見出し画像

うつ休職だけど元気に生きてる人

ラッパを吹いたことありますか? わたし、ありません。
ないんですよねー私qbcは、ラッパを吹いたこと。あーあーあ。わかりました、そうです、お察しの通り、今回はラッパとは関係ないインタビューなんですよね。ふふ。
そうです、うつで休職した方のインタビューです!
で、あれば、最初の呼びかけは、「みなさん、うつ病になったことがありますか?」であるべきですよね。
そんなことも、わからないのか、私は。
と、私なんて、こんなこともわからないのか私は、と思って落胆の日々です。
うそです、そういうことを思ってばかりの毎日ではなくて、いや一部は本当です。
正確には「こんなこともわからないのか私は」と思っているのは本当で、
「落胆」はせずにウキウキの毎日を過ごしているっていう性格です。
かくいう私もうつになって、そこからちょっとだけ我慢しなくなりました。まあでも我慢してた人が多少我慢しなくなっただけなので、そんなおおげさに我慢してるってわけではあないですよ。
はあ、台北いきたい。
選択と集中が大事なんだなと思います。
今日の無名人インタビューも、よろしくお願いいたします!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは 成美 さんです!

現在:成美さんって自分で気づいてるかわからへんけど、100ゼロやねって言われることが多いんですけど。

qbc:今何をしている人でしょうか?

成美:私は今、障害者福祉の現場で働いてて、新卒2年目なんですけど。
新卒1年目の時に縁もゆかりもない土地に移住をしまして、親戚もいないし友達もいない土地で。新卒1年目の4月に、もう就職のタイミングで移住をしてきて。
精神障害のある方が多く通っておられる施設で働いてるんですが、私自身が、今休職していて。

qbc:はい。

成美:元々持ってた精神科の持病で休職している状況で。今は復帰に向けて徐々にリハビリ的に働きに出たりしながら復帰に向けて頑張っているところです。

qbc:休職はいつ頃から?

成美:去年の秋からだから。9ヶ月前くらい。

qbc:今の現時点での調子はいかがですか?

成美:調子は良くって。リハビリ的に出勤していいよって言ってもらって出勤もしてるんですけど、ちょこちょこ。
昨日も今日も出勤してきて、1日働いて、でもすごく落ち込む感じではなく。普通に仕事してきて疲れたっていう感じの疲れです。

qbc:お病気の診断名はなんだったんですか?

成美:うつです。大学1年生のときに診断を受けて。でも症状自体は中学3年生ぐらいのときから多分あって。
自分がしんどいから他の人のしんどいを助けられる人になりたいと思って、障害者福祉を志したんです。
なんかもっと生きやすい世の中にできるはずだ、みたいな。壮大な志を持って就職したは良いものの、自分の体調と現実の業務内容とのギャップに心身ともに追いつかなくて、休職させてもらうことになって。

でも学生時代からずっと憧れてきた仕事に就かせてもらってるので、どうしても辞めたくはないんですみたいなことを施設長と話して、「利用者さんと同じ状況にいて、しんどいとか体の調子がうまくいかないみたいなことを感じているのは、強みにもなりうるから、うまくコントロールしていけるといいね」って言ってもらって。そうだよなと思って。
うまいこと自分をコントロールしながら、人のために働けないかと模索しているところです。

qbc:休職されたきっかけってなんだったんですかね?

成美:私、100かゼロの考え方をする人って言われてて。成美さんって自分で気づいてるかわからへんけど、100ゼロやねって言われることが多いんですけど。
私、他の人が何かをできてなくても大丈夫ですよとか言えるのに、自分に関してはこれもやれあれもやれ、これも完璧にやれみたいに思いこんでる癖があるらしくって。
その1ヶ月の間に、いろいろ業務が重なったんです。やらなきゃいけない締め切りみたいなのが三つ四つ重なってしまって。

