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第11回「人数×回数×日数」で携帯トイレを備蓄する!

みなさん、おはようございます。
毎週月曜日に更新する災害時トイレの連載です。

6月4日は、愛知県田原市の防災カレッジの一環として講演させていただきました。携帯トイレの重要性を共有でき、ありがたい機会でした。田原市のみなさま、ありがとうございました。

今回は、携帯トイレをどのくらい備えたらよいか、について書いてみたいと思います。

テーマは「第10回 『人数×回数×日数』で携帯トイレを常備する!」です。

個人や組織、地域のトイレの備えにつながることをできるだけ分かりやすくお届けできるように頑張りますので、よろしくお願いいたします。

自宅で避難生活を送るには、携帯トイレの備えが欠かせません。では、携帯トイレはどのくらい必要になるのでしょうか?
携帯トイレがどんなものなのかについては、前回の記事「第10回 断水のとき、これがあれば自宅のトイレを使うことができる」を読んでみてください。
ものすごく簡単に説明すると、袋タイプのトイレで、水洗トイレの便器に取りつけて、可燃ごみ(市町村の確認が必要)として処理するものです。

では、本題です。
携帯トイレの必要数を計算するには、そこで避難生活を送る人の人数、1日あたりの排泄回数、そして避難生活を送る日数を想定する必要があります。これらが分かれば、「人数×排泄回数×避難日数」という計算で、携帯トイレの必要数を導き出すことができます。

ここでは仮に4人家族を想定してみます。
排泄回数は一人ひとり異なりますので、それぞれが1日にトイレに行く回数を実際に数えてみることをおすすめします。
ちなみに、公共的な備蓄を考える場合は、内閣府(防災担当)が作成した「避難所におけるトイレ確保・管理ガイドライン」では、1日あたりのトイレの平均的な使用回数の目安として「5回」という数値が記載されていますので、これを用いるのもよいです。

つづいて、避難日数に関しては災害規模によって異なるので何とも言えないのですが、国が定める防災基本計画では、住民に対して最低3日間、推奨1週間分の携帯トイレ・簡易トイレ、トイレットペーパー等を備蓄することを啓発するように記載されています。

以上をまとめると、4人家族であれば以下のような計算になります。

4人×5回×3日間=60回分
4人×5回×7日間=140回分

まだまだ実績は多くはありませんが、これまでの震災や水害時に、携帯トイレは役立っていますので、ぜひ自助として携帯トイレを備えてください。
多くの場合、水や食料は備えていたとしても、トイレの備えはほとんどしていないと思います。だからこそ、トイレの備えをよろしくお願いいたします。

東日本大震災のときの宮城県内のマンションの話をふと思い出しました。
津波から逃れた地域の人たちがマンションの廊下に避難してきたそうです。
ですが、そこにはトイレがありません。
そのとき、ある家庭には携帯トイレがあったため、何人かにトイレを貸し出すことができたそうです。
こういう助け合いって、ものすごく重要です。
自分、家族、隣人、地域の人、とにかくトイレは誰にとっても必要ですので、備えをよろしくお願いいたします。

携帯トイレ選びは、以下のサイトを参考にしてください。

携帯トイレはどれくらい備えればいいの?
こちらは動画で解説してみましたので、参考にしてください。


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