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アブハジアワイン輸入企画の件について

2014年スフミ 筆者撮影

はじめに

今回、アブハジアワインの輸入をCAMPFINER様のクラウドファンディングで支援者を募ったところ、在日ジョージア大使館を始め、Twitter上で様々な反応がありました。大部分が批判的内容だったこともあり、炎上を防ぐ目的でアカウントに鍵をかけ対応しました。
また、クラウドファンディングはCAMPFIRE様の判断により、取り下げとなりました。(CAMPFIRE利用規約第13条4項 なお、クラウドファンディングは投稿者の都合で通常公開後の取り下げは出来ません。)
今日まで私共の立場を表明出来なかった背景は、大使館への2度の文書送付(第1報6/1付け6/2発送6/3投函・第2報6/14付け発送/6/15投函)や、一連のツイートに対しての法的措置等の検討を弁護士に相談し対応を協議していたためです。(大使館に送付した書面の内容は、原則非公開の予定です。)
最後に、ウクライナ戦争の最中ですが、私共は当初から全ての戦争に反対の立場であることを改めて表明します。
今回の件で、Twitterでのコメントに私共に対する誤解もありましたので、この場をお借りして、ご説明させて頂ければと思います。

なぜアブハジアなのか

アブハジアワインの輸入を説明する前に、私とアブハジアの出会いから話を始めます。
クラウドファンディングの内容を見て頂いた方はご存じかもしれませんが、最初にアブハジアを訪問したのは、今から約8年ほど前の2014年夏でした。
当時私は学生で、マイナーな地域を旅することをモットーに、ジョージア(グルジア)を訪問しました。実は前年の2013年にもジョージアを訪問していたのですが、その時は日程の都合上アブハジアへは足を延ばせなかったのです。
2013年ジョージアを旅し、ジョージア料理やワインに出会った私は、翌年の2014年に再度ジョージアを訪れ、その延長線上で前年訪れることの出来なかったアブハジアに初めて訪問したのです。
私が現地で感じたことは、ジョージアに劣らずアブハジアの人々の旅人に対するもてなしはもちろん、現地のアブハジア料理やワインのクオリティーの高さに、可能性を見出したのでした。

その後2回のアブハジア訪問

アブハジアへはその後2015年の春と2017年の夏に訪問し、計3回の渡航となりました。特に2015年の訪問時には、現地のアブハズ人と知り合いホームステイをさせて頂いたり、2017年の訪問時には前回ホームステイした家族との再会を果たしたりと、私の人生において充実した思い出となりました。

2015年 ガグラのビーチ 筆者撮影

2021年夏から準備

最後のアブハジア訪問から4年ほど経過し、ジョージアの日本国内での知名度や人気が上がるにつれ、日々の生活の中でもジョージアに触れる機会が多くなりました。その中でやはり私の中には、「アブハジアの料理やワインも日本に紹介してみたい」との思いが強くなったのです。
ワインを輸入販売するための情報収集やワイナリーとの交渉だけでなく、酒販免許の取得などにも多くの時間や費用を費やし、準備期間を含めると酒販免許を取得するのに4か月ほどかかりました。
そして、年明けしばらくするとワイナリーから「春にはワインの瓶詰めを開始できる」と連絡があり、大変期待していました。
しかし、2022/2/24に始まったウクライナとロシアの戦争により今回の輸入はもうだめかもしれないと諦めかけていました。
ただ、ここで諦めてしまったら次は無いかもしれない。ここのような情勢だからこそ、政情不安な地域の文化をワインやアジカを通じて世に広めることが必要なのではないか、といった私の信念もあり、リスクを承知で輸入に踏み切りました。
税関や検疫所等に輸入に関する問い合わせをしたり、日々ロシアへの経済制裁が強くなり、制裁の内容に今回の輸入が抵触するのではないかという懸念もありましたが、今日までアブハジアに対する日本独自の制裁は行われていません。

ジョージア大使館への事前連絡

今回の輸入の件で、事前にジョージア大使館への連絡をするべきか、クラウドファンディングの公開直前まで迷いましたが、結論から申し上げますと事前に大使館へは連絡を行いませんでした。
理由として、