本当は、それをチームで解決すればよかったのに。みんな忙しいだろうから私やるよみたいなことを言ってしまって、同期とかに。別の施設にいる同期の仕事を、私半分やるよみたいに引き受けるみたいなことをしていて。
そういう馬鹿なことをしていて、全部ぐちゃぐちゃになってしまって。
それから、町のボランティアみたいな、プロジェクトみたいな活動にも、地域の人として参加していて。
それで休職しますね、と。仕事がめちゃめちゃ忙しい時期に。

qbc:なるほど。ちなみに大学1年生のときに診断したきっかけって、なんだったんですか。

成美:中学高校がほとんど不登校状態で、でもギリギリで卒業したんです。それで大学では頑張るぞって思ってたんですけど、やっぱり体調を崩してしまって。
もう全部やるみたいに、全部完璧にやりたいみたいな気持ちになって、提出課題の締め切りに追いつめられて、それで体調を崩してしまったときに、家から出れなくなってしまって。
もう授業もいけないし、単位も落としてしまう、どうしよう、って。
お金が無駄になるし、でもしんどい助けて欲しい、ってなったときに、大学の無料で使えるカウンセリングルームに飛びこみで入って、助けてくださいって泣きついたんです。
そしたら、カウンセラーの先生に、いや、もうそこまでしんどいんだったらお医者さんに行きましょうって言われて。
そこで、お医者さん行けばいいんだって気づいて。そこで診断もらいました。

qbc:はい。

成美:薬をもらって復活したりしなかったり、調子の波もあったので、そっから徐々に調子が良くなってきて。
大学の単位もすごいギリギリだったんですけど、就職してもいいんじゃない? みたいな。むしろ一人暮らしして、ちょっと自分の時間がある方がいいんじゃない? みたいな感じだったので。
一人暮らしして就職し、好きな仕事で就職できた方が絶対後悔せえへんからって。
自分の現状でも働けるかどうかとか関係なく、自分の好きな仕事に就こうと思って就活しました。

qbc:お医者さんから、こういうことに気を付けたほうがいいよみたいなことは言われましたか。

成美:病気に関しては、なんだったんだろうな。
子供のときは、空気が読めない子だったんです、私。空気を読まずに、全部自分の言いたいことを言うみたいな子だったんですけど。だんだん大人じみてきた周りの中学生の友達には、なんかあいつって映ったらしくて。微妙に馴染めなかったんですね。

それで、私もしかして馴染めてない? って気づいたときに、友達がだんだん少なくなっていったというか、友達を自分から作らなくなって、そこに完璧主義も入ってきて。友達なんかいいやって思えてきて。
完璧主義の100ゼロ思考になってきて、お友達がいなくて一人でご飯を食べる生活になったりとかして、だんだん勉強も、難しいところとか相談できる友達がいないから追いつけなくなっていくし。
英語の小テストとか、一人で黙々と居残りするみたいなのが辛くて、それで不登校になっていきました。

qbc:なるほど。

成美:不登校になったときに、親と学校の先生が、なんで学校行かへんのよみたいな、
責めるような口調でいろいろ言ってきて、それで悪化したような気がしますね。

最初のきっかけは本当に些細なことやったと思うんですけど。もう人が信じられないとか、しんどいみたいなレベルになったのは、学校の先生と親かな。

 引っ越してきたときに、知ってる人が1人もいない土地だった

qbc:ご趣味は?

成美:これを言うと適当に言っとるやろって思われるのが嫌なんですけど、読書が好きで。読書と映画鑑賞って、適当に言ってそうじゃないですか(笑)

qbc:困ったときに選ばれがちですよね(笑)

成美:ほんまに本好きで。短歌とエッセイが。
あと映画はあまり見れてないんで、そこまで言わないようにしてるんですけど。こないだは「ガリレオ」を見たのと。最近Netflix契約したので、海外のワニが歌うやつとか。
あと「ショーシャンクの空に」が好きです。

qbc:ショーシャンクはどこが好きですか?

成美:最後、スカっとするような終わり方だけど、結局主人公は人を殺したのか殺してないのかが、結局はっきりしないところが、うん人間だなって思って好きです。でも、みんな納得させられちゃうあの演出の強さがかっこいいなと思って。

qbc:短歌はどんなのが好きなんですか?

成美:岡本真帆さんの「水上バス浅草行き」っていう歌集が最近出たんですけど。
平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ」っていう歌があって。
ビールに夏を見せるって最高だなって気持ちになれて。
「ごらんよビールこれが夏だよ」って言いながら、入道雲の下でビール飲みたくないですか?

qbc:そうですねー。なんだろ、さんざんやったな、て感じですねー。
短歌は、どういうところが好きですか?

成美:短さの中で、こんなにも言いたいことが伝わることってあるんだって思って。
三十一文字しかないんですよ。五七五七七だから、三十一文字。三十一回しか発音してないのに、言いたいことが100文字くらい伝わってくるって思ったのが、最初読んだときの感情で。

qbc:短歌自体を知ったきっかけは?

