ウノと教育?ウノで鍛える7つの非認知能力④
みなさん、こんにちは。教育アドバイザーの清水章弘です。
前回まではウノで鍛えることのできる「社会性」「自制心」についてお話ししました。
連載4回目の今日はちょっと聴き慣れない、「省察力」という非認知能力についてお話しします。
みなさん、「省察」という言葉を聞いたことがありますか。読み方は「せいさつ」ですが、ときどき「しょうさつ」と読まれ、教育学でよく使われます。
意味は、かんたんに言えば、ふりかえること。良かったところや悪かったところを思い出しながら「こうすれば、もっとよかった」と考えることです。
この力が、勉強だけでなく、社会に出てから仕事で役立つというのは説明不要ですね。もちろん、伝えたいのはそれではありません。
私が伝えたいのは、この省察力をきたえるのには、ウノがピッタリだ、ということです。どういうことでしょうか。
理由はシンプル。「勝ちたいから」です。
ウノは楽しいだけでなく、勝ち負けが明確です。負けたら「次は勝ちたい」と思うのが自然。だから、勝つためにはどうすべきか、を楽しみながら子どもに考えさせやすいのです。
では、省察力をきたえるために、どんな手順が必要でしょうか。心がけていただきたいことが2つあります。
1つ目は、「強くなるヒント」を教えてあげること。
最初は、子どもは勝ち方がわかりません。1ゲーム終わったタイミングで、大人側が勝つために心がけたことをお子様に共有してあげましょう。この「ふりかえりタイム」を通して、ふりかえる癖がつきやすくなります。
2つ目は、少しずつお子さんが勝てるようになったときに、「すごいね!なにを意識したの?」とヒーローインタビューをしてあげるのがおすすめです。
うまくいったときに明るくふりかえることで、「これを繰り返したい!」「次からも頭を使おう!」と考えやすくなります。
褒めつつ応援しながら、子どもが勝てるようになったら一緒に喜んであげる。家族で楽しむカードゲームならではの光景ですね。
ご家庭での何気ない遊びの中でも伸ばしていくことができる非認知能力は、「ペーパー・テストで測りにくい能力」です。忍耐力や、社会性や、感情をコントロールする力は真剣に遊ぶことでもぐんぐん身につきます。
誰かと一緒に、ルールを守って勝つための工夫をしながら遊ぶウノは、お子さんの非認知能力を自然と高めるのにぴったりだと言うことが、だんだん明らかになってきました。
次回は、「戦略的論理力」についてお話しします。さまざまな力を育むことのできるウノの知られざる世界を、一緒にみていきましょう。
それでは、また次回!
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※記事は毎月第2金曜日に更新します。
この記事を書いたのは・・清水章弘先生
清水章弘(しみずあきひろ)
東京大学教育学部を経て東京大学大学院修了。
NHK Eテレ「テストの花道ニューベンゼミ」、TBS系「教えてもらう前と後」などに出演、テレビ番組では「赤門の神」と呼ばれる。
朝日新聞、EduA、朝日小学生新聞で連載中。ABCラジオ「清水章弘の合格への道」(金曜夕方5時)ではパーソナリティを務める。著書12冊。
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誕生から50年、世界80カ国で楽しまれているウノは、アメリカのオハイオ州生まれ。ゲームが大好きでシンプルかつ奥深いルールを考えたマール・ロビンスはマーケティングにも長けていました。ウノが世界で親しまれ、カードゲームの定番として定着するまでの歴史はこちらから👀↓
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