1.海外と取引をする際に、事前に当該国の大使館へ連絡や事前相談をする義務はないため。

2.ジョージア・アブハジアを何度も訪れている私も、この地域の政情不安は肌で感じる場面は多々ありました。
例えば、ジョージアとアブハジアの境界を越える時の緊張感は3度訪れても慣れることはありませんでした。
アブハジアや南オセチアのジョージアの主権は日本を始め国際的に広く認められていることは事実ですが、現実問題として行政権はロシアの支援の下、地元政府がコントロールしているのが実情です。
したがって、ジョージア大使館へ事前に相談をしても協力を得られないばかりか、取引を中止するよう警告されるデメリットの方が大きいのではないかと考え、事前に相談はしないという結論に至りました。
因みに、ロシア大使館への連絡も一切しておりません。

ジョージアの分離地域アブハジアと南オセチア問題について

正直な所、アブハジアワインやアジカを通じて現地の文化を世に伝え広めたいというのが今回の輸入事業を企画した動機ですので、政治や歴史的観点からこの問題を論ずるのは、あまり気が進みません。
(なお、当地の詳細な地政学的見地は専門書を参考にしていただければ幸いです。)
しかし、当地を訪れた日本人として現状を鑑みるに、日本国内の世論がこの分離地域に対する認識がジョージア政府の公式見解一辺倒になってしまうのは、フェアではないのではないかとも考えています。
特に2/24以降の社会情勢を鑑みると、本来は複雑な歴史的経緯や事情が絡み合う問題を「善対悪」「敵・味方」のようなシンプルな構図になっていることも、今回のクラウドファンディングに対するTwitterでの否定的なコメントを拝見した感想です。
少しだけ簡潔にご説明させて頂きますと、ジョージアの国内問題として捉えた場合、これは少数民族の民族自決問題に直結すると考えます。
南オセチアの人口は約5万人、アブハジアの人口は約24万人、そしてジョージアの人口は約370万人です。
人口の少ない南オセチアやアブハジアから見てみれば、人口370万人のジョージアは十分大国であり、自らの安全保障を考えたときにロシアに支援を求めるのは、当然の結果かもしれません。
(※なお、現在の南オセチアやアブハジアに住んでいるジョージア系住人は当地で少数派となっており、彼らの権利や当地の主要民族との格差があることも事実です。また、ソ連崩壊後の91年から93年に勃発したアブハジア紛争や第一次南オセチア紛争、2008年のジョージア紛争で故郷を追われたジョージア系住人の帰還問題があり、これらの諸問題はまた別に論じる必要があります。)
また、南オセチアとアブハジアの両者の決定的な違いは、ロシア連邦への編入意思があるかどうかにあります。
南オセチアはオセット人を中心とした地域で、カフカス山脈を北に越えるとロシア連邦を構成する北オセチア共和国があり、こちらも南オセチア同様オセット人が大多数の地域です。
南オセチアがロシアへの編入を希望しているのは、同胞の北オセチア共和国との統合を求めているからです。
アブハジアは、ロシアからの経済支援や安全保障を感謝こそしていますが、ロシアへの編入は望んでいません。あくまでジョージアからの独立を求めているに過ぎないのです。

http://www.maps-of-the-world.net/maps-of-asia/maps-of-abkhazia/より

世界銀行 ジョージア 人口 https://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.TOTL?locations=GE
Population Date Net Abkhazia
https://en.populationdata.net/countries/abkhazia/
Population Date Net South Ossetia-Alania
https://en.populationdata.net/countries/south-ossetia-alania/

