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第21回 便器に溜まっている水は悪臭と虫を防ぐ

みなさん、こんにちは。
毎週月曜日に更新する災害時トイレの連載です。

先日、熊本に行く機会があり、少しだけ時間がありましたので、日が沈む直前に熊本城の外観を見ることができました。力強さと美しさを兼ね備えていますね。
2016年の熊本地震で被災したのですが、2021年3月に天守閣や石垣など復旧したようです。熊本に行く機会がありましたら、ぜひお立ち寄りください。

さて、今回のテーマは「便器に溜まっている水は悪臭と虫を防ぐ」です。

家庭用水洗トイレの便器の底には、いつも水が溜まっています。

この水の役割は3つあります。
1つ目は便器を汚れにくくするためです。乾燥した便器に便が触れると汚れやすくなりますので、それを防ぎます。

2つ目は便を水没させることで臭気を抑えます。和式便器を使用したことがある人であれば分かると思いますが、便が露出した状態は、臭気がきつくなります。
先日、友人が「久しぶりに和便器を使ったら、ビックリするくらい便の臭気を感じて驚いた」と言っていました。。。

3つ目は、便器からの汚水が流れていく排水管から先の悪臭や衛生害虫がトイレ室内に侵入してこないように防ぐことです。つまり、水で蓋をしているのです。そのため、便器内に溜まっている水のことを封水といいます。

長期間、便器を使用しなかったり、排水管内の圧力変動があったりすると、封水が無くなってしまいます。この場合は、排水管内とトイレ室内の空気つながってしまうため、臭くなります。

これは、トイレに限ったことではなく、台所や風呂、洗面、洗濯機パンなども同様です。
それぞれの排水口のすぐ下部には、トラップという悪臭等を防止する仕組みや装置があります。おわん型、ドラム型、管型(S字、P字、U字)などがあり、いずれも封水を溜める場所が設けられています。


災害時は、この封水が無くなりがちですので、気をつける必要があります。例えば、避難などにより長期間、便器を使用しない場合は、便器に水を補給してラップで密封することで、封水が蒸発しないように予防できます。

おまけ
2022年9月1日には、オンラインで防災トイレフォーラム2022(参加費無料)を開催します。
阪神・淡路大震災、新潟中越地震、東日本大震災、熊本地震での知見を次の備えに活かすため、みなさんで情報共有したいと考えております。
ぜひご参加ください。


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