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無名人インタビュー:育休明けに職場復帰する予定だったけど、Webライターに転身した元中学校教師の人
中学校時代のことをおぼえてますか? 私ごめん忘れちゃった。うろおぼえすぎ。なぜなら私は過去を捨てた男だから。
今回のインタビューご参加はアヤコさん。元中学校教師で、去年2020年に出産されたママです。
産休育休取って、また学校に職場復帰する予定だったのですが、育休中にそのまま辞表提出! まあインタビュー中は辞表提出前の在職中だったのですが。たしか、インタビュー数日後にぽんぽんぽんと、いろいろ今後の人生のことを決めていったのじゃないのかな。
いきおいのある人。行動力のある人。そして素直な人でした!
圧倒的パワーのアヤコさん回、金曜ロードショーを見る感じでお臨みください!
今回ご参加いただいたのはアヤコさんです!
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1、インタビュー時は中学校教員でした
qbc:インタビューのどんなところに興味を持っていただいたのでしょうかね?
アヤコ:企画がものすごく面白いなって思って。普通の人っていうか、まだ名の売れてない人でも、みんなドラマを持ってるんだぞって、今まで見たことがなかったです。
本当にそうだなって思って。今まで自分には卑屈な部分があって、どうせ結果出してないしな、みたいにあきらめてる部分があったんですよね。
で、自分もインタビューされてひとり情熱大陸やってみたいっていうか、こんなチャンスが私に来た! みたいな。
qbc:ありがとうございます。それでは、どういうインタビューにしましょうか。
アヤコ:自分の思いを発信して、それを見た人がいろいろなところにつなげてくれたらいいなと思ってて。今一番の目標が、本を出版することなんですよ。本を出版して、ベストセラーになって、息子が遊んで暮らせる印税を残すっていうのが、目標です。
本のテーマは、学校のことにしようと思ってて。今までずっと教員をやってきたのですが、学校から離れた途端、学校の中ってこんなに外から見えないんだって思って。
qbc:ぜんっぜん見えてないですよ。
アヤコ:みんな通ってたのに、99%もう小学校に通ってるのに。あんな濃密な時間を過ごしたのに、卒業した途端、え、学校って何やってんの? って。
メディアではいっぱい不祥事のニュースが流れて、不信感を持ってる人っていうのが保護者からの情報でもあがってくるんですよね。で、このお母さんは学校をこう思ってるから、気をつけて連絡してね、みたいな。
でね、それがすごく悔しいというか、こっちはこんなにがんばってるのに、なんで? みたいな。
qbc:内部で働いてる人の気持ちとは関係なく、行政が専守防衛してるってのもありますよね。とにかく先に守っておく。
アヤコ:だから、学校の中身がわかる、先生ってこういう動きをしてる、というのをオープンにする本を作りたいと思ってるんです。
それで一個始めたのが、質問というか疑問を募集して、それに答えるQ&A形式の本を出したら良いのかなって思ってるんですよ。
こないだやったのが、担任の先生がイマイチだったらどうする? って質問。すごい、いきなり最初から激ムズの質問が飛んだんですよ。でもそれって、お母さんのすごい悩みのタネなんですよね。
qbc:そうですね!
アヤコ:先生が何を考えているかを知らないから不安になるんだと思うんですよね。先生たちってそういうことを外に言わないんですよ。もっとオープンにしても良いと思うんですけど。
それを言って、もっとわがままを言う人が増えたらどうしようっていう、そういう懸念があって伏せてる部分が多いんだと重います。
だから、できる限りオープンにしていく本を出して、それをお世話になった保護者の人とか子供たちに読んでもらいたいなという思いでいます。
qbc:先生のインタビューって二人目なんですよ。その方も、学校と地域の橋渡しをしたいとおっしゃってましたね。
こちらがもう一人の先生インタビューです!
アヤコ:わかります、その気持ち。
私の今やってることが、サンクチュアリ出版の金子さんという方が、月1,500円くらいで出版するまでの情報のオンラインサロンで教えてくれてて、これに加入して勉強しながら本の企画書を作ってます。
qbc:なるほどなるほど。育休なんでしたっけ?