さらにここ100年ほどの歴史を紐解くと、ジョージア側がオセット人やアブハズ人に対しジョージア語の強制や自治権の廃止等強硬手段を取ってきた経緯や、2008年のジョージア紛争では開戦前に南オセチア側から度重なる挑発行為があった事実があるにせよ、開戦の直接の原因はジョージア側の先制攻撃にあります。
(どちらが悪いという意味ではなく、あくまで事実関係です。)
このような時系列を振り返り、ジョージアからの独立求めるアブハズ人やオセット人の立場から考察すると、果たしてジョージア政府の信頼醸成プロセスは信用できるのか?諸外国、特に所謂西側諸国への分離地域のジョージアへの帰属を求める宣伝活動は結局のところ、自分たち少数派の立場を顧みていないのではないかと疑念が生まれるのはごく自然です。
詳細は参考資料も掲載しますので、興味のある方はご自身でお調べ下さい。
(※ロシアはまた、南オセチアとアブハジアを自国の勢力圏に収めることで、南カフカス地域に影響力を与える狙いがあります。南オセチアとアブハジアの住人の約9割が自国のパスポートの他ロシアのパスポートを所持しており、2008年のジョージア紛争で軍事介入した理由に「自国民保護」を掲げています。ただし、当地の住人がロシアのパスポートを取得する理由の一つは未承認国家のパスポートでは海外への渡航がままならないため取得しているケースが大半と思われます。)

代表なき国家民族機構 UNPO アブハジア
https://unpo.org/members/7854
コーカサスの紛争 ゆれ動く国家と民族: 
東洋書店新社 富樫耕介 著
コーカサス国際関係の十字路
集英社新書 廣瀬陽子 著
未承認国家と覇権なき世界
NHKブックス 廣瀬陽子 著
コーカサスを知るための60章
明石書店 北川 誠一  著 前田 弘毅  著  廣瀬 陽子  著  吉村 貴之 著
グルジア戦争とは何だったのか
東洋書店 大野 正美  著  ユーラシア研究所ブックレット編集委員会  編集
2008年7月欧州議会決議
https://www.europarl.europa.eu/doceo/document/TA-6-2008-0253_EN.html?redirect

主な参考資料

大使のTwitterでの指摘について

ここから、ジョージア大使のTwitterでの指摘について一つずつ回答し、ご説明します。

ジョージア大使の最初のツイート 画像の一部は修正しています。

A:ジョージア国内法の「被占領地域に関する法律」については、私も以前から承知しており、だからこそ過去のアブハジアへの渡航は全てジョージア側から入域しました。
また、今回の輸入は既にワインやアジカのサンプルをジョージア側から輸送する手段を整えています。
ただ現実問題として、ロシア=アブハジア間やロシア=南オセチア間の越境や経済活動は現地住人の生活もあり公然と行われていることも事実であり、法的・主権的観点だけでなく、貿易的観点から輸出入の問題を貴国内で議論することも必要ではないでしょうか?
さらに、同法では外国国籍者や無国籍者のアブハジア・南オセチアへのロシアからの立ち入りを違法とみなしていますが、アブハジアや南オセチアで生活する住民の約9割がロシア国籍である現状からすると、将来ジョージアが当地の行政権を回復した場合、外国籍であるロシア国籍を持つ彼らの扱いが懸念されます。

原産地証明書について 画像の一部は修正しています

A: 大使を始め多くの人が誤解していますが、「原産地証明書」の所轄税関への提出はあくまで「特恵関税制度」の適用を受けたいときに提出するもので、適用を受けずに通常の関税率の適用を受ける際は税関に求められません。
つまり、原産地証明書の提出は義務ではありません。
なお、ジョージア産のワイン等の特恵関税制度の適応を受けたいときは、ジョージアの「Chamber of Commerce and Industry of the Autonomous Republic of Adjara」または「ジョージアの税関当局」が発行する原産地証明書のみが有効です。
したがって、アブハジア産のワインはジョージアで原産地証明書の発行を受けることが出来ないため、日本に輸入する際は通常の関税率となります。

所轄税関の回答 画像の一部は修正しています。
なお、所轄税関の詮索・抗議等はお控え下さい。
工作員の疑いをかけられたツイート

A: 当然のことですが私は貴国を何度も訪れている一人の日本人で工作員等ではありません。
過去のアブハジアへの渡航は全てジョージア側から入域しています。
全く事実に反しており、強い遺憾を表明します。
必要であればパスポートの情報を貴大使館へお送りします。
過去の渡航歴が分かるはずです。

