色水で遊んでいたら、アメリカで研究留学してた人
みなさんは、犬を飼ったことがありますか?
無茶なことをしたもんだなと思う日々です。こんばんは、私qbcです。
そうですね、私の家は母が動物好き(人間嫌い)だったので、犬は飼っていましたよ。私が小学校2年生とかそれくらいの時でしょうか、突然でしたね、学校から帰ってくると、いたんですよ、イヌが。イッヌが。ワンコが。柴犬のような見た目でしたでしょうか。
すみません、違うかもしれません。私は犬の名前にうとくて。
そうです、犬が特に私は好きでも嫌いでもなかったので、単純に帰宅すると家に犬がいたことに驚いたものです。
好きでも嫌いでもないので無関心でした犬には。散歩も行ったことが、たぶんなくて。いや、十年近く一緒にいたので、ゼロかどうかはわからないけれども。犬も犬で、自分に関心がない相手には特に構わないですよね。
その犬が死ぬ時に、母はとてもペットロスしていました。
私も別に好きでも嫌いでもなかったですが、今でも、思いだせば悲しいですね。やせ細った体になって、彼は死んでいきました。硬く、死後硬直してリビングで死んでいたな。
生き物が死ぬということは悲しいことですね。
と、いうことで! 気を取り直して無名人インタビューgo!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】
今回ご参加いただいたのは ちょ さんです!
現在:音楽が好き、脳の研究が好き。興味の重なり合った部分がそこだったという。
尾崎:今、何をしている人でしょうか。
ちょ:私は今アメリカの大学で、脳がどのように音の情報を処理しているかを研究している研究職になります。
肩書きとしては、よく聞かれるんですけど、学生とかではなくて、ポストドクター研究者(ポスドク)という、大学院で博士号を取った後に、なる研究者の職種、肩書きになるんですけど、そういう立場にいます。
別に特別な立場というわけではなくて、こういった大学とかの業界では、一般的なポジションの一つになります。あんまり多分、聞き馴染みのない肩書きの名称だと思うんですけど。
尾崎:つまり、研究することがお仕事っていう認識でいいんですか。
ちょ:そうですね。一言でいうと職業研究者になりますね。
尾崎:聴覚の研究っていうことですか。
ちょ:そうですね。脳の中で、例えば今、こうやってお話しさせていただいてる間にも、お互いに声を聞いて、話す言葉を話してるわけですけど。
まずそのときに、音を、脳ってどうやって認識してるんだろうっていうのに興味を持っていて。脳の中に神経細胞というものが何億もあるんですけど、
その中で特定のコンビネーションだったり、特定の役割を持つ細胞たちが働くことによって、認識できてるんだろうというふうに考えられています。それについてもっと詳しく調べていこうっていうのが僕の今の研究になってます。
尾崎:その研究をしようと思ったきっかけって、何かあったんですか。
ちょ:元々音だとか、音楽が与える影響っていろいろあるよなって気になったのが、ざっくりとしたきっかけですね。
何となく音楽を聞いたときに、例えば僕たちが明るい曲を聞いたら踊りたくなるとか。実際にリズムに合わせて行動しちゃうとか。逆にバラードを聞くと、ちょっと行動のスピードが落ちてしまうとか、無意識に。ちょっと気分が落ち着くというか、暗くなるというか。
そういう、いろんな感情的な変化を伴うことが多いと思うんですけども。それって何でなんだろうっていうのが始まり、きっかけですね。音って何だろうっていう。
尾崎:音楽が好きなんですかね。
ちょ:音楽自体も、僕は好きでして。バンドとかをやってたこともあるんですけど。
今は、でも、それ以上に音楽の魅力とは何だっていうところで、脳が実際どうやって聞いてるんだろうっていうところを、もうちょっと基礎的なところから、どういう周波数の処理をしていてとか、そういう段階から研究してるような感じですね。
尾崎:なるほど。
ちょ:すいません。ちょっとイメージがわきにくい、抽象的な話もあるんですけど。
尾崎:いえいえ。音楽が好きっていう人で、そこから音楽の魅力って何だろうと考えて、脳に与える影響って何だろうって考える人、追求したくなる人ってあんまりいないのかなと思って。
ちょ:なるほど。多分でも僕も、今そういう一つの流れとしてお話はしましたけど、実際にそれが同時多発的に、直線的に起こったわけではなくて。
音楽が好きっていう自分と、脳の研究が好きっていう自分が会したときに、それが出てきたっていう。なので、興味の重なり合った部分がそこだったという。
もちろんその重なり具合が今後、動くかもしれませんし、わかりませんが、今は音楽のことを、音のことを、もうちょっと脳でどう処理して、何がどうなってるのかっていうのを知りたいなって思ってます。
尾崎:元々好奇心が強い性格だったりするんですかね。