成美:社会調査とかを福祉だとやるんですけど、授業でドキュメンタリーの映像を見せてもらったんですよ。調査方法としてドキュメンタリーみたいな密着の方法があるよって。
私はそのドキュメンタリーの方法よりも、内容に引かれてしまって。
それがセーラー服の歌人の鳥居さんっていう方のドキュメンタリーだったんです。
すごい壮絶な人生を歩まれていて、その人生を全部詰め込んだみたいな歌集を1冊出されてるんですよ。こんなしんどい人生を歩んできた人が、どんなことを短歌にしているのか見てみたいと思って手に取ったら、どハマりして。
すごいしんどいんですけども、三十一文字の繰り返しなのに、3本くらい映画見たくらいのしんどさがあるんですけど。

qbc:なるほど。

成美:すごくそれにはまって、そこから短歌が好きになりました。

qbc:なるほど。エッセイはどういうきっかけでしたか。

成美:星野源のエッセイが好きで。
星野源は音楽と演技だけじゃなくて、書くこともするんです。私、星野源のエッセイ全部持ってます。

qbc:内容は、どんなのを書くんですか?

成美:本当にくだらないことを書いててね。一番私印象的だったのは、コインランドリーで洗濯物を放り込んで、外に出て乾燥まで終わっただろうって戻ったら、ドラムの中にブラジャーが入っていると。
僕が入れたはずないのにどうしようみたいなことをえんえん書いてるエッセイが、しょうもないんですよ。でもそのしょうもないことを楽しめる気持ちと、それをとてもわかりやすく言語化する力がすごくて。

qbc:ところで、今話していて、これも話しておきたいなというトピックってありますか。

成美:私が引っ越してきた移住のことをちょっと喋ってもいいですか。
去年の4月です、1年3ヶ月くらい前。私、大学卒業するまで不登校だったりしたので、お友達もいないし大学も常に一人で授業を受けて、ご飯食べて帰るみたいな感じで。
でも調子が悪くなる前、小学生のときとかはめちゃめちゃ友達いたタイプなんですよ。12歳ぐらいまですごく友達多くて、やりたいこととか思ったこととかもう何も考えずに口に出すタイプだったのに。

それで、引っ越してきたときに、知ってる人が1人もいない土地だったので、まず知り合いを作ろうと思って、いろんなところに行ってみたんです。町に開かれてるカフェとか、人が集まりそうなところ、イベントとかに顔出ししてみたら、結構知り合いが増えて
私、成美って名前なんで「なるちゃん」って呼んでもらったんですけど、「なるちゃん」って呼んでもらえることがすごく増えて。かなり顔見知りが増えたんですよ。

qbc:なるほど。

成美:私と知り合ってくれた人たちは、みんな、社交的な、ちょっと憧れるようなキラキラした人たちで、やりたいこととか自分の思ってることをちゃんと口に出してるなっていうのが印象的でした。
しかも、他の人とか相手のこととかおもんぱかるんですけど、相手にするのと同じくらい自分のことを省みている、自分のことを大事にしてる。
だから、すごい感銘を受けて、やりたいことを言っていいんやって気づいて。なるちゃんもやりたいことあるなら、言ってみたらいいよ、叶うよ、みたいな。
ノリで結構言ってもらえるので、私もみんなで短歌をよむ会をしたいですって言ったら、ほんまにそういうイベントを作ってくれたりとか。みんなでご飯食べたいって言ったら、日程調整しようみたいな。
おかげで、今すごく元々の楽しいことが好きだった自分に戻れてるなっていう感じがあって。

qbc:はい。

成美:だから仕事でしんどくても、実家に帰ろうと思わなかったというか。
実家からは仕事しんどいなら帰ってきなと言われてたんですけど、いや帰らないよ、みたいな。私ここでやりたいことしてるし、やりたいこと他にもあるって言ったらやりなよって言ってもらえてるし、就きたい仕事にも就けてるし。
帰る理由がなくって。
どんだけ体調悪くても、実家には帰らないなって思いました。