大使が根拠なくこのようなツイートを発信したのは、恐らく炎上を狙い私共やクラウドファンディングを攻撃する意図があったと推察します。
しかし私共は、炎上を防ぐため一切反応をしませんでした。

ジョージア大使の一連のツイート後の私共の対応

6月1日の大使の一連のツイート後、在日ジョージア大使館宛に私共の立場を表明し、過去アブハジアに3度渡航し当地の文化やホスピタリティに触れ強い感銘を受けたことが今回の輸入企画の動機であり、事実に基づかないツイートを訂正するよう要望した文書を送付しました。
(第1報6/1付け 6/2発送 6/3投函)
しかし、6月14日まで待ちましたが直接のご返事がなく、再度私共の立場を表明し、さらにツイートの削除は求めず、ただ私共の考え(アブハジアワイン・アジカの輸入目的はアブハジアの文化の日本への紹介が目的)を理解して頂きたい旨を記載した文章を送付しました。(第2報6/14付け発送 6/15投函)
結果的には、本日(2022/7/1)まで返事を頂くことはありませんでした。
内容は「親展」で大使館へ送付していますので、原則非公開です。
また、弁護士事務所に今回の件を相談した結果、大使ご本人への直接の法的措置等は現時点では取らないこととしました。

信用毀損罪
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
                             刑法233条
偽計業務妨害
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
                             刑法233条

ネットの誹謗中傷|信用毀損罪・業務妨害罪の被害者になった方へ
atomfirm.com/sakujo/40058

理由は、ご存じの方も多くいらっしゃるとは思いますが、外交官にはいわゆる外交特権があります。代表的なものは不逮捕特権、公館不可侵、公文書等の書類の不可侵、通信不可侵などです。
これらは外交関係に関するウィーン条約で定められており、民事責任については第31条に明記してあります。
大使の一連のツイートは、私共からしてみれば手段はともかく、自国の国益を考えての行動だったと理解しています。
ただ、このツイートに便乗し憶測で私共の意図を曲解し「ロシアの偽装工作」「ハイブリット戦の一環」「マネーロンダリング」「ロシアへの資金提供」等の謂われなき誹謗中傷を拡散したり、私共の個人情報を詮索したりする動きは断じて容認出来ません。
(CAMPFIRE様への不当な不買運動も同様です。)
今後、根拠なき誹謗中傷を始め私共の個人情報等を詮索し、かつ公に無断で公開したり、精神的身体的危害を加えるような動きを把握した場合、所轄警察署への被害届はもちろん民事訴訟等法的措置を取る事を検討しています。
(なお、この一連に関わるツイートは内容の是非を問わず全て画像等の手段で保存しております。)
聡明なTwitter界隈の皆様はそのようなことをなされないとは思いますが、私共も日本で暮らす日本人の一員であり、日々の平穏な生活を営んでおりますのでご理解下さい。

第三十一条
1 外交官は、接受国の刑事裁判権からの免除を享有する。
外交官は、また、次の訴訟の場合を除くほか、民事裁判権及び行政裁判権からの免除を享有する。
(a)接受国の領域内にある個人の不動産に関する訴訟(その外交官が使節団の目的のため派遣国に代わつて保有する不動産に関する訴訟を含まない。)
(b)外交官が、派遣国の代表者としてではなく個人として、遺言執行者、遺産管理人、相続人又は受遺者として関係している相続に関する訴訟
(c)外交官が接受国において自己の公の任務の範囲外で行なう職業活動又は商業活動に関する訴訟
2 外交官は、証人として証言を行なう義務を負わない。
3 外交官に対する強制執行の措置は、外交官の身体又は住居の不可侵を害さないことを条件として、 
1(a)、(b)又は(c)に規定する訴訟の場合にのみ執ることができる。
4 外交官が享有する接受国の裁判権からの免除は、その外交官を派遣国の裁判権から免れさせるものではない。

https://www1.doshisha.ac.jp/~karai/intlaw/docs/diplomat.htm

(名誉毀損)
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
                            刑法230条1項
(侮辱)
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
                             刑法231条
(信用毀損及び業務妨害)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
                             刑法233条
(脅迫)
第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
                                刑法

