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パーソンズ美術大学留学記シーズン2 Week9 #140

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Spring Breakが終わり、春学期も後半戦に突入しました。今週は春学期の中間報告会的な授業が多く、少々課題に追われましたがひとまず乗り越えました。

Speculative Studio

「Sensory Extention」をテーマに3D作品を、「Breath」をテーマに映像作品を作って展示するという中間発表会がありました(映像はYoutubeから観ることができます)。

全ての作品が初めて見るものであり、そこから何かメッセージが伝わってくる。まるでMoMAで現代アートを観ているような感覚になりました。この「美術館にありそう感」というのはデザインの展示会において一つの見せ方だと思ったので、今度の発表会では自分の作品の隣に美術館でみる「作品の横にある解説」を自作してみようと思いました。

ちなみに私は3D作品として、「Advice cards & Installer」を展示しました。

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サッカーのイエローカード、レッドカードからインスパイアされて生まれたアイデアです。「サッカーで審判からイエローカードを出されたら、選手は行動を変えなければならない。そんな構造が日常にもあったらどうなるのか?」という問いから始まったデザインです。

カードには「Never Give Up」とか「Just Do It」などポジティブムードあふれる言葉が書かれていて、誰かネガティブな発言や態度を見かけたらこのカードを見せて使います。また、出されたカードのマインドセットを簡単にインストールできる装置である「Installer」も考えてみました。

これらのアイデアは非現実的に思えますが、実はすでにある現象なのかもしれません。精神科や心療内科に行って薬を処方してもらうことや読書によってモチベーションを上げること。方法の違いこそあれど、今回のデザインと同じことが起きているのではないでしょうか。

「誰でも簡単にポジティブになれる世界」はユートピアなのか。それとも、「他人からポジティブを強制される世界」はディストピアか。この作品を通してそんなことを考えるきっかけを与えられれば、このデザインを考えた甲斐があります。


Global Mental Health

今回のテーマは「Depression&Suicide」で、私を含めて数人の学生が授業をリードするという形式でした。まずは、DepressionとSuicideについての理解を揃えるために、以下の動画を共有することから始めました。TEDやWHOがDepressionとはどのような症状なのか、どう向き合えばいいのかを端的に説明してくれています。

その後、グループのメンバーがそれぞれ違う出身国だったことを活かすべく、アメリカ、メキシコ、日本の国ごとの状況を比較することにしました。ということで、私は日本の「Depression&Suicide」についての情報を紹介することを任されました。

様々なデータをグラフなどで紹介することも考えたのですが、ディスカッションにつながりやすいようにしたいということで、以下の動画を観ての学びや感想を聞くというスタイルを取りました。

コロ ナ禍で女性の自殺率が上昇しているというのが2つの動画の共通した内容です。感染症による死者よりも自殺者数の方が多いという特殊な状況であるというのが印象的だったという感想が聞かれました。

今回学んだことは、DepressionにしてもSuicideにしても、それらを引き起こす原因は1つではないと言うこと。一人ひとり理由は違うし、理由も1つではなくて複数考えられます。したがって、"silver bullet"と呼ばれるような万能な解決策があるわけでなく、一人ひとりの症状に寄り添ってあげなければいけない。だからこそ、「どうすればメンタルヘルスを改善できるのか」と考え続ける必要があり、この授業で様々な事例を学んでいると言えそうです。


noteがつなぐ、友達の輪

今週、同じパーソンズ美術大学に留学中のほうしょうまりさんとお会いしました。

学部が違うのでこれまでお会いしたことはなかったのですが、二人ともnoteを書いていたのでコメント機能でたまにやりとりをしていました。共通のパーソンズ生を通じて連絡先を交換し、学校の近くのカフェで会うことになりました。いわゆる「オフ会」です。

まさかnoteを通じて現実の人間関係が広がるとは思いもしませんでした。留学しなかったら、noteを書いていなかったら、予定が合わなかったら会えなかったかもしれないと思うと、人との出会いは不思議な縁のつながりだと感じます。

数時間ほどお話しましたが、初対面とは思えないほど自然にお話できました。初めて会ったのに「初めて」ではないような変な感覚でした。話した内容は私の宝物なのでここでは秘密にさせてください。

今回感じたのは、1on1の会話が好きだなぁということ。大人数では色々な視点を知れる楽しみがある一方で、2人での対話では自分がどういう人間かが浮かび上がってくる気がします。会議のように何か目的があって話すのではなくて、話すということ自体を楽しむ時間も有意義だとあらためて感じました。


まとめ

アメリカに来たばかりの時は知っている人が一人もいなくてとても心細かったのですが、少しずつ交友関係が広がっていっています。日本にいたら会えなかったはずの人と出会えることも、留学の醍醐味ですね。

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