見出し画像

【舞台・ライブ】来た、見た、書いた4

4月からいくつか舞台とライブを見た。それについて書き記しておく記事です。
ネタバレかもしれないようなことも気にせず書いています。


ブラゴーリ主催ライブ「本気」


神保町よしもと漫才劇場にて。ピュートとめぞんのネタが見られたので、せっかくなら軟水も見たいなと調べたらすぐ翌週に見られる機会があった。お笑いライブ、チケット価格が安くて1時間で気軽に見られるから、もっと早く見に行っていればよかったなと思う。
前半はコント。ブラゴーリ、ピュート、ブラゴーリ、軟水、ブラゴーリ、コットンの順で進むが、ブラゴーリのコントの展開が3つともほぼ一緒なので、同じくだりが少し変化しながら定期的に繰り返されてなんかテクノ感があった。構成の勝利みたいなところがあったような、別にそうでもないような。最初に時代ものから始まるせいで、どれだけ転生しても出会って同じことを繰り返してしまう宿命みたいにも見えてしまった。作り手側にそんな意図は確実にない。
軟水のコント面白かったので、また見る機会をつくりたい。
後半のコーナーもいろんな奇跡が起きていて面白かったなあ。お笑いライブの楽しみ方がだんだんわかってきた!ような気がする。

本気、すごい感じた


ミュージカル「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の美容師」(宮城公演/川越公演)


わたしは東京在住のため、いわゆる遠征をしてきた。土曜の宮城の昼公演を見たかったので、金曜夜、仕事後にこまちに飛び乗ることに。当日朝出発でも間に合ったと思うけど、前乗りって、楽しい予定を前借りできる感じがあるので好きなのだ。不思議と夜間の移動は気分があがる。朝が弱いだけというのもあるけど。
仙台に到着し、勾当台公園駅を地上に出て定禅寺通り沿いに行くと、いかにもモダニズム建築らしいコンクリートのファザードが見える。あれが劇場だろうなと、Googleマップをわざわざ調べなくてもなんとなくわかる。宮城公演が行われたのがそこ、東京エレクトロンホール宮城だった。

看板が見えてテンションが上がる


オーケストラピットが客席と同じ高さにあり、そのぶんステージが高め。オーケストラの方々を間近で見ながら舞台上のお芝居も楽しめて新鮮だった。東京よりも観客の反応が全体的にはっきりしていた感じがする。面白いところでは笑いと拍手がしっかりと巻き起こっていた。劇場によっても都市によっても少しずつ変わるのが舞台の面白さのひとつだ。
そして川越は主演の市村さんの故郷とのこと。ウエスタ川越の音響は本当にすばらしかった。わたしが行った三都市ではいちばんだったんじゃないだろうか。

川越はとにかく劇場が大きい!

繰り返し見ていて、肉体的なことについてかなり直截的な描写をする作品(かなり意図的に)だと感じている。乞食女が体を売っていることはあからさまな歌詞でわかるし、ルーシーが手篭めにされるシーンはわざとらしいくらい下世話な見せ方をしているし、タービンは明らかにジョアンナに欲情している。そういう暗い部分だけでなく、ジョアンナとアンソニーの関係、ラヴェットがトッドに求めていること、比較的心安らぐはずの恋愛ですら肉欲の描写を隠さない。愛や夢や、そういうものにすら必ずつきまとう欲望がこの作品の主題なんだろうと思う。肉の話だもんね。


鴨川ホルモー、ワンスモア


池袋サンシャイン劇場にて。ヨーロッパ企画の方々が参加されている舞台で、芸人さんも何人か出ていたりして、これは見たいとかなり早めにチケットを押さえていた。

この投稿にも少し書いているが、芸人さんたちのお芝居がほんとによかった。槙尾さんが女性役をやっていることに全く違和感がなかった。なんなら初登場の際には姉御感のある迫力美女がいるなとすら思っていた。
芸人さん以外でいうと、同志社の山吹巴役の日下七海さん、ほぼひとりでがっつり空気を持っていくパワフルさがすごく好きだった。中盤では主役の感があった。
そういえば、オニもちゃんとカーテンコールに出てきてくれたの、よかったな。
万城目先生と上田誠さんが配信で感想戦をやられていたのも拝見した。原作者の方があんなに喜びを見せてくれるのは凄いことだ。原作者の方が告知するのが当たり前だとは全く思わないけど、嬉しそうにメディアミックスを語る原作者の方を見るとなんだかとても勇気づけられるし、よかったなあ、と思う。

最近はフォトブースがしっかりある舞台が増えてきている気がする。客席内が撮れないぶん、雰囲気を記録できてうれしい


ワーキング・ステージ「ビジネスライクプレイ3」


シリーズの1も2もまったく知らないけれど、出演される方々がどなたも面白そうだったから軽はずみにチケットをとってみた舞台。新宿FACEで四方囲み舞台を1回だけ見るときはチケットの取り方が悩ましいが、今回は素直に一応の正面といえる南側の席をとった。
運悪く唯一前の席と段差のないところに当たってしまって、真正面がちょうど後頭部で全く見えない状態になってしまったのは残念だ。せめて少し椅子をずらして前列と千鳥にしてくれていたらなあ。でも何も見えなかったというわけではなく、見える範囲ではとても面白かった。
やっぱりここでも芸人さんのお芝居がいい味を出している。今立さんの役の気が抜けて朴訥とした感じが好きだった。
自分自身が広告系の企画仕事をしていて、かなり近い領域の話だったので、素直な笑い、あるあるの笑い、さすがにそれはないだろの笑い……と複数種類の笑いが混じっていたと思う。赤澤燈さんが演じられた日野のツッコミは絶品だった。整理されていて、でもどこまでが脚本なのかいまいち掴めない、とこちらに感じさせるのはたぶんすごいことだ。稽古を重ねていれば予定調和感が少しは出てしまうような気がするのに、日野に全くそれを感じなかった。
キャラクターとして個人的に印象に残ったのは平野良さん演じる赤城。性格の面倒くささ、やや「やり手感」を誇張したいかにもな喋り方、さすがの歌唱力。平野さんを数ヶ月前に見た「伝説のリトルバスケットボール団」で拝見したときも思ったが、ちょっとした立ち振る舞いにそこはかとない可愛げを感じる。いや、単に好きなだけかもしれない。


この記事が参加している募集

#舞台感想

5,912件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?