アヤコ:今年の春生まれたので、今は育休です。育休半年。
qbc:お休みに入られたのはいつだったんですか?
アヤコ:お休みは二月から入ってます。
qbc:なるほどー。どういうきっかけで、本を作ろうとか、そういうことをお考えに至ったんですかね?
アヤコ:私、すごく動きたい人なんですよ。行動してないと落ち着かない人だった。
産休、育休に入る前にこういうことしたいんだって決めてたんです。いちご狩りに行くとか。
でも、いざ産休に入ったら、病院に、調子が良くないから安静にしてろって言われて外出禁止令を食らったんですよ。で、えーっ! みたいな。
やりたいことリストを10子(個)くらい書いたのに、全部それがおじゃん。じゃあ読書でもするかと思って、本田健さんの「ユダヤ人大富豪の教え」っていう本を教えてもらって、その本を読んだんです。
qbc:いきなりすごい本読みましたね。驚きました。
アヤコ:知り合いが本田健さん好きだったんですよ。「ワクワクで生きよう」って感じの自己啓発本でした。お給料っていうのは人を喜ばせた分だけの対価だっていうふうに言っていて。
じゃあ、自分が小さいころから好きだったことって何だろうって考えたんですよ。そういえば私、文章書くのがものすごい好きだったなっていうの思い出して。じゃあ試しにエッセイをコンテストに出してみるかってスタートして。
そんな時に、また知り合いからnoteってサイトがあるよって教えてもらって。
そこから書いていくうちに、最初は模索して学校の愚痴とかを吐いていたんですけど、徐々にもう学校には戻りたくないなって思うようになったんですよね。
qbc:おーそうなんですか、もう学校には戻らない?
アヤコ:そう、戻らない。
今まで、どれだけ時間と心にゆとりのない生活をしていたんだと気づいちゃったんですよね。今だったらnoteとかで収益をあげている人もいるから、自分のやりたいこともできるし、時間にゆとりもできるし、そういう方向に力を注いでいこうと思って。
でもまだ武器がないから、今まで教員やっていたことを生かして、情報発信しています。
qbc:なるほど。noteって、出産のどれくらい前から書きはじめたんですか?
アヤコ:実際にスタートしたのは、出産の2日前です。
qbc:2日前! そうか2日後に生まれるって分からないですもんね。
アヤコ:そうそう。私、ずっと妊娠中から日記を書いてたんですよ。エコー写真とかノートに貼って、今日何センチでしたって。友達がおめでとうって言ってくれたよとか、いろんなこと。
出産してからも、よっしゃ書くぞと思って、ノートを持ってってたんですよ。アナログノートを持ってってたんですけど、もう、いろんなとこが切れてたので座ることができず、ペンを持ってノートを書くっていうことが、ダンベル50キロ持つみたいなくらいのレベルで、できなくって。
悔しいながらデジタルに。そこでnoteでしたね。悔しいけど、noteへデジタルで残してやるって思って。しばらくは育児のこと書いて。子供が1ヶ月過ぎてからたくさん寝るようになってくれて、そのころから自分の方向を考えはじめれるようになりましたね。
最初は、起業家も考えてたんですよ。夏ごろは。
qbc:ユダヤ人富豪の影響が大きかったわけですね。
アヤコ:そうです。大きかった。
qbc:ほんとそういう本を読んでしまうっていうのが面白いですね。
アヤコ:起業のアイデアなんですが、学校で働いてた時にモヤモヤしていたのが、子供の居場所がないってことだったんですよね。学校も好きじゃない、家にいても安心できない子もいるんですよ。家に帰れば親にワーワー言われたり、学校に来て好きなことしてても、結局は注意されますよね、絵を描く時間じゃないのに描いてたらダメよって言わなきゃいけないし。