【ネットの誹謗中傷】弁護士が解説する法的責任の追及方法
https://atomfirm.com/sakujo/40127

皆様

今回のアブハジアワインのクラウドファンディングをジョージア大使館側からの抗議や不当な不買運動で中止を余儀なくされましたが、私共としてはアブハジアワインの輸入を諦めたわけではありません。
輸入ルートについて様々なアプローチをしています。
また、ジョージア大使館や大使のツイートや声明等は全てジョージア政府の公式見解であることを忘れてはなりません。
大使は外交官の立場でツイートしています。
つまり、政府の公式声明ですので、主義主張は違えどある意味ではロシア大使館や政治家のツイートや声明と種類は一緒です。
したがって、少数派の当事者の意思が必ずしも反映されいない可能性や不都合な真実には反応を示さない場合があることに留意して下さい。
また、北方領土問題や竹島問題等日本だけでなく世界には様々な領土問題や少数民族の独立問題がありますが、今回のアブハジアの件と安易に一緒に捉えたりするべきではないと考えます。
すべての問題はケースバイケースであり個別に解決していかなければならないのです。

ジョージア大使館の方々へ

今回の件につきまして、事前に貴大使館に相談や連絡を行わなかったのは私共の落ち度であったことを書面でも既に表明しましたが、再度この場を借りてお詫びします。
しかしながら、直接連絡を頂けず公の場で国家の立場を主張し、アブハジアの文化を日本へ紹介する目的でアブハジアワインの輸入を企画した私共を、貴国を攻撃する政治目的であるかの如く吹聴し貶める行為があったことは甚だ遺憾です。
また、6月に貴大使館に2度書面をお送りしたのに、今日まで直接お返事を頂けず私共の立場をこの場で表明する結果になってしまったのは、貴国を敬愛する私共にとっても本意ではなく、誠に残念至極です。
最後に、私共の認識として大使館とは駐在国との親善を図る目的で設置されているのであり、駐在国の企業や個人が自国の立場や利益に反する動きを行い、それ対して大使館や駐在員が直接当事者に抗議をすることはあっても、駐在国の法の下での合法的な活動を妨げて良い理由にはならないはずです。
今回の一連のツイートは私共に対する抗議ではなく、日本国内での合法的な商業活動を阻害されたと受け止めております。
また、私共のアブハジアワイン輸入について事実と反する内容のツイートを引き続き掲載する理由について、私共としては貴国・貴大使館が自国の利益になり得るならば事実を捻じ曲げて公表・発信しても良い、と考えているのではないかと疑わざるを得ません。
即ち、まさにこれこそ「情報工作」の一環であるのではないでしょうか。

外務省の方々へ

今回の件でジョージア大使館から正式に抗議があった事について、私共のアブハジアからの輸入企画が原因となったこと、この件について多忙の中対処に労力を割いてしまったことについて、私共としてはこのような結果となってしまい申し訳ありません。
日本とジョージアの関係や現在のウクライナ情勢等で難しい判断を幾多も迫われていることと思いますが、私共はアブハジアを政治的立場ではなくその土地の文化や風習に敬意を払い、日本に紹介する目的で輸入企画を立ち上げたに過ぎないのです。
どうか、ジョージア政府側の立場だけでなくアブハジアを始めとする各少数民族や私共のような弱小企業の小さな声にも耳を傾ける外交を切に願っています。

最後に

今後アブハジアワインを始めとし、日本へ流通していないワイン等の輸入を私共は目指しております。
今年に入り、新型コロナウイルス後の世界の貿易・流通の正常化を期待しておりましたが、2/24以降のウクライナ情勢に伴い、世界は暗い時代に突入しているのかもしれません。
しかし、このような時だからこそ多様な文化を知り理解を深める事が必要ではないでしょうか?

なお、アブハジアワイン・アジカについて今後詳しく知りたいという方は、直接連絡を頂けたら幸いです。
                              2022/7/1

2017/10 Abkhazia New Athos にて

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