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買わない暮らし。

買わない暮らし。
筆子・大和出版
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以前に「書いて、捨てる!」という本の感想文を書いたんですが
https://note.com/unisindo/n/n778818fc882b
同じ筆者さんの御本を見かけたので買ってみました。
ちょうど買い物の仕方を見直さないとなーて思っていたんですよね!

タイトル以外で表紙にあるのが
「片づけ、節約、ムダづかい……シンプルに解決する方法」
というキャッチコピーなんですが、基本的には
「いらないもの買ってない?」
を問いかけて、これ必要?ほんとに?物捨てようか!を促す内容です。

あーーーこれなーーーーー。いや正しい。言ってることは大変に正しい。

だがこれを一定以上若い人に促すのは難しい!!!

…と、まず思ってしまいました。
著者さんは1959年生まれで今年62歳。あのー、正直に感触をお伝えすると、62歳がこれまで買い物・生活経験をがっつりしたあとの達観した視点や区切りの付け方と、10・20・30代の買い物欲・試行錯誤時代の買い物への感覚は全く別物です!なので、この本を読んで活用出来るのは、多分30代後半とか40代ぐらいからかと思います。興味を持たれた方はそこはご注意ください。
20~30代ぐらいでは、どう頑張っても親兄弟や親戚に似たような教育をされて育ち、買い物についての考えがうんと深まっている人ぐらいじゃないと内容の実用や実感は厳しいんじゃないかしら…あとは物・出費よりもお金が好きな人、とかかな…
ただ、
「先々の年代の人が「若いうちにこうしておけばよかった!」て思う点てどんなことだろう?」
て点が気になるんであれば一読の価値ありと思います。
あとはリアルでお金に困ってる・自分の買い物を疑問視してる人とかに良さそうかな…

30を過ぎ40を過ぎてもお金の使い方に惑い続けているような人にはむしろ最適な本じゃないでしょうか。冒頭にお金に関する不安やストレスを抱えている人の話題が出ているので、基本的にはそういった人に向けて
「見直せるところいっぱいあるよ!」
とポイントを共有し促してくれている本ではあるので、ちょっとずつなんかしてみたら?見直ししてみたら?少し立ち止まってみたら?を実行してみるいいきっかけにはなると思います。

先の「書いて、捨てる!」でもそうなのですが、この著者さんは多分「スッキリする」のがお好きなんでしょうね。そしてそれに成功したので、お困りの方にシェアしたいと本を書かれたのかなと思います。文体も内容も優しい書き口ですし、行動についても具体的に促してくれているので、こと実用という意味では「本を読んでの行動慣れしていない人」でも取り入れやすいのではないでしょうか。
「結局は【捨て】かよ!」
って不機嫌になってしまうタイプの人にはおすすめしないんですが、捨て以外の項目で「買いすぎについて」「優先順位のつけかた」「建設的な考え方について」を丁寧に説いてくださってるので、読みやすい・受け入れやすい箇所だけでも「使って」いってみたらいいんじゃないでしょうか?わたし?勉強になりましたよ!去年と今年、お金使いすぎてるの実感してますからね!!!もうねー、気ままな独り身でちょっと遊べるぐらいの収入もうっかりあるので、財布の紐ゆるっゆるですよね。いま通販めちゃ便利だしね…フルリモートで朝から晩までPC見てるしね…困るぅ…

あんまり年齢を理由にしてお話するのはきれいな振る舞いではないんでしょうけれど、どうしても世代によっての感覚や経験差ってあると思うんですよね。なので、こちらの御本…こちらに限らないか…いろんな御本での例え話やちょっとしたことで
「んんん…感覚が合わないかも…っ…」
て点は読まれる方によってはあちこちあると思います。わたしで40代真ん中近辺ですけれど、ここ何年かだけでも労働や学校、ジェンダーまわりの感覚や暴力についてってガラッと意識が変わってると感じていますので、さらに上の世代になるとその乖離やいかに、と思うんですよね。
なので、こちらの本で前提にされている「ものをいっぱい持つことがいいことだと思っちゃってる」「家にものがとてもいっぱいある」がもうそもそも読み手と違っている可能性も大きいんですよね。氷河期世代の上の人の
「(お金を細かく無駄遣いしてて)お金が無い」

「(そもそも使うお金がなくて)お金が無い」
の差がものすごいですからね。「便利さを求める」の段階にいってない人が読んだら、ひょっとしたらムカつくだけな可能性もあります。

そう思うといま実用書を作る側って結構難しいですね…どこ向けかをかなり意識しないといけないでしょうね。
この話を繰り返し書いてるてことは、わたし読んでてそこそここういう点が気になったてことなんでしょうね。
お金と物、どうしても日々に関わりますからね。まめに見直すのは大事ですよね。

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