ちょ:そうですね。でも多分、全てのものに対して強いわけではないんですけど。何か自分が熱中した、これだと思ったものに関してはとことん追求したくなるタイプですね。
尾崎:熱中するものの傾向ってありますか。
ちょ:傾向ですか。ちょっと子供時代の話になるのですけど。元々、色水が好きだったんですよ。絵の具をぐちゃぐちゃ混ぜたときの色水でもいいんですけど。
特に小学校、中学校時代ぐらいですかね。家に生えてる植物で色水とかを作るのが好きで。
これを混ぜたらこうなる。これ、花の色はめっちゃピンクなのに、汁を水の中でぐちゃぐちゃやっても全然色が出ないとか。葉っぱをお湯に通すと、ちょっとお茶っぽい色になるとか。
そういう自然科学だったり、そういうものへの興味を持ちやすい傾向にあったかもしれないですね。
尾崎:なるほど。研究以外には何かしてらっしゃることはあるんですか。
ちょ:今特にしていることとしては、今アメリカに留学を始めて1年3ヶ月ぐらいになるんですけど。僕、それまでアメリカに行ったことがなくて。初めてのアメリカで初めての在住、長期滞在になるんですけど。
なのでアメリカを知ることを頑張って今は、力を入れて学んでいこうというふうに思ってるのが一つですね。
例えば、アメリカって、こんなこと言うと当たり前だろって言われると思うんですけど、広いじゃないですか、日本に比べて。新幹線でぴょぴょっと他の都市に行けたりもしないですし。
なので、結構都市の移動に力を要するんですけど。しっかり準備して飛行機乗って、どこか別の都市に行って、今自分が住んでる、今サンフランシスコという街に住んでるんですけど。何が違うんだろうとか、善し悪し、それぞれの都市の善し悪し。人の感じとかを、いろいろ見て学んでいこうというふうに考えてますね。
尾崎:何か見えてきたものはありますか。
ちょ:これが、あんまりいい具体例が実はなくてですね。でも、ラフな国なんだなっていうのが一番ですかね。
例えば、シアトルに行ったときなんですけど。シアトルといえば、イチローさんとかが活躍した街として、日本人にはすごいなじみ深い街なので行ってみたいなと思って行ってみたら。
空港から電車で街に行くんですけど、切符買うところあるのに改札が見つからなくて、これ何の意味があるんだって思いながら。雑だなって。他の町にはあるんですよ、一応。乗り越える人とかもいるんですけど、全然。
そういう意味で、ある意味そういうラフなところが、町によってあるのかな、力の入れ方が違ったりするのかなっていう。
片や、僕の住んでるサンフランシスコだと、ちょっと今、治安があまり良くなくて。なので無賃乗車の人とかも結構いるから、規制を取り締まったりとか、街にゴミがすごく多かったりとか。
ちょうど先週、APEC(アジア太平洋経済協力)。いろんな国の偉い人たちが集まる会議が、家から5分ぐらいのとこでやってて。デモの人とかがいっぱいいたりして。なので、そういう意味で、同じ国だけど治安には結構差があるのかなって思ったりもしました。
日本ではあんまりそういう違いって都市の間にないと思うので。大体日本って、どこもある程度のベースラインは一緒だと思うので。それはそれで面白いなって思いますね。
尾崎:アメリカに行くに当たって、不安はなかったんですか。
ちょ:ものすごい不安もあります。今もあります。特に、やっぱり日本では起こらないような銃乱射とかのニュースって、よく聞くじゃないですか。あとは自然発火とか。その辺って大丈夫なのかなって思いながら、今も生活してます。
まだ幸いなことに、何か銃被害に遭ったことはないですし、見たこともないんですけど。でも、何回かトラブルには巻き込まれたことはあります。
尾崎:好奇心の強い一面と不安な一面って、どっちが大きいですか。
ちょ:やっぱり一概にちょっと大小比較はできないんですけど。例えば、好奇心の面で言うと、今、僕は家で普段、自分でご飯作るんですけど。
見たことない果物とか使って、なんか美味しい食べ方ないかなとか。これ、和食の代わりに使えないかなとか。っていうのは探り探りやってるのが、好奇心の強い一面かなと思うんですけど。
その一方で、あんまり冒険したくない自分もいる部分もあって。ご飯の話ばっかりになっちゃうんですけど。日本ではあんまり見ないような、何とか国料理みたいなとかに、なかなか入れなくて。やっぱりいつも安定したメニューを選んでしまう。
ハンバーガーとか、日本食のレストランとかをやっぱり選んでしまう部分があって。そこがちょっとアンバランスというか、必ずしも、いつも好奇心が強いっていう人間ではないのかなっていう。対象によって多分、強弱はあるかなっていう印象です。
尾崎:行動するときは、どなたと? 1人の方が多いですか。
ちょ:そうですね。僕自身は今、結婚とかもしてませんし。よくアメリカに留学する人って、シェアハウスとかする人とか、シェアルームする人いっぱいいるんですけど。僕は1人が良いので、1人で住んでて。なので1人で行動することが多いは多いですね。
