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2024年5月30日 時には「慣れ」をやめてみる


ここ数年最も実感していることの一つは
「人間は何にでも慣れようとするし慣れる」ということです。
それが人間が繁栄してきた戦略だからだと思いますが、
我々は、わりとどんなことにでも慣れようとしますし、
実際に慣れてしまうのです。
慣れるとあまり考えこまずにそれに着手できるので
脳の負担が少ないということがあるのでしょう。
それ故、どうしても慣れていることに落ち着きますし、
慣れていることを選びます。

家までの帰り道を毎日変えている人はほとんどいないでしょう。
判を押したように同じ道を通るのが一般的です。
子供の頃、もしかするとこっそりいつもと違う道で帰ってみたことが
ある人はいるでしょうが、
大人になるとほとんどの人間はそんなことをしなくなります。

先日の大雨で、出先からいつも通りのルートで帰ることができなくなってしまいました。
それ以外でも、ここしばらく
仕事の事情でいつもと違う時間に帰宅したり、
帰宅途中用事をこなすために別のルートで帰ったり
ということが続いたのです。

もともとは新しい場面が苦手ですから、そういう出来事は
かなりストレスだったのですが
今回いずれも、
「こういうイベントだ」「脳の体操だ」と暗示をかけて
最も効率よく、行動するにはどうすればいいかということを
楽しむ方にシフトしてみました。
そうしたら、これが、意外と、楽しく味わえたのです。
ポイントは真剣になりすぎない、焦らないことです。
「うまくいかなくても当然、そういうゲームだから」と
自分にしっかり言い聞かせました。

「慣れ切ったルートを帰る」だけでは絶対に使わない脳の部分を使ったためか
家に帰り着いたあとも疲労感と共に、妙な達成感がありました。
仕事とはまた違う、達成感です。
「生き延びた」という、より原始的な達成感に近い気がします。

最近では動物に餌を与えるとき、
おもちゃ・コングなどに隠して、動物に探索行動や試行錯誤をさせることが
勧められているというのを聞きますが、
人間もそうなのかもしれないと思いました。
毎日が命の危機では精神的にもちませんが
安全な冒険ならもっとあってもいいのかもしれません。

昨日は夕飯はルーティンで回すという記事をあげましたが

今日は全く反対のことを書いているというわけです。
しかし、日常ってそういうもの、
こちらの極からあちらの極へブランコのように
揺れているもののなのです。
そして、そうやって揺れているくらいがちょうどいいものなのかもと
思ったりします。

今朝通勤時に
眉毛の角度がものすごく急な人を見かけました。
眉が吊り上がっているというか
眉尻に向かって、ぐんと上がっています。
眉尻にボールを置いたら、眉間まですぐ転がってきそうな急角度です。
顔だちが整っている人なのがかえって
違和感を醸し出しています。
自眉なのかもしれませんが、
茶色っぽかったので描いている眉のように見えました。
描いている最中に、「あんまりにも急な角度にしすぎた」と
気づきそうなほどの角度ですが、
慣れてしまうと、そうでもないのでしょう。
むしろ、その人にとっては、周囲の並行眉や下がり眉が奇妙な眉に見えているのかもしれません。
あの急勾配の眉から、並行眉にするのには、かなりの気合いが入りそうです。
周りから見てどうか、ではなく、自分が慣れ親しんだ状況から見てどうか、という思考パターンになるということだと思います。
一度慣れきってしまうと、そこから変わろうという考えにはなりにくいのでしょう。

つまり、
これがいいと思ったものも、時々変えてみるのが、良いのかもしれません。
Audibleでイギリスのミステリを聞き続けた結果
飽きてしまったので、
ここしばらくは科学系のノンフィクションを聞くようにしていました。
先日、楽しみにしていたイギリスミステリの新作が来ていたので、
久しぶりに聞いてみたのですが、
これがもう、ものすごく面白い、のです。
その小説がそもそも面白いというのもあると思うのですが、
別ジャンルの本をしばらく聞いていたゆえにこれだけの新鮮さがあるのかも…とも思いました。
同じジャンルばかりでなく、様々なジャンルを聞いた方が、かえって、好きなジャンルの素晴らしさを再認識できるというわけです。

いつもと違うことをやってみたり、
別のジャンルにチャレンジしたり、
プロにお願いしたり、
友達のコメントをもらったり、と
慣れっこになったパターンから脱してみることを
時々意識してやった方がよいのでしょうね。

帰るルートを時々変更してみるとか
買い物をする店を変えてみるとかもやってみようと思っていますが、
実は最近、挑戦してみたいことがあります。
わりと近くに眉サロンというものが、あるのを知って
行ってみたいのです。
プロに眉を整えてもらうというのも
いつもの自分が適当に描く眉からの、
「慣れ」からの離脱です。
新しい発見がありそうな気がしますが、
どうでしょうか。
それとも、急角度の眉になってしまったりするのでしょうか。

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