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沖縄のサンゴを守る人に共感した “石川県の製材屋さん” が、キセキの原木を手に入れて船を作り始めるストーリー

はじめまして。沖縄の石垣島でサンゴを守る活動をしているアキラです。ここ数年 沖縄ではサンゴが減り続け、サンゴ礁の9割が壊滅的なダメージを受けています。私は家の前の海域を調査をし、特別な許可を得てサンゴの試験移植なども試み、何とかサンゴを増やせないか研究を進めています。

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去る2021年5月、移植したサンゴの産卵を確認する際、その様子をインスタライブで中継しました(中継の様子はこちら = もうすぐ公開)。

こんな時代じゃなかったら、きっと出会うはずもなかった

サンゴの産卵は夜中に始まるので19時頃に昼食をとり、20時前後に一人乗りのカヌーで出航。サンゴの産卵調査を終え、機材を片付け夕食をとるのは深夜1時という日が1週間続きます。

真っ暗な海に一人ぼっちは寂しくて、そんな生活を支えてくれたひとつが、流行りのアプリ「Clubhouse」でした。そこに深夜のみ立ち上がる 林業Bar というルームがあって、日本中で様々な活動をしている人が集まります。

ある夜こんな話をしました。

「海の調査のとき、もっと荷物がのる船がほしいんですよ」
「どんな船?」
「木で造られた、沖縄の伝統的な船です」

それを聞いたシンさんが、真面目な声で言います。

「 造りましょう 」

「作るの?! 」 iPhoneから聞こえてくるみんなの笑い声が、真っ暗闇の海にいるアキラの癒やしでした。

(日頃の調査風景はこちら Youtube動画)

それから3週間ほどたったある日、林業Bar の店主(モデレーター)ユカさんからLINEが入ります。

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ひょんなキッカケから、船造りが本当に始まったのです!


二日後、Zoomミーティングで初めての顔合わせ

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右下が丸太を買ったシンさん。左上はプロデュースして下さるフジカワさん、左下がみんなを繋ぐ林業Barのユカさん。

前置きしておきますが、このメンバーはclubhouseというアプリで出会った人たちなのでほぼ全員、これが初めての顔合わせ。時世時節の象徴のような一時に、話している内容は「困ってる人がいたら助けたい」という、なんとも温かいお話です。

「シンさん、足ながおじさんなの?」
というユカさんに シンさんが続けます。

「でもこれ要約すると、"船がほしかったオッサンと それを届けたいオッサンが出会ってイチャイチャする" 話ですよね」

笑いの絶えない居心地の良いミーティング。肩の力が抜けてほっとします。

ですが、ここでひとつ心配なのが船の輸送です。

船を漕いで沖縄に渡れるか

シンさんは石川県で製材業(丸太から建築などに使う木の板を作る仕事)を営んでいます(製材所のHPはこちら)。だからこそ市場で丸太を買うことができ、「アキラさんが使いたい船を造ります」と言ってくれるのです。が、その船をどうやって沖縄の離島、石垣島まで運ぶのか。実はシンさん、漕いで届けたい気持ちが色濃いのです...

確かに沖縄の伝統和船は帆走力が高いことで有名で、昔の漁師はベトナムやインドに出かけて戻った(公的)記録もあるそうで。8−12名乗れる船なら荒波を超えることも不可能ではありませんが、それでも漕ぎ手にはレース選手級の人々が必要です。

アキラも操船はできるものの、調査で使いたい船は1〜4名乗りの小さな船。それで荒波を超えるのは危険です。

「ひとまず、コンテナで輸送しましょうか」

陸路で大阪港に運び、そこから琉球海運のフェリーで石垣港へ。石垣港からアキラのいる島の北部には、自分で漕いで1日あればつけるはず。

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シンさんの作業場に搬入された "船になる" 木

聞くところによると、この原木丸太、何と8mのキセキの一本らしいでのです!なぜ奇跡の一本かは、また別の機会に。

「原木もありえない値段で落札してるし、制作もお金かからないので心配しないで大丈夫です。僕が造りたくてやってることなので」

シンさんはそう言ってくれてはいるものの、船の完成後、島への輸送費はかなり高額。おそらくコンテナ輸送だけで20〜30万円はかかる見込みです(陸路別)。他にも船を造りはじめたら「実はこれも必要だった」と新たに購入する道具も出てくるやもしれません。

そうした費用にあてつつも、折角だから造船風景を映像にして未来に残したいアキラの気持ちも加え、「クラウドファンディングを立ち上げよう」とZoom会議で決まりました。

既に、海関係では大御所の方をアドバイザーにお迎えすることも決まり、びっくりするような大きなプロジェクトになる予感!

造船(ふねづくり)は今年の初冬に開始され、クラファンも同じ頃に始める予定です。

オッサン同士のハートフルストーリー、引き続きお楽しみに〜!


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