ただ、このサンフランシスコの街に日本人の人が、結構いっぱいいらっしゃるので、日本人のお友達もできて、一緒にフットサル行ったりとか、ご飯行ったりもします。
あとは職場の研究室っていう単位になるんですけど、研究グループ、研究チームの同僚とかと、ご飯行ったりしますし。明日は上司と一緒にオペラ見に行きます。「チケット余ったから行かない?」って急に言われて「じゃあ行きます」っていう感じで。
尾崎:ちょさんは、グループだったり組織の中で、どういうポジションになることが多いですか。
ちょ:リーダーとかにしていただくこともあるんですけど、やっぱり僕自身、適性的には多分あんまりリーダーというのは、うまくいったためしがないというか。あんまり多分、機能してなくて。
どっちかっていうと誰かを支えるポジションの方が、僕も居心地がいいかなって。サポート役みたいな感じになることが多いし、僕もそれを望んでるっていう感じですかね。
尾崎:周りの方からは、どういう性格だねって言われることが多いですか。
ちょ:それも難しい質問の一つですね。っていうのも、あんまり僕そういうフィードバックをもらったことがなくて。いや多分、聞いたら教えてくれる人いると思うんですけど、恥ずかしくて聞けなくて。
でも、そういう恥ずかしい一面があるって意味でも、あんまり自分を表に出たくないのかなっていうことなのかもしれませんね。気恥ずかしさがどうしてもあって。例えば、表彰されたときとかがあったとしても、あんまり進んで舞台上に上がれなかったりとか。
尾崎:なるほど。ちょさんが怒るときってあるんですかね。
ちょ:怒るとき。あるにはありますけど。具体的な話。あんまり人に怒ることは、やっぱり歳を重ねていって、だいぶ減りましたね。人に対しては大体、許せるようになってきましたけど、恨んでる人はいっぱいいます(笑)。
いっぱいって言うほどでもないですけど、不遇な扱いを受けたとか、すごい理不尽なことをされたとか。そういうことでは、直接は怒らないですけど、内心はらわた煮えくり返って根に持つタイプなんで。
尾崎:なるほど。ひどい扱いをしてきた人に対して、むかつくことがあるっていうことですね。
ちょ:そうですね。仏の心は、まだ持ててない。
尾崎さんのペースがすごいですね。質問、そんな瞬時に考えれるんやっていうのが、すごい感動というか。し慣れてるのかなっていうふうに、やっぱり感じますね。そんなポンポン出てきませんもん。
尾崎:ありがとうございます。色水っていうお話が出たので聞いてみるんですけど、ご自身を色に例えたら、どんな色だと思いますか。
ちょ:そういうのをうまく答えるのが苦手ですね。いやいや。それに関してはイメージはあって。イメージはあるんですけど、ちょっとぼやっとした言い方になるんですけど。多分オレンジとか、黄色。暖色な人でありたいし、それを今も目指してるって感じですかね。
サポート役の方が心地いいって話をさしていただきましたけど、人をそうやって和ませてあげるとか、温めるような、そんな人になりたいのかなっていうふうに考えてますね。なので、見るとちょっと温かい気持ちになれるような色になれるといいなっていうふうに思います。
過去:やっぱり気持ち悪いですよね。何で起こるかわかんないのに、なんか効いてるって。
尾崎:幼少期、子供のときはどんな子でしたか。
ちょ:さっきの色水の話にもありますけど、好奇心が強いという一方で、自分の世界に没頭しちゃうタイプの子供でしたね。別に周りともうまくやってるし、みんなで野球とかもよくやってたんですけど。
それとは別に自分の世界、没頭したい世界が常にあるっていう子供でしたね。さっき色水の話をしたときに、一応子供の頃に思ってた色水にはいろんな役割があって。
例えば回復の薬だとか、火傷治し。ちょっとかぶっちゃいますけど。そういうような役目がある薬を作ってるみたいな世界に没頭してた覚えがあります。
尾崎:色水を作ってるときは、周りに誰かいたり、どんな環境だったんですか。
ちょ:主に家の前で作ってて。一軒家なんですけど、実家。実家の一軒家の門の横に生えてる植物とかを、門のところで潰したりして。近所の人もそれ見てて、またやってるみたいな。質問って、これで合ってましたっけ。
尾崎:大丈夫です。1人で楽しんでいたということですかね。
ちょ:そうですね。だから誰かと一緒に、自分の世界の中のものを誰かと共有することはあんまりない子供でしたね。
尾崎:ご兄弟はいらっしゃいますか。
ちょ:いません、一人っ子です。なんで、それもあったかもしれないですね。家帰ったら子供1人なんで、自分の世界でボーッとするみたいな。
尾崎:親御さんとかに「こんなん作ったよ」とか話したりはしなかったんですか。
ちょ:多分あんまりしてない。そこに関しては、してないですね。例えば、みんなと遊んでて、野球で「今日ホームラン打ったよ」とか、そういう話はしてますけど。自分の世界のことは、自分の中に留めてたんじゃないかな。あんまり話した記憶はないですね。
