサになった経験、ありませんか? あの気になる感じがまったくなくて、寝かせることでかえって旨味が増しているよう。なるほどこれならサバ缶より美味しいといわれるのも納得です。

このサバの味噌煮はそれからさらに2日後もおいしく食べることができ、そこでストックが尽きました。煮込まず日持ちして、かえって味もよくなることに驚き、改めて「常識を疑う」魚柄先生の知恵に学んだ気がします。家庭料理って奥が深いですね。

保温調理でしっとり仕上がるんですね!なんともお米が進みそうです。
魚柄先生もKさんも鯖を丸ごと調理しているのがすごいですね。
たっぷり作ってストックできるのはいいけど、魚をさばくのはちょっと…という方は、
ぜひお手軽な切り身で挑戦してみてください! 私も切り身で作ってみようと思います。(編集部A)

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魚柄仁之助先生の台所リストラ術をもっと知りたい方は、飛鳥新社のページをチェックしてみてください。

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