ってことで、どこにいてもあんまり笑顔のない子がいたので、そういう子がひと息できる場所が作れたらいいなと思って。
フリースクールを作ろう、地域のフリースペースを作ってお年寄りも呼んで、赤ちゃんがいるお母さんとかも来れる場所を作りたいな、と思って。
公募で若手の起業家を支援する会社があって、起業の勉強を1ヶ月半ぐらいそこでしました。週一のオンラインですね。ただ、起業ってお金もかかるし、人脈も必要ですよね。0歳児がいる身で、すぐパって動けないなって思ったので、じゃあ今、この瞬間にできるnoteを書くっていうことを極めて、起業人として発信して名前を売り、その経歴をプラスしてその場所を作ったらいいんじゃないかなと思って。
実際、仲間も増えていったので。これからもっと味方が増えれば良い縁ができるんじゃないかなと思って。
そうなった時に、その場所が完成するかなと思う。だから今はnoteに集中してる状況です。
qbc:おおーうまくいくんじゃないですか? うまくいく気しますよ。
アヤコ:みんなにそう言われるんですよね。
qbc:要素が揃ってますよね。noteって、カテゴリのトップに家庭、グルメ、ライフスタイル、育児、健康って並べてるじゃないですか。
アヤコ:確かに。全然気にしたことないですね。
ここですねえ。
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qbc:noteが狙っていきたいのは、ここがコアだってことです。育児パパ、イクメン系の人も見かけること多いですよね。
アヤコ:そうそう。びっくりしました。
qbc:それから、コロナで人が外に出ない、オンラインに人が多い、育児は家でしてる、て状況がいいですよね。これもうまくいきそうな要素。
まあ中野美紀子さんに教えてもらったことなんで私のアイデアじゃないですけど!
中野様!
アヤコ:あー、すごい。でもだんなが私のことを心配してます。
qbc:そりゃ心配はするでしょう。
アヤコ:こいつ、いきなり何言い出すんだ、みたいな。
qbc:でしょうね!でも、大丈夫ですよ。「担任の先生がイマイチだったらどうしよう」みたいな質問に元教師が答えるって、めちゃくちゃ面白いコンテンツですから!
アヤコ:投げかけられてこっちの身は辛いけど、でもまあそうよね、親はそう思うよね! って。
noteを教えてもらった人に、本出したいんですっていう話をしたら、不特定多数に向けた本よりも、集まってきた質問に答えるほうが、多くの人が読みたいものになるんじゃないのか、って言われたんです。
qbc:そうですね。万人受け、という漠然としたターゲットよりも、発生したことが明確な質問回答のほうが需要ありそうですね。
アヤコ:で、私が出したいような本が、過去に出ていたんですよ。小学校バージョンで。
こちらです!
アヤコ:先生とどう付きあっていくとか、学校は楽しい場所ですよ、ということを小学校の先生を30年やった人が書いていたんです。
でも、全然表紙がかわいくなくって。
qbc:いやまあ、かわいくないわけではないですよね。かわいくしようという努力は感じますよ。硬い本なのかなと思ってたら、イラストを入れてそれらしくしようとしているじゃないですか。
アヤコ:でも、私には。
qbc:女性目線じゃないってね。
アヤコ:そうそう。ダッさ!
qbc:ズレてますよ感がね。
アヤコ:90年代の本かなと思いきやまさかの4年前に。
qbc:まあ最近ですよね。
アヤコ:私だったら手に取らんわって思って。今、小学生の保護者って30代後半が多くて、絶対こんなダサい表紙なら買わないなと思って。
中身は良いんですけど、確実に企画ミスだなと思って。
qbc:まあいろいろあったんでしょう。
2、先生は地獄?