尾崎:野球のことは話すけど、自分の世界のことは話さないとおっしゃってて、その違いって何なんですか。
ちょ:単純に多分、話すネタがないというか、何を話したらいいのかわからないというか。
あ、でもドクダミをすりつぶして、ドクダミ茶みたいなの作って「匂いきつかった」みたいなのは言ったかもしれないです。「なんであんなの生えてるの?」って聞いたような覚えもあります。
尾崎:なるほど。
ちょ:多分、それが小学校から中学校前半ぐらいだったかなっていう感じですね。
尾崎:他に何か好きだったことはありますか。
ちょ:時間の流れでそのまま行くと、中学校後半ぐらいからプログラミング。そこまで大層なものじゃないですけど、インターネットの世界に没頭するようになって。
当時は2ちゃんねるとかいろいろありましたけど、あんまりそういう掲示板とか、誰かと交流する感じというよりかは、やっぱり自分の世界を作ってるというとこで、例えばホームページを作ったりだとか。
あとは誰もやらないゲームを作ったりとか。っていうのを、いろんなものを真似しながら、遊んでましたね。
尾崎:プログラミングで遊んでたきっかけってありますか。
ちょ:友達に誘われたことがきっかけで。自分で進んでやろうと思ったというよりかは、当時、本当にパソコンの電源のつけ方もわかんなかったので、友達に。
今だったら当たり前なのかもしれませんけど、自分でパーツを選んで、パソコンを組むのが好きな当時は珍しい趣味の友達がいて。その子とすごく仲が良くて。結果、流されて一緒にやろうよって言われて。で、始めた感じですかね。
尾崎:流されてってことは、最初は断ってたってことですか。
ちょ:最初、やり方が全くわからないんで「想像がつかない」って話はしてましたね。だって、電源を入れられないんだよっていう。どういう世界の話なのっていう。まだ当時は携帯とかも、みんな持ってるような時代じゃないので。
20年ぐらい前の話なので、まだネットの黎明期だと思うんですよ、当時。家庭にもパソコン1台あるとかではなかったと思うので、その時代にホームページと言われて「なんだ、それは」という。想像つかないぞっていう。
だけど実際、ちょっと一緒に始めてみたらすごく面白くて。それは流されて本当によかったなって思います。
尾崎:どういったところが面白かったんですか。
ちょ:勉強すればするほど、何か作り込めるものが作れる。例えば、初めだったら本当に原色の背景に文字があって「こんにちは」みたいなものしか作れませんけど。
高校に上がる頃ぐらいには、FLASHっていうのが流行ってたんですけど。試行錯誤して、フラッシュでちょっとしたニュース速報みたいにテキストを出せるようなやつを作ったりとか。
勉強すればいろいろできるんで、それは楽しかったですね。やればやるほど、自分のできることが広がるっていうのは。
尾崎:なるほど。高校を卒業してからは、どのような進路に行かれたんですか。
ちょ:大学は薬学部に進学して。でも、それもちょっと流されてるとこでもあるんですけど。受けた大学で唯一の薬学部しか受からなくて、じゃあそこ行くかっていう流れで。
内容的には薬の話を学ぶんですけど。尾崎さんも登録販売者の資格を持たれてるんですよね。
尾崎:そうです。ちょっとだけ、お薬わかります。
ちょ:お薬がどういう化学構造をしていて、どういうふうに聞いてみたいな、どうやって作ってみたいな授業をひたすら受けていくわけですね。
尾崎:学ばれてみて、いかがでしたか。
ちょ:入ってよかったなって思いましたね。小さい頃から色水とかに興味持って、科学って面白いなって思って、ずっと自然科学を。コンピュータも含めて、面白いなって思ってて、実際それが人に役に立つ一連の流れをちゃんと学べた。
もちろん薬以外にも役立つ分野っていっぱいありますけど、薬ってないと困ることが多いですよね。今も、日本だったらジェネリックのメーカーの問題で供給不足とかで、いろいろ社会問題になってますけど。
それを習ってきた化学とか自然科学の知識をこうやって人に還元できるんだっていう、最初から終わりまでをちゃんと学べたのはすごい良かったなって思いますし、それがあったからこそ今、自分の進路を。今やってることを決めたのかなっていうふうに思います。
尾崎:人に還元するのがポイントっていうことですよね。
ちょ:そうですね。やっぱり、ただ座学で学んできたことじゃなくて、これがちゃんと実社会にこうやって生かされてるから、研究というビジネスがあるわけだし、実際に使う人がちゃんといるわけだしっていうことで。
化学という習ってきたものとか興味を持ってきたものが、どう社会にはめられてるかっていうのが明確にイメージできたのが、やっぱり薬学部に入って学んだことですかね。
尾崎:今されている研究も人に還元することがありますか。
ちょ:今やってること自体は、直接は還元できない研究です。っていうのも、元々大学の4年生から研究室に配属されて研究始めてきたんですけど。一番初めにやった研究が、抗がん剤の副作用を漢方薬で抑制しようというテーマでしたっ。