qbc:でも、そんな良い環境にいたけれども、ここで休職に入っちゃうわけですよね。

成美:それは、休職しても戻れるって信じて休職してるので。職場の人も精神障害とか精神疾患に理解のあって。私の病気のこととか伝えても、戻って来られるように考えようみたいな感じで言ってくださって。
私の戻りたいという意見を尊重しつつ、今の状態では戻るの厳しいからどうしたらいいかな考えようみたいにしてくださる職場で。だから私も戻る前提で休ませてくださいって言えたし。
もちろん早く職場に戻りたいしお金もないし、生活的にはすごい重いことなんですけど。やれることをやれるときにやりたいようにやればいいよみたいな、そんな感じの人たちが多いです。

qbc:地域全体が、優しい感じなんですかね。

成美:レストランみたいなところで、ご飯振る舞いますみたいなイベントが結構あって。そういうイベントにふらっと行くと、必ずいつもいる人がいて。その人が紹介するよみたいな感じで、人と人を繋げていってくれて。それが楽しいです。

過去:保健室の先生だけが、保健室に行くと「ここにいな」って言ってくれる

qbc:過去過去。子供の頃はどんなお子さんでしたか。

成美:小学6年生ぐらいまでは自由奔放というか。でも、親の言うことも聞きながらやりたいことはやるみたいな、いい子やったんですね。理想的な子供だと自分では思ってて。

習い事を、多いときは週に五つか六つやってたのかな。空いてる日も、必ず友達と遊ぶみたいな。なるちゃん、何曜日空いてる? みたいな。ごめんその日はピアノの習い事があって木曜日なら空いてるみたい、木曜日遊ぼう、っていうのが毎週あるみたいな感じで。

qbc:なるほど。

成美:幼なじみともずっと遊んでたし、幼なじみ以外ともずっと遊んでたし。友達も多くて勉強もできたのでテスト100点が当たり前な小学生で、自分に自信があって、運動以外は全部できるみたいな。

それで、友達が中学受験をするって言ったんですよ。なるちゃんも頭いいし、受験するよね、みたいな感じで言われて。私、中学生になるのに受験がいるんかレベルの知識しかなかったんですけど、お母さんに、中学受験というものがあるらしい、私はそれをするらしいみたいな。
親はすごいびっくりしてたけど、やりたいならやればっていう感じでやらせてもらって。倍率が5倍くらいの学校に受かったんですよ。自分の小学校からも何十人も受けてるけど、3人しか受からなくて、私はそのうちの1人になって。
もうそこで天狗になってました。

qbc:はい。

成美:でもその中学受験の後からが大変です。
人間関係が急に狭くなったんですかね。
元々一学年120~160人くらいいる小学校から、一学年80人くらいの中学校に進学して、しかも同じ小学校が私含めて3人しかいなかったので。

県内一難しい中学で、県内いたるところから生徒が通ってきていて、もうみんな家がバラバラやし。
あとそうですスマホも流行ったんですよ。でも私、ガラケーで、スマホを持たせてもらってなかったり、LINEも入ってないから、やり取りがみんなより遅れてしまったり。
友達もいないから頑張らなきゃと思って、いろいろがんばったつもりなんですけど、性格的に馴染めなくなってしまって。

qbc:ちなみに、このときにそういった悩みを相談できる相手っていうのはいらっしゃったんですか?

成美:お母さんしかいなかったんですよ。一番仲良かった友達が別の中学に行ってしまったもんだから。あんまり連絡を取らなくなったり、相談しても内容わからへんし。お母さんに対しても。思春期に入って親に相談するのも恥ずかしくなっていって。
それこそほんまに相談相手がゼロになってくる中で、学校行きたくないってなったときに、親はなんで学校行かないのって怒って。先生からも言われるし。
保健室の先生だけが、保健室に行くと「ここにいな」って言ってくれるみたいな。

qbc:なるほどねえ。

成美:だからといって、今、親と仲が悪いかと言われれば全然そんなことはなくて。
でも、そのときはめっちゃ嫌でしたね。しんどいからしんどい、みたいな感じで反発してたんですけど。だんだん私も病状が落ち着いてきたり、親も付き合い方がわかってきたみたいで。
私も、自分の状態とか感情をだいぶ言語化できるようになったし。親もそれを理解してくれるようになってきたし。
なので、今は私が一人暮らしで大変なんだろうけど、回復するのを祈ってるよって言ってくれるまでの関係になっています。普通にLINEして、今日のMステがどうのこうのって話をするくらいに。

qbc:そのほか、過去の中で話しておきたいエピソードあります?