qbc:先生の悩みってなんなんですかね? 保護者ではなく先生の悩み。
アヤコ:悩み? なんだろう。やりづらさかな。訴えられたらどうしよう、みたいな。
実際に私、目の前で生徒指導の主任と学年主任がチラシをもってやりとりしたのを見てたんですけど。チラシの文字が、「訴えられた時保険」て。それをしばらく眺めて、どうする? って。
qbc:あー、学校単位で入るのか。なるほど。
アヤコ:うーわマジかでもそうだよねって。保健室の先生とも、そういうこと話したんですよ。保健室の先生は一人だし、命を預かってるっていうか、ケガから思ってもみなかったことにつながる可能性もあるから、訴えられる可能性は一番多いんだよねって。
qbc:ほんと怖いわ。
アヤコ:生徒指導の先生も、ものすごく良い先生なんですけど、よくぼやいていたのが、責任逃れじゃないけど責任回避のために書類も残さないといけないって。
私も、どう責任取ってくれるんや、って言われたことあります。そういう時代というか、そういう矛先をみんなが学校に向けているっていうのは、やっぱり先生たち、一番つらいんじゃないかな。
qbc:つらいつらい。社会の矛先がぜんぶ学校に向いてるみたいな。
アヤコ:先生によっては、選り好みするなら私立へ行けって言うんですよね。
qbc:税金での運用の限界かあ。
アヤコ:私が現場ですごいしんどかったのは、やりたいことがやれなかった状況だったんですよ。
例えば、中学生が小学校へ行って勉強教えたりっていうイベントをしませんかって投げかけても、上からの回答は、それぞれ行事があって忙しいからね、入れる場所ないよね、みたいな。近くに老人ホームがあるから訪問しませんかって言っても、なんでそんなんするの? みたいな感じで。もう、先生たちから思考が奪われているんですよね。
qbc:忙殺されてるって意味で?
アヤコ:忙しすぎてって言うか。授業を回すだけでみんなもう手いっぱいになっていて、例年通りを踏襲するのが精一杯って感じですね。
だから新しいことを言っても、じゃあ一から百まで全部やってくれるなら良いけどね、できるならやってって。そういう状況になるので、あんまり乗り気ではない感じで。
校則にしても、本当にそれが正しいと思ってやっている先生も何人もいるので。靴下絶対白、靴底黒じゃダメとか。そういう。
qbc:え? なんで?
アヤコ:そう。なんで? ってなりますよね。
qbc:靴底の色とかルブタン以外で気にしたことない。まじか。まじ? それ。靴下白限定っていうのも、人種差別的だから怒られますよ。まあ、まじかー。
アヤコ:それを先生たちは、靴箱チェックして、見つけたら担任に言いにくるんですよ。qbcくんの靴、マジックテープだから言っといてね、みたいな。
qbc:まだ? まだそんなのあるの?
アヤコ:本当、そうなんですよ。
qbc:まじか。
アヤコ:で、qbcくんのお母さんに私が電話かけるんです。それでお母さんに私が怒られるっていう。
qbc:そんな人権侵害ある? そんなの学校の理不尽だから。登場人物誰一人の権利も守られてないじゃん。結局、クローズだからですよ。笑っちゃうよ。怒る前に。
アヤコ:そうそう。今、離れてるからこうやって笑えるけど。
qbc:笑い泣きだけどさ。
アヤコ:やっぱり、つらかったというか。その時は、働いてまだ2、3年目だったので。
qbc:先生てほぼ新卒採用ですもんね。
アヤコ:そうです。
qbc:やっぱり社会経験が薄いんだよな。横の業界を見られないから。
アヤコ:なんか、そういうものかと思っていたんですけども、だんだんと目が覚めてくる。
qbc:超重要な事業ですよね、教育事業って。だから管理者がクローズな環境にしたくなるのは分かるんですよ。外からアクセスされまくると、内部構造が乱れちゃうんじゃないかと怖くなって。
とはいえ、すべてクローズにしてしまったら、いろいろ問題が起こりますよ。権力の濫用、不正の隠蔽。図書館とか美術館とか、公共事業に民間が入れるようにしたじゃないですか。それによる問題もいろいろ出てますけど。でも前例踏襲型からの脱却の方向は見えた。
新しいことをして、悪いものが出たらそこを改善すればいい。
アヤコ:そこの、失敗を一番恐れてるのが学校教員っていう、矛盾なんです。
qbc:ゼロリスク思考だからね。
アヤコ:学校の掲示板に金子みすゞの詩が貼ってあるんですよ。小学校とか、特に。「みんなちがって みんないい」って。
qbc:え、震災以来?