漢方薬ってご存知のように薬局とかドラッグストアで簡単に買えるじゃないですか。
尾崎:はい。
ちょ:もちろん処方薬としても出しますし。抗がん剤には、ご存知のようにいろんな副作用があって、その中の1個、特別な副作用について着目してたんですけど。実際に使われている薬を使って、これ治ったらいいよねみたいな研究をしていて。
当時、僕が研究してた頃は、まず、なんでその副作用が起こるのかわからなかったんですよ。いっぱい抗がん剤ってありますけど、なぜかその薬だけがその副作用を起こす。化学的にちょっと改良したやつだと起こさない。
この差は何だっていう。まず治療とかに行く前に、まず根本がわかってない状態だったんですよ。
僕は、根本についてはちょっとアプローチできなかったんで、治療薬として、いくつか漢方薬とか試して、これ効くんじゃない? ってことで、研究の成果出したんですけど。やっぱりなんか気持ち悪いですよね。何で起こるかわかんないのに、なんか効いてるって。
だから、ものによってはですけど、やっぱりまだそうやって治療とかに行く前に、まず根本をちゃんと知らないといけないなっていうふうに、そのときすごく思って。
なので今みたいな直接、社会に還元できるわけではないけど、教科書とかを作る上には重要な材料だったり、もう少し生物の根源的なところをちゃんと研究しようって思うようになりました。
ドラッグストアとかでいっぱい漢方とか並んでると思うんですけど、あれって全てが科学的な証拠があるというより、経験則で使われる部分があるなので、そういうのも、ゆくゆくは何で効いてるのかっていうのも、そういうところもアプローチできたらいいなって思ってます。
尾崎:アメリカに渡った経緯をお伺いしてもいいですか。
ちょ:はい。あんまりポジティブな理由とかではないんですけど。多分よくある理由ってアメリカに憧れてるとか、アメリカのようなレベルの高い研究機関で研究したいっていうのが、よくある留学の理由だと思うんですけど。
僕、あんまりそういう理由ではなくて。元々日本で(ポスドク)研究者をちょこっとやってて、ちょっと人間関係の軋轢とかで疲れてしまって。ひょっとしたら研究職向いてないのかなってすごい思ってた時期があって。
でも、今諦めるんだったら、最後にどっか海外で試してみて、それでも向いてないのかを1回判定してみようって思ったんです。研究環境を国ごとガラッと変えてしまって、適性が自分に本当にないのかっていうのを評価してみようっていう。未だに、それは答えは出てないんですけど。
別にアメリカにこだわらずに、いろんなイギリスとかベルギーとかいろんなとこにメールで「働きたいんだけど」ってメール送ったんですけど。そしたら1人だけ30分で返ってきた人がいて。
ブラック企業なんじゃないかって、すごいビクビクしたんですけど。そんな早く返ってくる? と思って。
その人が、たまたま僕が大学院時代にお世話になった恩師の元同僚で。だから知り合い同士だったらしくて。この人が大学院時代に指導した人だったら1回話聞いてあげるよっていうことで、話を聞いてもらったのが今のボスですね。
なので、たまたまアメリカの人に拾ってもらって今があるっていう感じですね。
尾崎:アメリカでの研究はいかがですか。
ちょ:研究環境が劇的に変わったとは僕は思わなくて。日本でもできることがいっぱいあるし、アメリカだからできることも多少あるんだろうけど。別にむちゃくちゃ差があるわけではないなっていうのが印象です。
いや、なめてるだけかもしれないんですけど。わかんないですけど、真偽はまだ。ただ、いろんな価値観の人と研究の話をできるのはすごいいいなと思ってて。
例えば、今の僕の研究チームは、7人か8人ぐらいのちっちゃいチームなんですけど。1/3ぐらいはアメリカ人で、残りが中国、ドイツ、イギリス、プエルトリコ、あと僕、日本から来てて、
結構国際色豊かなところでやっていて。
そういう人たちと、一つの現象に対して、ああだこうだ言えるのは、すごい面白い経験だなって思います。
尾崎:その中で、ちょさんはやっぱりサポート役なんですか。
ちょ:今はどうだろう。ちょっと仕事面でサポートというのをどこまで言えるかわかんないんですけど。例えば、片付けない人が多いんで片付けてあげるとか。実家のお母さんみたいな感じですよね。
「また散らかして」みたいなことを思いながら、片付けるとか。使ったものが補充されてなかったら補充してあげるとか、そういうことはしてますね。
尾崎:それはどういう気持ちでされてるんですか。
ちょ:「またやりっぱなして」って感じですね。別に怒ってるとかではなくて、またかって。特に何も感情はなく。なんでしょうね。自分が次に使うときのトラブルを回避するために、ただ準備をしてる。
自分が次使うときに、そういうのが出しっぱなしだと嫌だから、見つけたら直すとかなのかな。
尾崎:みんなのためというより、自分のやることの延長線上にあるから?
