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大学授業一歩前(第70講)

はじめに

今回は明治大学文学卒の予備校講師、徳光優輝先生に記事を書いて頂きました。明大OBの先生に記念すべき第70講を書いて頂けて本当にありがとうございました。是非第70講もご一読くださいませ。

プロフィール

Q:ご自身のプロフィールを教えてください。

A:山梨県出身。駿台甲府高校、明治大学文学部文学科日本文学専攻卒業。

大学時代から個別指導のアルバイトを始め、そのまま教育の道へ。現在は静岡県に拠点を置く予備校で、大学受検部の国語科講師として働いている。

高校時代に通った予備校で、現在スタディサプリ講師の関先生・伊藤先生、河合塾講師の和田潔先生の授業に出会う。効率的な勉強法だけでなく、科目そのものの面白さを初めて知った。

オススメの過ごし方

Q:大学生にオススメの過ごし方を教えてください。

A:2つあります。1つ目は授業。「必修」と「選択」といい、卒業までには選択授業もいくつか取る必要があるのですが、選択科目には専門以外の授業が沢山あります。登録する授業数に制限はありません。自分の関心が向く授業を受けてみてください。2つ目はアルバイトです。「将来の職に関わること」をやってみましょう。例えば教員になろうとするなら、事前に生徒と対話することをしとかないと、いきなり教育実習本番は生徒たちにも失礼になってしまいますから、事前に経験を積んでおきましょう。

必須の力

Q:大学生に必須の能力はどのようなものだとお考えになるでしょうか。

A:情報に飛び付かないこと、目の前のことに「本当か?」と疑問を持てることです。あらゆる情報が一瞬で手に入る時代になりました。そして今では自分が関心のあるトピックを選べるようにもなっています。しかし、情報の中には根拠不明なもの、主観的なものもあり、自分で選べるということは偏りが出ることでもあります。情報を得たときに一度立ち止まり、他に何か関連する話題が無いか手を伸ばすことそうして自分の見方のバランスを保つことが必要だと思います。

学ぶ意義

Q:先生にとっての学ぶ意義を教えてください。

A:学びは「自分の認識を広げてくれるもの」「複合的な見方が出来るようになるもの」だと思ってます。私は国語担当なので、言葉に関する話題にはつい目がいきます。以前Twitterで次のことを見かけました。「何のために言葉を勉強するのか、暗記とか無駄じゃないか」という問に対して「言葉を知っていれば、相手を傷つけるリスクも減らせる」と。例えば言葉のストックがあればある分、相手に応じて話題を変えられる。これをコミュニケーションと言います。学びは、幅を広げてくれます。

オススメの本

Q:オススメの一冊を教えてください。

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内田樹(2009)『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』講談社文庫です。大学生なり、社会人へと向かう中で「自立」というワードが付いて回ってきます。そんなとき、自立とは何かを確認させてくれる本です。

メッセージ

Q:大学生へのメッセージをお願いします。

A:もし私が小・中・大のいずれかに戻れるとしたら、間違いなく大学を選びます。それくらい、大学は充実したところです。1.自分のやりたいことを 2.同じレベルの人たちと話し 3.アルバイトもでき 4.膨大な蔵書と 5.その道の専門家にいつでも会え 6.学食が美味しい と特典だらけです。大学生活を振り返ったとき「飲み会しか思い出がない」は寂しいので(旅行も行けるようになったら行きましょう)、本を読み、充実した大学生活を送ってください。そのためにも、納得できる大学を選びましょう!

おわりに

今回は明治大学文学卒の予備校講師、徳光優輝先生に記事を書いて頂きました。

情報に飛び付かないこと、目の前のことに「本当か?」と疑問を持てることです。

これこそがクリティカルシンキングなのではないでしょうか。情報に従属するのではなく、情報を得る主体になる事は非常に大切です。情報で溢れる現代だからこそ、その情報をよく見つめる事を私もしていきたいと思います。次回もお楽しみに!!


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