アヤコ:そうです。だけど、やってること、真逆じゃんと思って。ざけんなよって。
qbc:複雑な子供が育ちそうですね。スローガンは良いことを書いておいて、実際にやらせるのはガチガチの管理教育ってね。
3、女にモテない男は子供にもモテない
qbc:アヤコさんは活動的な方ですね。お子さんのころから? 違うのかな?
アヤコ:いや、中学校の頃はすごい腐ってたので。私、進学校に通ってたんですよ。で、親は受験をさせたくって。
わりと地域では有名な学校に行けたんですけど、いざ入ってみると、自分の中で最高にがんばった到達点が、学校内での平均値になるじゃないですか。テストの点数も悪くて、女子校だったんですが、周りの女の子たちがすごい人たちに見えて、自分なんか、みたいな。
qbc:腐るって、腐女子のことですか?
アヤコ:違います。厨二病みたいな。どうせ、オレなんかって卑屈。ずっと卑屈で、他人をうらやむけど努力はしないっていう状況で。中高一貫校だったので、6年間腐ってました。中三の時に恩師の先生との出会いがあって、そこでなんとなく教師への道筋を示してもらったかな。今まで自分が会ってきた先生の中で、おじさんもおばさんも多かったんですけど、その先生は若くって親身になって話を聞いてくれたのが、とても印象に残ったんです。
こんな大人がいるんだな、みたいな。じゃあ自分もこんな大人になりたいなあと思って。でも、教師はないなあって。
qbc:はい。
アヤコ:私、子供のころからの夢で、ずっとなりたくなかったものは教師だったんですよ。一番なりたくないもの、教師みたいな。
それ以外は、なりたい夢はコロコロ変わったけど、なりたくないもの不動は教師。でも高校卒業する頃に、素直に、先生たちにたくさんお世話になったなあって思って。それで、教員採用試験の勉強をはじめました。
qbc:なるほどなるほど。ご自身では、自分をどういうタイプだと思われますか?
アヤコ:タイプ? 行動的で、裏表がないって言われます。
qbc:起業家の方に必要なものって、素直さって言うんですよね。そこはお持ちだなって思いますね。信じたものを受けいれて、行動に直結させて、結果が見えるまではひたむきに情熱を傾ける力ですね。
アヤコ:保護者の人にもわりと気に入ってもらえてました。いまだにつながりのある方もいますし。
qbc:面白いですね。先生から起業された方ってあんまり聞かないし。
アヤコ:最初の本は「校長先生、起業するので学校辞めます」ってタイトルにする予定です。
※インタビュー当時:2020/10の時点!
qbc:面白い。あとは、挫折も中高の時に経験されてるんですよね。
アヤコ:大学受験を失敗したのが、今までの人生の中での一番大きな失敗でしたね。進学校だったので、みんな当たり前に東京とか関西の大学に行ってたんですよ。関関同立、早稲田とか慶応とか。
その雰囲気に流されて、自分もそこを目指してたんですよ。行けるかなと思ってたら、最初から歯牙にもかけないっていうか、全然レベルが達してなくって。
受けたとこ全部落ちたんですよ。センターの点数を送れば合否が出るっていう滑り止めの地元の大学に入ったんですけど、ものすごい、自分なんて惨めなんだろうって思って。
qbc:はい。
アヤコ:もういいや、じゃあもう好きにやろうと思って。別に友達もいらないし、周りのことを気にせずに本当にやりたいことだけをやろうと思って、4年間突っ走った。
だから大学の間に海外も行きました。アメリカ1ヶ月ちょっと、カナダ2ヶ月。タイに1ヶ月間、日本語教員のインターンがあって生活とか。
いろんな価値観を広げるきっかけになりましたね。
qbc:あーなるほど。ほんと、うまく行きそうな気がしますね。挫折や多角的な視点、必要なものがそろってる。
アヤコ:ありがとうございます。最初は子供たちに何かをしたいと思ってたんですけど、noteって多いのは高校生以上ですよね。中学生以下は少ない。
だから、大人からなんとかしないとダメだと思って。