ちょ:そうですね。その結果、役に立ってくれたら嬉しいなぐらいの。サポート役なのか、ちょっと疑義が生じてきそうですけど。
未来:実は研究者タイプになったためしがなくて。芸術家になることがすごく多くて。
尾崎:5年後、10年後、あるいは死ぬまでを想像して、未来についてどういったイメージをお持ちですか。
ちょ:5年後なんですけど、僕、今アメリカにそうやって留学してるんですけど、実は早く帰りたいなと思ってて。生活面の不満が多すぎて。
もちろん成果を出してから帰りたいんですけど。なので5年後には、ちゃんと日本に成果を出して帰ってくるっていうのが目標ですね。成果を出して、どこどこ大学の研究者みたいになったらいいかなって思ってます。
10年後だったら、片田舎で家とかを構えて、家族と穏やかに過ごせたらいいなって思ってます。
尾崎:まず聞きたいのが、研究の成果を出したいとおっしゃってたんですけど、ゴールって具体的に何なんでしょう。
ちょ:例えば今、僕がやってる検証。音とかを聞かせたときに脳で起こってる特別な信号が見えてるんですけど。まずその信号って何っていうのがわからなくて。まず、その信号自体が何なのかっていうのを今、解明しようとしてるとこなんですね。
なので、まずその正体がつかめたら一つのゴールかなって思ってますし。
そうすると、次のゴールは何かっていうと、じゃあどういう条件だったらそういう信号が出てくるのかっていうのを、ちょっと広い目で見たときの、その信号のあり方だったり、個体において、その信号はどういうふうに大事なのかとか。
そういう機能だったり、発生条件とかをもう少し詰めていくっていうのが次のゴールかなっていう。
そういう今見てる検証についての理解に進むのが一つのゴールなんですけど、やっぱりちょっと実験自体も、1ヶ月、2ヶ月単位で1個やるのにかかるので、なかなかすぐにパパッとはできないですね。課題ですね。
なので、5年後にはちゃんと出てるといいなっていうふうに考えてます。
尾崎:現在の話の中で、音楽の魅力って何だっていうところもあったっておっしゃってたじゃないですか。それとはどう繋がるんですか。
ちょ:その信号は聴覚に関連してる信号なんですけど、多分そういう音の認知とかに結構大事な信号だと思ってて。音楽との関わりでいうと、難しいな。ちょっとそれがダイレクトに音楽に関わってるかって言われたら、ちょっと三角マーク。
なんですけど、聴覚自体にはすごい大事なことなので、ちょっと今すぐにはぱっと答えは出ない問題になるんでしょうね。でも、そういうのを1個ずつ積み重ねていって、アプローチできるかなとは思ってます。
なのでちょっと広く語りすぎましたけど、研究の興味について。実際はもう少し、何て言うんでしょう、特化したというか、焦点を絞ったところをやってるので、そこに関して今すぐは。今やってるプロジェクトではちょっとすぐには動かせないような感じですね。
尾崎:ちょさんの直感でいいんですけど、音楽の魅力って何だと思いますか。
ちょ:プロのミュージシャンにするような質問ですよね(笑)。僕はただ聴いてるだけの人なんですけど。でも受け手として、消費者として見たときに、音楽ってやっぱり日常をすごい彩ってくれたりとか、自分の気分を修飾してくれたりとか。すごい大切なものだなって思いますし。
あとは音楽って、記憶をすごい保存してくれるような機能もあるのかなっていうふうに思ってて。多分誰しもあると思うんですけど、この音楽を聞いたときに、よく聞いていた当時の風景を思い出す、そんな経験ってあったりしませんか。
尾崎:わかります。
ちょ:この曲を聞くと中学校の頃を思い出すなとか。そういう大切なものを保存するようなものでもあるし、日常でも役に立つ。そうやって現在と過去を……。言い方が難しいな。
現在と過去を繋いでくれるような、そんなものなのかな。そんなところも魅力なのかなって思います。ちょっと締まらない答えなんですけど。
尾崎:なんかわかる気がしました。
ちょ:なので、僕にとっては少なくとも音楽っていうのは本当に、なくちゃ困る存在です。
尾崎:ちなみに、どんな音楽を聞かれるんですか。
ちょ:そうですね。いろいろ聞いて勉強したいなとは思ってますけど。一番よく聞くのは、最近はボーカロイドの曲をよく聞きますかね。いろんなアーティストさんが、初音ミクちゃんみたいなものに歌わせてあげるようなものをよく聞くことが多いですかね。
尾崎:どうしてボーカロイドの曲が好きなんですか。
ちょ:それも一つ、音楽の不思議だなって思ってるところがあって。元々は好きじゃなかったし、例えば有名と言われてる曲を聞いても、すごい違和感を感じて。
当時のボーカロイドの発声の仕方が普通の人間とやっぱり違うので、すごく違和感だったり、気持ち悪さを感じてしまってて、初めは全然聞けなかったんですけど。あるときから慣れてきたんですかね。なんか自然と入ってくるようになって。
やっぱり今、アーティストさんと呼ばれてる方いっぱいいらっしゃいますけど、やっぱりボーカロイドの世界も素人の方が、自分で歌わずとも作曲して、ボーカロイドに歌ってもらえれば曲が作れるので、すごい多様性があって飽きなくて面白いなって。無限に聴くものがあるので。
