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粗食で生き返る

粗食で生き返る
幕内秀夫・角川書店
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最近どうにも食事の量を多く感じるようになったな…それを証拠にほら、体重がむくむくと増えてきているよ…
これは元々多く食べていて、運動不足だったり入出バランスが覿面に悪かったりが重なってこれなんだろう、知ってる…知っては、いる…

そんな中で手にとった本です。そう、40を回ったら、人は粗食を心がけるべき…

こちら角川oneテーマ、という新書のシリーズです。
あまり良くない先入観というのはわかった上で書きますけれど、新書の本て
「ふーんそういう考えの人もいるのね」
の参考ぐらいで、情報そのものは正直眉唾で読む傾向があるんですけれど、この本はめちゃくちゃ「そりゃそうだ」というごくまっとうな内容で一冊まとまっていました。
世間の食の情報の解説、生活習慣病は予防しよう、日本人に向いてる食事内容、40代への食事注意、50代への提案、ご自身が指導した中での事例、などなど。情報の正否や効果は少し気になるところもありますけれど、これ、中にもありますけれども「個人差がおおいにあること」なので、平均情報として見てみたり、参考程度がちょうどいいのかなと思いますが、少なくともいまの私には素晴らしく参考になりました。そうだよね「これさえ食べれば」的な「魔法の食材」は嘘だよね。トータルで生活を見る大事さを説いてくれています。

ちょっとおもしろかったのは言うてこれはするにこしたことないだろと個人的に思っていた「減塩」についても少し弊害がある点を挙げていて、言葉をまとめてしまうと「かける手間暇ほどの効果があるかは(塩に限らず)見直そうね」てお話なんですけれど、そこはなるほどなと思った次第です。減塩が悪いとかではなく(体調によっては非常に大事なので)、そこに厳密になりすぎるぐらいならばこっちらへんも見直すことでトータルバランスが取れるよ、てことなんですけれど、なるほどなあ、全体を見る、か、というのが体感的によくわかった次第です。

ドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」の内容を元にした記述も一部あるので、もし興味があってこの本を読まれる方はちょっとそちらの作品も見てみるのもいいかもしれません。この本、基本的にあんまり厳しいことは書いていなくて食事は良いものを楽しんで適切に食べましょうねってスタイルなんですが、ファーストフードと砂糖については少し厳し目な書き方をしていて、そこも「習慣化した場合のデメリットが大きい」ゆえですね。特に砂糖に関しては体調のチェックシートなども内容にあるので、いろんなものを見てきてるんだろうなあ…(著者さんは管理栄養士さんとのこと)。

こちらの本は40・50代向けに書かれているようで、この世代には別途で章があるほどです。特に40代向けゾーンには特別に食生活のチェックシートが入っています。小見出しでも
「40歳代がもっとも危機的状況にある」
とありまして、対策を急いだほうがいいのがわかりますね私よ…そんな気はしてましたね…そして40代の内容がまさにその「気にはなっている」について「体からのサインですよそれ」と書いてあって、あっはい…改善します…
こちら、食事の用意が面倒な人にはコンビニの利用もおすすめされているので、生活に取り入れやすそうな改善点が多くてとてもいいです。嬉しいのが作る側の手間にも配慮の記述がある点で、
「自炊出来たらそりゃいいだろうけれど、疲れて長続きしないぐらいならお惣菜とか使うといいよ」
て明記してくれてるところですね。いつもベストではなくベターを続ければよし、としています。ありがてえありがてえ。

本文内にもありますが、
「食生活の本を読むと、あまりの情報の多さに混乱する」
とあり、ここはほんとそれな、と思います。
そのおかげで著者さんは内容を絞ってポイントを明確化・簡素化してくれてますので、食生活が気になるものの何からしていいのやら…基本もわからないし…て方は一旦この本を読んでみる、とかでもいいかもしれないですね。先の記述の通り作り手側にも配慮がされているので、取り入れやすい内容だと思うわけです。少し意識して変えるだけで驚くほど大きく変化するそうですので、皆様も私と一緒に見直しなどいかがでしょうか?

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