お母さんたちの不安感が、子供にも伝わるんですよね。お母さんが喜ぶことをしようと思うし、悪いことをすればお母さんに怒られるし。子供っていくら文句を言っても、親には喜んでもらいたいって思ってる。それが価値観っていうか、それでがんじがらめになって、お母さんたちも親たちも苦しんでいるから。
現場の人間としての意見で、それをほどいてあげたいっていう思いですね。
qbc:素晴らしい。子供自身は、変えてあげるとかじゃなくて、環境を整えてあげれば勝手に育つ。
アヤコ:そうそう。本当にそう。
qbc:生命力って本当にすごいから。
アヤコ:だから、「自分の子供の担任の先生がダメだったらどうしよう」なんて不安なのは大人だけなんですよね。子供は誰が担任だって、クラス替えの一瞬だけ。なんとか先生か大変だなって思うくらいで。
そんなに左右されない。担任ひとりごときで、子供の人生はそこまで左右されない。私はそう思っています。
qbc:先生と相性が良い時は引っ張られて伸びる場合はあると思うんですよね。先生がお手本になるってパターンですよね。でも、ダメで嫌いな先生だったら、従わないだけでそんな影響ないと思うんだけどな。
アヤコ:そうそう。今まで見てきた斜に構えた男たちに、子供がそんなに影響されるとは思えんなと思って。
qbc:この斜に構えた同僚、子供にもモテないんだろうなって。すごい強烈な批判ですね。
アヤコ:でもそうなっちゃう。全部ね、分かってるんですよ。大人も子供も。仕事のできない人は子供にもモテないし。
qbc:子供にモテない男は、女にもモテないって。
アヤコ:すごくて。中学生でもみんな言いますから。先生は、あの先生のこと嫌いでしょ、って。よくわかっとるなと思って。
qbc:大人と子供の視点の違いって、ないのかもしれないですね。
アヤコ:私、がんばって、子供を失敗させられる親になろうと思ってます。
qbc:失敗できる環境は大事ですね。未知の世界に不安でいっぱいの子供の背中を押してあげて、失敗しながらいろんな可能性を広げてあげるのは。
アヤコ:このまま進んだら頭ぶつけそうだなと思っても、がんばって何もしない自分になるろうと思います。
qbc:ありがとうございます。最後に、伝え忘れてしまったことはありますか?
アヤコ:最後。
qbc:そう最後に。
アヤコ:大人たちに伝えたいのは、未来は明るいぞって伝えたいですね。
やりとりしてた教え子の子と、こないだ電話をした時に、久しぶりに電話をしたんですけど。
そしたらなんか、将来の夢があってって言うから。どうしたのって聞いたら「俺、政治家になりたいんです」って言って。本当に真面目な子なんですよ。真面目で一生懸命な子で。その子が政治家になりたいって言うから。もうなんて素晴らしいんだろうと思って。
現場にいた時は、よく子供のダメなとこばっかり目について、その真面目すぎるところを指摘してたんですけど。これからはこの子供の方がもっと頼りになるんだなと思って、それを伝えたいなと思いました。
あとは、出版社さん、待ってますっていう。
qbc:出版社さんはアヤコさんのところに来ますよ。
アヤコ:ありがとうございました。長時間にわたり。
qbc:いえいえ。こちらこそありがとうございました。引き続きがんばってください。
アヤコ:はい!
あとがき
子供を生んだ経験。子供の通う学校に勤めた経験。学校で感じたコンプレックス。自由に行動した大学時代。
教師で感じたおかしさと失望。産休育休で感じた自由。世の中に対してこうしてあげたいと思う情熱。
そなわった素直さ。
こんなの何かを見つけるに決まってる。
今回はインタビュー中にぜんぶ詰まってない?
ITで銀の弾丸はない、って言葉があるんだけど、狼男を一発で仕留める銀の弾丸のような、生産性を劇的に上げる特効薬はないという意味。
でもこのインタビューを編集してる時に感じましたね。教育の分野にはアヤコさんって銀の弾丸があるんじゃん! て。
がんばれーアヤコさん!
編集協力:有島緋ナさん
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