ボーカロイドの音声に慣れて受け入れることができた結果、、油田みたいな尽きることのないものを見つけて、今もコンテンツを消費してるって感じですかね。
そこの慣れっていうのもすごい不思議ですよね。そこも研究として面白いんじゃないかなって思いつつ。
尾崎:今までのお話を聞いて、研究者の方なんだなっていうのはすごく思ったんですよね。
ちょ:本当ですか。
尾崎:やればやるほど、自分のできることが増えてくるとか。やればやるほど学べたり広がったりっていうものが好きなんですか。
ちょ:そうなのかもしれませんし、やっぱり対象によるんだと思います。僕はこのインタビューを受けるに当たって、準備する中で、
尾崎さんがエッセイに関するWebセミナーを受けたって話を書かれてるnoteを読ましていただいて。その中で「知ることは愛することです」という言葉に涙されたというふうなことがあったんですけど。
多分、好きなことに関してどんどん知りたいんだと思うんですよ、僕も。なんで僕も音とか脳のことが好きなんで、多分知りたい。知るための手段をどんどん勉強して増やしていきたいっていう、多分そこなのかなって。
僕はたまたま、それが脳とか音楽っていうことだけであって、別に尾崎さんと一緒なのかなって勝手にシンパシーを感じていたんですけど。
尾崎:そうですよね。私も何となく、自分の世界にのめり込むとか、共通点多いなと思ってて。ちょさんと私を比較したときに、ちょさんはのめり込み方がすごいなと思って。私は、誰かがこうですよってわかったものを学ぶっていう、結構受身なんですよね。
ちょさんはどっちかというと「研究」じゃないですか。どこにも載ってない情報を、自分で研究してつかみにいく、知りたいっていう感じですよね。
ちょ:そうですね。でも、まずは受身でちゃんと何がわかってるかとか、どういう方法を使えばわかるかっていうのを受身にやんないといけないので。その受身を積み重ねていった先に「これ、わかってへんねや」っていうところを、よし頑張ってみようかっていう感じなのかなって思うんで。
アイディアも全然わかないんで。だからひたすら毎日勉強していった先に、何かこれ面白そうとか、意外とこれがわかってないんだとか。
さっきの薬の副作用の、抗がん剤の副作用の話も例で出しましたけど。そんなことわかってないんだっていうのも意外とあったりするんで、勉強していくと。
だから多分、どっちのステップも必要なのかなって前のめりでいくことも、受身で誰かから「こういうことまでわかってるんだよ」とかって聞いていくのも、どっちの姿勢も大事なんだろうなっていうふうに思ってます。
尾崎:きっと、まずはその受け身で勉強される量がすごかったのかなと思ったんですけど、勉強が……。何て聞いたらいいんだろう。
ちょ:好きだったか、みたいな感じですか。
尾崎:そうですね。でも、興味のあることについて勉強するのが好きだったっていう感じなんだなと思ってて。
ちょ:そうですね。だから多分、イメージ的にはオタクに近いような感じでいいと思います。たまたまそれが、脳科学とか音っていうだけであって、対象が。なので、対象のこと好きやから、「もっと知りたいな」で勉強していくし。
今だと、そうやってアメリカっていう環境にいると、やっぱりとんでもない頭のいい人たちがいっぱいいるんで。知識だけでも多少はついていけるようにしたいなと思っている部分もありますかね。なので決して勉強が好きとかではない。
でも単純に知りたいから、勉強してるっていう感じですね。ちょっとぐちゃぐちゃかもしんないすけど。
尾崎:なるほど。じゃあ、国数英社理ってあるじゃないですか。
ちょ:ありますね。
尾崎:成績的には、極端だったってことですか。
ちょ:めちゃくちゃ極端ですね。中学校ぐらいまでは、そこそこだったんですけど。高校になってからすごい極端になって。理系だったんで化学と物理が、理科では現れるんですけど。化学はほぼ100点取れるんですけど、物理は6割ぐらいしか毎回取れなくて。
英語は好きだったんで、喋れるかと言われたらまた別の話ですけど、英語自体は好きだったので、そこそこ点取れてるけど歴史とかは全然駄目とか、すごくアンバランスでしたね。でも、今この年になって、例えば日本の古典を読むとかも好きですし、歴史の本とかを読むのも好きですし。
当時は魅力に気づいてなかっただけで、ただの暗記だとか思ってただけで、実際ちゃんとシナリオ全体を、ちょっとざっくりした言い方ですけど、全体的なものを見ていくとすごい面白いなって気付けて。
当時の成績としては、そういったアンバランスでしたけど、今の興味としては、もちろん化学は突出してましたけど、別に国語も好きですし、歴史も好きかなっていう感じですね。
尾崎:もし、ちょさんが研究タイプの人間じゃなかったら、どんな人生になっていたと思いますか。
ちょ:なるほど。よくそういう診断ってあるじゃないですか。「何々タイプです」、みたいな。僕、実は研究者タイプになったためしがなくて。芸術家になることがすごく多くて。