成美:ピアノの習い事のこと。ピアノやってたんですよ。
音楽教室に2歳から通ってて、ピアノを弾き始めたのは5歳からなんですけど、2歳の音楽教室のときから19歳まで、17年間ずっと同じ先生に習ってたんですよ。

qbc:おおー。

成美:先生の新卒くらいから私の担当になってくれはって、そこから17年間。
その先生が結婚して出産で産休入って子供が生まれて、子供さんが小学校入るくらいまで、私は見てて。
私はその先生を、親より信頼してる、みたいな時期はありました。

学校がどんだけしんどくても、自分のこと知ってくれて理解してくれてる人が、ピアノの先生だったりとか幼なじみだったりとか、味方してくれてるとはずっと思ってました。

未来:恋人と二人で焼肉行って、嘘みたいな値段を支払って帰った

qbc:未来について聞いていきたいんです。未来ってどういうイメージをお持ちですか。

成美:実は今、恋人と同棲を始める準備をしてまして。
恋人とどう生活していこうかみたいなことに頭が向いていて、多分この人と結婚するし、多分この人が最後の恋人になるんだろうなと思っていて。人生の転機みたいな気持ちで。

qbc:なるほど。

成美:その人と出会うまでは、地域の中でいろんな人と知り合ってご飯食べて、仕事もしながらフラフラ遊び回って友達と仲良く過ごして、みたいに思ってたんですけど。
この人、人生で多分ずっと一緒にいるんだろうな、一緒に生活してくんだろうなって人ができると、その人の人生もあるじゃないですか。
その人がやりたいこととかも考えてあげたいから。私のやりたいこと、例えば今の家にずっと住み続けるとか、なんかちょっと。
人生設計考え直しみたいな時期です。

qbc:いつから付き合ってるんですか。

成美:3ヶ月前から、

qbc:どんな人ですか。

成美:面白い人です。高卒で自衛隊に入って、その後、海外をフラフラ飛び回って、地元に帰ってきて、今工場勤務っていう。ちょっと経歴がいろいろある人で、ちょっと年上

qbc:その方は成美さんにとってどんな存在ですか。

成美:何かほっとするというか。なんだろう、優しいし。ちょっとしたことで大きいリアクションを取る人で、このご飯美味しいみたいなこととかで。
私が今日薬飲み忘れへんかったよって言ったら「偉いね」みたいなことを言ってくれる人で。
自己肯定感とか、その、幸せレベルが爆上がりするんですね。私一人やったら、今日一日やっぱりしんどいことあったってなりがちなところを、頑張ったよねって言ってくれて、気持ちをキープしてくさせてくれる人で。すごい気持ちが助かるというか。

qbc:それは、彼に伝えてますか?

成美:伝えてます。そういうポジティブなところが好きだよって。

qbc:それで彼はなんて答えましたか?

成美:自分は元々能天気で楽観的な人間だからって言ってます。

qbc:なるほど。なぜ、成美さんの性格は完璧主義なんですか。

成美:なぜでしょうね。
でも、さっき小学生のときに、100点を取るのが当たり前みたいに言ってたじゃないですか。それやと思うんですよ。
100点か99、98点ぐらいしか取ったことがなくって。そうしたらがあまりにも100点が続くものだから、100点じゃないと褒めてもらえないようになっていっていって。
本当は、他人に適度に甘く、適度に自分に厳しく、くらいがいいと思うんですけど。私は自分に甘い嫌な奴になるくらいだったら、自分に厳しく、他人に甘くしたほうが、周りからちゃんとした人間に見られるなって思って。

qbc:自分自身を説明すると、どんな人だって思いますか。

成美:結局、自分のことが好きなんだと思います、どんだけうつでも。
自分のこと好きで、自分のこと全然嫌いじゃなくて、自分を大事にしたいから、自分にとって全部得になるように、周りをポジティブに変換したくなってるんじゃないかなって思います。

qbc:自分は何かを成し遂げる人だと思いますか。

成美:いや、思ってないです。私は、私がなりたいのは、主で動く人じゃなくてサポートで動いてる人にすごく憧れるので。班長より副班長に。部長よりも主任に。

qbc:いつから、そういう感覚でしたか。

成美:小学生くらいのときから。
子供のときから、裏方とかしてピアノの伴奏でも、左手とか好きで吹奏楽部でも、低音楽器やってて。全然花形じゃない楽器が結構好きでやってて。
花形じゃないけど必要みたいな役になりたくって。だから、福祉の、他の人の人生をそばで支えるっていう仕事に就いたんですけど。
だから、成し遂げるよりかは、成し遂げるところにいる人になりたいです。

