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歩き続ける力

歩き続ける力
三浦雄一郎・双葉社
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「歩く」という行動を見直ししておりまして。
新しくなにかを始めるときには、図書館に行ってまずその気になるジャンルの棚の中から、初心者向けや興味が出る本を何冊かまとめて借りて、概要を掴むようにしてるんですね。
で、先の感想文の齋藤先生の散歩本
https://note.com/unisindo/n/n8e40904a54de
以外で、
「あっこの人知ってるぞ!」
て人の著作を手にとってみました。

著者の三浦雄一郎さん、ニュースだとかでもお名前結構流れてたのでご存じの方も多いと思うんですが、世界最高齢でのエベレスト登頂記録や、86歳を過ぎてアコンカグアに挑戦なさったバリバリのアスリートですね。2021年現在、10月12日を迎えたら88歳になられます。あらお誕生日近いわね!おめでたいわね!お元気で引き続きご活躍いただきたい!
88歳なんて普通に歩くだけでもどうにかなってる人も多いお歳でしょうに、とんでもな登山に果敢にアタックを続けるこの胆力…普段どんなトレーニングしているんだ…と、怖いもの見たさでこちらの本を読んだんですが、いやいや驚きました。わたしこの方もうずーーっと現役最前線でのご活躍だと思っていたんですが、65歳頃のタイミングで一度不摂生でメタボ堕落期間もあったんですね。
その65~68歳ほどから体と生活を立て直したところから内容が始まるんですが、ひところは「3年以内が危ない」て言われるまでしたそうで。
いやー、65歳回ってから鍛え直して80代でエベレストだのにアタックするまでになるなんて、人間わからんもんですね…

この本出されているのが2019年なので、全然最近です。
アコンカグアにアタックして、残念ながら踏破はならなかったのですが、その思い出のお話で締めるまで、ご自身のパフォーマンスが一番落ちたところからどうそこまで持っていったか、といった一冊の流れです。この経歴で
「人生に【もう遅い】はない」
て言われたらもうぐうの音も出ないですね…先日の日野原先生もそうですけれど
https://note.com/unisindo/n/n6f9278658183
元気な方って本当にものすごく元気だなあ…いや元気の維持に注力した生活をしておいでだからなんでしょうけれど、進藤家は全体的に早死したり不摂生で体壊したりを60代からしまくる家系なものなんで、80過ぎてなお元気、て方の生活にあまり馴染みがないんですよね私…びっくりするわ…なによ70歳過ぎたあとからエベレスト3回登ってるって…尋常じゃないわよ…

まえがきのお父様の思い出話しの時点で
「99歳でモンブランでスキー滑走を楽しみ、101歳まで生きた。首の骨を折ったことで寿命を縮めてしまったが…」
て記述があって、元気なご長寿は家系なんだなこれは…この記述三度見ぐらいしたわ…首の骨折ったて方かよ…そっちかよ…
日野原先生の本にもありましたが、「75歳から後期高齢者の扱いだけど、75歳だと100歳まで25年もある」とあって、いや100歳まで生きるの大前提だな?「時間はたっぷりだ」てあるけどたっぷりと感じてなかったよ…これはあれですね。もう意識しっかり変えていかないといけないですね。90~100歳までなんかする前提でいかないと、ヒマってのもそうだしメンテさぼって不本意な生活送る羽目になっちゃうかもですね。

基本姿勢は「全ては『一歩』から」て話なんですけれど、メタボから鍛え直したメニューてのが、これは…これはうかつに真似したら体いわす人が多いんじゃないかな…なので、三浦さんよりはもっと抑えたペースや負荷で少しずつ体を慣らすほうがいいと思います。奮起したきっかけのひとつが、当時94歳だったお父さんが「99歳でモンブランでスキーしようと思っている」て発言ですから…もうなんか…目指すところの基準が違う…ベースが「攻める健康法」て話題ですからね…いや攻める気持ちのほうが身が入るかもですが…そして先の記述の通り、お父さん実際に99歳でモンブランでスキーしてますからね…震えるわ…

三浦さんのトレーニング、ご自身は「ヘビーウォーキング」と書かれていますけれど、リュックやアンクルで重りを付けてめちゃくちゃ歩く、が基本で、「エベレストの前に富士山いっとくか」て書き方で、素人が真似しちゃあかんですからね!
ただこの本の素敵な点は、ご自身のそのスーパーな基準での書き方ではなくて、ちゃんと「走らなくていい。まずはゆっくり歩く」「歩きで大丈夫」「日常の動作でもトレーニングになる」「朝の運動は危ないからやめておいたほうがいい」「最初は家の周りで十分」「やめちゃうぐらいなら適当にサボれ」「三日坊主でいいじゃないか」などなど、入り口がめちゃくちゃ優しいんですよね。むしろ「抑えて!抑えて!」ってセーブしてくれてます。体使い続けてきてる人はコメントが違うなあ…カートとかバッグ使うより、体のバランスのためにもリュックがいいぞ、とのことで、私もちょっと持ち物も考えていこうかな。

経歴が経歴なのもあって、三浦さんについては研究者チームも色々分析しているようですし、ご自身もあれこれ試すのが楽しいようで、サプリ飲んだり男性ホルモン打ったりシューズやウェアも最新のものを試したり等々、気持ちからすでに意欲的ですね。気が若い。「頑固にならずに知識を更新する」て記述もばっちりありますね。常識が180度ひっくり返ることもいくらでもあるてことで、なるほどなあ…そういうつもりで生きていこう。新しいものに興味を持ち続けてあれこれ触ってみる、というところだけでも意識すると日常から変わってくるかもしれないですね。

体感やご自身が学んだことの記述部分もですし、ラストのアコンカグアアタックの章もだし、どのページを読んでも勉強になり大変興味深く読めました。これは自分の手元に置いておくのもいい本だなあ。今わたし40代ですけれど、50・60・70・80・90代とそれぞれ読んで気を引き締める教科書にするのもいいかもと思っています。人間、体が資本ですもんね。
筋肉は使わないでいると脳が不要と判断してしまって萎えていってしまうそうなので、一日一回使っていこう!というお話でしたよ。頑張ろう…ちょっとずつでも頑張ろう…

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