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第22回 建物の主な給水方式は4タイプ

みなさん、こんにちは。
毎週月曜日に更新する災害時トイレの連載です。

先日、千葉のひまわりを観に行ったのですが、大雨と暴風で、ほとんどが倒れてしまっていました。
自然の脅威は恐ろしいですし、様々なところにダメージをもたらすことを改めて強く感じました。

大雨と暴風で倒れてしまったひまわり


さて、今回のテーマは「建物の主な給水方式は4タイプ」です。

災害時の多くは停電や給水設備の損傷により断水します。
ですが、被災者の話を聞いていると、発災した直後から断水になった場合もあれば、2~3日後に断水した場合もあります。
同じ地域でも建物によって断水しなかった例もあります。

これらの違いは、様々な原因が考えられますが、
その1つとして「給水方式の違い」があげられます。

給水方式は大まかに分類すると4方式です。

以下の図は、このうち3方式が示されています。

給水方式の概要図(横浜市)
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/suido-gesui/suido/suishitsu/dekirumade/kyusui.html

一番左の直結直圧給水方式は、配水管からの圧力で直接給水します。通常は3階までの建物に採用されます。
この方式の場合、建物が停電していても水が出ます。

直結直圧給水方式以外は、いずれもポンプで圧力をかけて給水しているため、停電でポンプが動かなくなると断水します。

真ん中の直結増圧給水方式は「P」マークのところに増圧ポンプがあり、このポンプの圧力で上層階まで水を届ける仕組みなので、停電とともにポンプが止まり断水します。

一番右の高置水槽給水式も受水槽の横にポンプがあるので同様です。
ただし、屋上の高置水槽に水を溜めてから自然流下で各戸に給水するため、停電によりポンプが停止したとしても、高置水槽に溜まっている水が出るのです。

災害時、2~3日後に断水したというのは、その間に高置水槽の水が出ていた可能性があります。

ということは、災害時に高置水槽が破損していなければ、この水を有効活用することができます。

なお、地上や地下に受水槽がある場合は、緊急時用のバルブがあるかどうかを確認しておくことが必要です。

ちなみに図には描かれていない4つ目の方式は、一番右の方式とほぼ同じですが、高置水槽が無いタイプのことを指し、加圧給水方式と言います。

このように給水方式によって災害時の対応方法が異なるので、自宅の給水方式がどれに該当するのかを把握しておくことって、とても大事ですよ。
ぜひ調べてみてください。

おまけ
大雨のときの逆流防止としてトイレに詰める水嚢をつくってみました。こりゃ、大変ですね。。。


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