qbc:恋人とも、そういう関係ですか。

成美:恋人も、似ているタイプです。自分のやりたいこともあるけど、他の人が喜んでる姿を見るのも好きみたいな。私も彼が喜んでるのを見るのが好きなので。
お互い優柔不断やし、お互いが最後の1個食べないよで言いあうみたいな
例えば将来どんな家に住みたいかが彼と私とで違ってたら、あなたそれがいいんでしょう、これをやめてそっちにしようよとか、お互い譲りあうと思うんです。
けど、今は奇跡的にそれが一致してるので、喧嘩にならずで良かったね、お互いにやりたいことがすんなり叶うね、みたいな感じで話してます。

qbc:もしもの未来っていう質問をするんですよ。
今の幸せに、もっと心の充足をもたらすためには、何が必要だと思いますか。

成美:一週間、お互いの休みがかぶさること。お互いシフト制なので、休みが合わないんですよね。休みがかぶさったら、海外旅行に行きます。

qbc:なるほど。

成美:彼が英語を喋れるので、もう彼に全部案内してもらって。私、行きたいところをいっぱいピックアップして、みたいな。旅行がしたいです。

qbc:最近、一番楽しかったことはなんですか。

成美:こないだ、恋人と二人で焼肉行って、嘘みたいな値段を支払って帰ったこと、です。
四人で食べましたか、みたいな値段を払って帰りました。
でも大丈夫大丈夫、記念日だから大丈夫って言いながら、二人で酔っ払って帰ったことですかね。

qbc:メニューの値段、見てなかったんですか。

成美:ぱっと見たくらいで。盛り合わせのセットを一つ頼んで、何か珍しい部位があるね、追加で頼もうとか言いながら、いろいろ食べて。これ軟骨だって、とか言いながらちょっとずつ頼んでいったら、予定してた金額を大幅に超えてしまって。お酒も結構飲んでて。
飲んで食べてお腹もいっぱいでしんどいってなってたけど、お会計の値段見て目が覚めました。

qbc:なるほどー。特徴的ですね。そのエピソードって、「楽しい」じゃなくて、「最低なこと」ってラベルで記憶されてもいいじゃないですか。
カップルによっては、落ち込んだり、お金めっちゃ払ったって喧嘩する場合もあると思うんですよ。
それを「楽しい」って思ったのはなんでなんですかね。

成美:私は元々はポジティブなんですよね。人生は楽しいほうがいいので。小学生のころはなんでもできるって思ってたし。
病気になってからは、より意識的にポジティブに物事を変換しようとしてるので。
その日は、お金払ってやばってなるまでの2時間くらいが、はちゃめちゃに楽しかったので。あの楽しさがあるなら、この四人分の金額も二人で払える、みたいな。

qbc:なるほど。それでは、最後に言い残したことがあればお伺いしております。

成美:人生いろいろあるけど、元気に生きてる女もいるんで大丈夫です!

qbc:ありがとうございます!

あとがき

こんばんは。いやこんにちは。それともおはようございます?
うつになったことは、今振り返るとすごくいい経験だったなと思ってまして。人は生きていてもダメな状態になる、そして復活する、ということを知ったからです。
生きていてもまるで生きていない状態になるんだなというのを知りました。だから道をすれちがう誰かも、実はゾンビなのかも? と思っています。
復活する、というのも良い勉強でした。うつ、治ったかも、ていうのは10年くらいたってからなのですが、ふつうに日常の社会人生活を7年も8年も過ごしたあと、ああ私はうつだったんだな、と思う日が来たんです。
ふっと、とつぜん、自分の部屋でyoutube見てたら。
で、それが週に数回思うようになって、そうだよな、そうだよね、と自己対話をくりかえすうちに、その発想もあまり出なくなり、何かで「うつ」を見たときに、そんな変化があったことを思い出すだけです。
ああ、あともういっこ、いい経験要素ありましたね。同じ状況の人に、話すことができる。これは父親が早死にしたときも同じでしたね。
次回の無名人インタビューもよろしくお願いいたします。

【インタビュー・文字起こし・編集・あとがき:qbc】

#無名人インタビュー #インタビュー #自己紹介 #うつ #社会福祉

マガジンで過去インタビューも読めますよ!

インタビュー参加募集!


この記事が参加している募集

#自己紹介

229,289件

いただいたサポートは無名人インタビューの活動に使用します!!