それはすごい大変な道っていうのはわかってるし、無名人インタビューとか読んでると、音楽活動されてる方とかいっぱいいらっしゃるけど、やっぱそういうのにちょっと憧れちゃってますね。
音楽とか美術で人の心を震わせるっていうのができると本当にすごい、もしも自分がそういう道に進めてたらできたらいいなっていう。
あともう1個あるとしたら、僕とんでもなくミカンが好きなんですけど。とんでもなくを具体的に言うと、今11月なんで日本では、ミカンを売り始めると思うんですけど。週に10キロを1人で食べるぐらいミカンが好きで。
なので、ミカン農家とか。今ミカンの世帯消費量って減ってるんで、コタツの文化がなくなりつつあるのと一緒に。なので、そういうミカンの文化に対して農業でもいいし、何か貢献できるような活動をしてもいいな、できるといいなとも思ってますね、研究者じゃなかったとしたら。
尾崎:それでは、最後に何か言い残したことはありますか。
ちょ:うーん……。皆さん、迷ったりしないんですか。
尾崎:迷われる方もいますね。例えば、読者向けだったり、独り言だったり、感想などですね。
ちょ:読んでくださった方向けかな。多分、今までの無名人インタビューに出てきた人とは、ちょっと毛色が違ったかもしれない。いや、毛色が違ったら嬉しいなって。
それでまた新しい、またこの無名人インタビューのコンテンツを「次はどんな人が来るんやろう。読んでみよう」という感じで、コンテンツに彩りを加えるような、僕の記事がこの素敵な企画をサポートするような感じになったら嬉しいなっていうふうに思いました。本日はありがとうございました。
尾崎:ありがとうございました。最後に1個だけ聞いてもいいですか。
ちょ:もちろんです。
尾崎:人間は好きですか。
ちょ:人間は好きです。
尾崎:ちょさんって、すごい温かい人だなと思ったんですが。
ちょ:嬉しいです、そうやって言っていただいて。
尾崎:研究されているちょさんにとって、人間ってどんなふうに見えてますか。
ちょ:多分、一般的な研究者のイメージって、1人で黙々と試験管とかに没頭してるようなイメージだと思うんですけど。僕のやってる研究室は全然そんなことなくて。
「調子どう?」みたいな感じで、みんなで「あれ、よかったよ」みたいなこととかを言い合ったりとか、ランチ一緒にしたりとか。やっぱり僕たち人間が生きる上で、人間のコミュニケーションって欠かせないなって、すごい感じますね。
やっぱりそうやって、何かに没頭してる自分の世界みたいな、研究の世界に没頭してる自分を社会に戻してくれるというか。自分の世界から「おかえり」みたいな感じで、自分を人間社会に戻してくれる存在が人間かなって。そんな答えでいいのかな。
研究という世界と社会とを繋いでくれるような存在が人なのかなって。別に知らない人でもいいですし。
特にアメリカに来て思ったことなんですけど、アメリカ、西海岸限定かわかんないんですけど、ドアが総じて重いんですよ。商業施設とかへ入るとき、押し戸、引き戸あったりするじゃないですか、自動ドアじゃなくて。あれが極端に重いんですよ。
なので、みんな大体開けて待っててくれるんですよ、次の人が。で、僕もそうしたら真似してそうしますし。そういうちょっとしたコミュニケーションで自分は社会にいるんやなっていうのをすごい感じますね。
実験が終わって、そうやってドアを開けてくれてる人がいたら、ああ、人間社会に戻ってきたって感じがします。
あとがき
「研究されているちょさんにとって、人間ってどんなふうに見えてますか」。
これは私が最後に投げかけた質問なんですが「漠然としている質問だなぁ」と思います。意図を汲んで答えてくださった、ちょさんに感謝です。
こうやってテキストで見ると、スラスラ質問しているようにも見えますが、私の場合、実は、ゆっくり考えながら質問しています。
何を考えているのかというと、話を聞きながら「こういう感覚を持っているんだろうなぁ」と想像して、質問を通して“言語化をすり合わせていく”というと分かりやすいでしょうか。
漠然とした質問は、その場でベストだと思った聞き方なので、インタビューが終わってから「もっと、こういう聞き方をしたら良かったなぁ」と反省することが多いです。
先ほどの質問を例に挙げてみると、
「研究されているちょさんにとって、人間ってどんなふうに見えてますか」という聞き方は、
「自分の世界を持ちつつも、他者や社会と上手にコミュニケーション取れる人だと思ったのですが、なぜなんでしょうか?」みたいな感じで質問したかったんですよね。
どうやったら、話し手の方が話しやすいように質問できるんでしょうかね……。今の私の悩みです。
それとも、抽象的でありつつも核心をついている質問だと捉えて、気にしない方がいいのでしょうか。うーん、今の私には答えが分かりません。
ご意見、お待ちしています……!
ちょさん、ご参加くださりありがとうございました!
読者の皆さん、最後までお読みくださり、ありがとうございます!
またお会いしましょうね。
【インタビュー・編集・あとがき:尾崎ゆき】
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