無題

ことばは想いの伝達手段でもあるのだから

小説の売り上げが落ちていると言われつづけています。(正確には紙媒体全体ですが)「若者の読書離れ」ということも、もうずっと言われていますよね。

わたしが感じることは、「読書離れ」ではなく、「小説の読み手が少なくなっているのだなあ」ということ。

実際に肌で感じることが多いです。「本を読んでいるよ」という人が読んでいるものは実用書や雑誌、ビジネス書や自己啓発本。小説など、“情報”ではない本を好んで読んでいる人は、何となく前者よりも少ないように思うのです。

webの記事も同様。よく読まれているものは情報記事がメインで、そうでないものは、実用的なもの・そうではないもの両方とも、どことなくセンセーショナルなものが目立ちます。

内容的に目立たないのだから仕方がないのだけれど、読んで「ほっ」とできるものや、情報ではないものを得られるものは、あまり見られません。(ないわけではありません)

体験記事というものもあるけれど、わたしの中では、どれも「動」エネルギーを持ったものが多い印象です。

わたしは自身がHSP気質だということもあり、「動」エネルギーばかりだと、気疲れしてしまうのです。たとえそれがポジティブな言葉であっても。

たとえるならば、都会のエネルギー。エネルギッシュで刺激的なのだけれど、心が疲れているときには巻き込まれてしまうような、そんなエネルギーが「動」エネルギーです。

一方、「静」エネルギーは、わたしの中で森林や海辺、野原の芝生の上で感じられる力です。

この「静」エネルギーを持った言葉は、小説やエッセイ、詩や短歌、歌詞、セリフの中で出会えます。

即座に人生の役には立たない。けれども、確実に自分の心の肥料になって、いつか知らないうちに花を咲かせる力になる。

そんな言葉が、わたしは書くのも読むのも好きなのです。


……という想いがあって、Twitterで詩を書かれている魚川カナさんとともにサイトを始めてみました。

コトノハの旅

実は、はじめに一緒にやろうと話していた子が療養が必要になってしまったため、頓挫に近い状況だったのです。(実はわたし自身の体調も芳しくないというのもありまして)

それでも、「何だか疲れているなあ」「ギスギスした心を抱えているなあ」「そっと寄り添いたいなあ」と思う人が多くて。

そういう人たちに、わたしができることは、「ことばを紡ぐこと」しかないのです。

「“情報”ではないし、即効性もないけれど、少しでも日常の中で“ほっ”としてもらえたらうれしい」

その想いで、地道にやっていきたいと思っています。

お読みいただきありがとうございます。サポートいただけました暁には、金銭に直結しない創作・書きたいことを書き続ける励みにさせていただきます。