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大学授業一歩前(第100講)

はじめに

遂に、記念すべき第100講になりました。記念すべき第100講は学術出版社の白水社様に寄稿をして頂きました。お忙しい中作成して頂きありがとうございました。@hakusuishaでTwitterも運営なさっております。是非、ご一読下さいませ。

概要

Q:自社の概要を教えて頂きたいです。

A:語学、人文書のふたつの柱をすえて出版をしてます。語学書の特徴は、学習者の多いいわゆるメジャー言語に留まらないラインナップです。「ニューエクスプレス」シリーズで学習できる言語の数は50以上にのぼります。人文書はというと、翻訳出版を中心に、海外文学、思想、芸術、世界史、政治、経済とジャンルを問わずに幅広く出版しています。また、劇作家の登竜門として知られる岸田國士戯曲賞も主催しています。

オススメの一冊(他の出版社様の中から)


Q:オススメの一冊(特に学部一年生、二年生向け)を他の出版社様の本のなかから一冊ご紹介頂きたいです。

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A:斉藤道雄『手話を生きる』(みすず書房、2016年)をぜひ読んでほしいです。ことばは思考をかたちづくり、思考を表現する、もっとも重要な生きる力です。しかし、耳の聞こえない「ろう者」は、この力を身につける機会が得られていないと本書は指摘します。音声がなくても習得できる手話が否定されてきたからです。母語を獲得できなかったひとは、どう思考し、アイデンティティを得られるのでしょうか。学びの根本であることばについて、考えてみてほしいです。

オススメの一冊(白水社様の中から)

Q:オススメの一冊(学部一年生、二年生向け)を白水社様の中から一冊ご紹介して頂きたいです。

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A:現在の20代は、戦争体験者の話を直接聞くことができる最後の世代と言えます。戦争を考えるための、ご自身にとっての接点を見つけてほしいと願っています。これはいわば、自分なりの物語をつくるということです。わたしにとって、その作業のヒントになったのが『ポーランドのボクサー』です。この短編集のなかで語り手は、ホロコーストの生存者である祖父について物語ることで、自分自身について思索をめぐらせます。物語ることの大切さを気づかせてくれました。

メッセージ

Q:最後に大学生へのメッセージをお願いします。

A:新しいことを学ぶのって楽しいですよね。本は、その原動力のひとつだと思います。みなさんにとって、すてきなエネルギー源となるような本をこれからもつくっていきたいと思います。

おわりに

第100講は学術出版社の白水社様に寄稿をして頂きました。お忙しい中作成して頂きありがとうございました。

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私が白水社様の中でのオススメの一冊は根井雅弘(2018)『英語原典で学ぶ経済学史』白水社です。大学入試で身に付けた英語力を如何にして文献を読む力に変えていくのか、そのアイデアが詰まった一冊です。学説を学ぶ意義は、過去の先人を知恵を受け継ぎつつ、それを鵜吞みにせず批判的考察をすることで学問の世界を良いものにすることだと私は考えております。次回の新たな始まりの第101講もお楽しみに!!



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