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帰ってきた夕刊UNI

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夕刊UNI~有料note~に続く第二弾! 追記型有料エッセイマガジンです。表紙は、めめんともりさん作。
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2015年1月の記事一覧

ちゃっかりの切り返し。

週末は家が散らかる。 もちろん、家族が4人いるのだから仕方ないのであるが、あまりにも酷い有り様なのである。 脱いだズボンは人型のように脱ぎっぱなしになっており、食べたお菓子の空き箱はそのまま投げ置かれ、テーブルの上には一口飲んでは違うコップを使う馬鹿者たちの飲みかけのコップがズラリと並んでいる。 我が家ではこれを主にドカ弁がやらかす。従って、ドカ弁のもう一つの呼び名は『コップん』である。 いくら言っても治らないので、最終的に自分が雷を落とすしかない。 『いい加減に片

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褒める。

天才じゃない限り、人は努力する。 ドカ弁のクラスメートにめちゃくちゃ賢い子がいるらしい。 授業中はいつも寝ているが、学年で1番の成績だそうだ。 彼はいつも周りにこんなふうに言うらしい。 『あいつらあんなに真面目にやって、先生に媚び売って俺よりアホやん!』 ドカ弁からそんな話をよく聞かされていたので、始めのうちは適当に 『天才は言うことが一味違うな!』などと返事をしていた。 しかし話を聞くうちに、彼は少し大人びた子だと感じるようになっていた。 いくら天才でも寝ている

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9枚!

急ぎの仕事を済まそうとスキャン前に半紙のコピーをしに家から一番近いコンビニに向かった。 以前何度か書いたことがあるが、爽やかな働き者、うえだくんがいたコンビニである。 どうやらうえだくんを雇っていた経営者が店を手放したらしく、次の経営者がそのまま店を買いとったようで、店は以前のままであるが、店員は全て新しい顔ぶれになった。 うえだくんレベルの子は見当たらない。 特に足を引っ張っているのが店長である。 毎日のように行っても、会計の時に必ずこう言うのだ。 『ポイントカ

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バサーっが書きたい。

最近ちゃっかりが書道に興味を示しだした。 huluでやっている『ばらかもん』という書道を題材にしたアニメにハマったようである。 母親が仕事をしている横で、 『あ、この先生ママと似た字やね!』 などと言いながら釘付けになって観ているのだ。 凝り性のちゃっかり。 アニメの『ばらかもん』を気に入りすぎ、漫画まで買ってきて読み始めた。 なかなか思うように筆が進まず、書いては丸め書いては筆を置きを繰り返して悶々としている自分に向かってこう言うのだ。 『ねぇねぇ、ママ!ママも書

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スナフキン48

夫はスナフキンのような人である。 結婚前の彼は、リュック一つであちこちに1人で旅することを愛する、謎の多い人物であった。 この人の凄いところは、物静かな雰囲気とは裏腹に、やたらと大胆なことである。 旅に出かけるとあっという間にその土地に馴染むのである。 結婚前、写真が趣味の彼が撮った写真を見ていたときのこと。 現地の人たちに囲まれてにこやかに笑うスナフキンが写っている写真がたくさんあった。 『何?外国に友達いてるん?』 『あ、これは画家のマデっていうねん。これはマ

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玉子焼き。

玉子焼きを久しぶりに食べてきた。 明石では明石焼きのことは玉子焼きと呼ぶのだ。 昆布出汁と小麦粉、あと沈粉というものを混ぜ合わせて、ゆるい粉で作るたこ焼きみたいなものをお出汁に付けながらいただくのである。 小さな頃、両親の故郷である淡路島に、『とおの』という玉子焼きの専門店があって、そこの玉子焼きを食べるのが楽しみだった。 夏休みに叔母のみやこさんの家に親戚が集まって半月ほど過ごす習慣があったのだ。みやこ旅館は毎日が楽しいことでいっぱいであった。 美しい海での海水浴

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残り福。

本日、残り福を頂きに十日戎に行ってきた。 関西では、えべっさんと呼ばれている。 昨年10月にオープンしたEtsyショップ『UNSENDObyUnimam』の更なる飛躍を祈願しに生まれて初めて商売繁盛と家内安全の札が付いた一番小さな熊手を購入した。 先ずは小さなものからコツコツと!の精神である。 そして、耳の遠いえべっさんに願い事がよく聞こえるように、神社の裏にある小さな鳥居をくぐり抜けて、その先にある木の板を木槌で叩くという何が何やらな儀式まで済ませてきたのだ。 『こ

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専門店。

無事退院した父がちゃっかりの顔見たさに我が家に遊びに来た。 最近耳が遠くなった父。 こちらの話すことに見当外れの返事をするので何が何やらであるが、本人はかなり楽しそうにしているので、まぁいいかと話を合わせてあげている。 『uni、最近旨い饅頭売ってる専門店がここらは減った思わへんか?』 父が唐突に言った。 『そうやなぁ。そういやスーパーの中にはあるけど、個人でやってはる和菓子屋さんて減ったなぁ。』 子どもの頃よく食べていた、美味しくてとても綺麗な和菓子を作る職人さん

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フードコート。

本日はお年玉をたんまり蓄えたドカ弁とちゃっかりにせがまれ、家族揃って大型スーパーの初売りに行ってきた。 タイミングよく、お気に入りのショップがタイムセールをやっていて、思わず衝動買い。 レジには長い行列ができ、ちゃっかりと交代しながら列に並びつつ商品を物色し、お互いに可愛い可愛いと言いながら買い物を楽しんだのである。 若くて可愛いショップのお姉さんが声を枯らしながらタイムセールを知らせ、長い行列で待つお客にはレジがスムーズに行くよう、別のお姉さんが一人一人に声をかけて丁

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