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ロジカルシンキングってなんだろう v2 少し昔の話を

こんにちは、ハムアンです!🐨
今日も、「ロジカルシンキング」について、少し思い出話を元に、記載していきたいと思います。
拙い内容ではございますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。


ʕ ·ᴥ·ʔ  なぜ人を殺してはいけない?

いきなりな入りですが…これが今回のテーマです。

先日の記事で、「ロジカルシンキング」や「論理的思考」について、仕事の現場で耳にしたことが無い、と記載しましたが、実は、20代前半の頃に学習塾で国語の講師をしていた頃は、毎日のように使っておりました…💦

当時は、海外にある日本人塾で、現地にいる子供たちが帰国して高校受験をするにあたっての、受験指導をメインで担当しておりました。
大体1クラス20名程度でしたが、ある程度上のレベルのクラスを受け持った際は、一番初めの授業では、アイスブレークとして、初っ端に以下の質問を子供たちにしていました。

「なぜ人を殺してはいけないのでしょうか?」

いきなり何言ってるんだコイツ?の空気が漂う中、様々な回答が返ってきます 。
 ・犯罪だから
 ・法律で決まっているから
 ・道徳的にダメだから
 ・殺された人の家族が悲しむから

「どれも間違いではないね。模範的だ。では、もっと意地悪に。法律で罰がなければ、殺しても良いのか。遺族が悲しまなければ、殺しても良いのか」

良い、という子も、ダメという子も出てきます。

「ダメ、と答えた子に、更に問います。なぜダメなのでしょう。そこでダメと言ってしまうと、最初に聞いた「人を殺してはいけない理由」が、『法律による罰則』でも『遺族が悲しむ』でもないということになります。だって、法律で殺人を許しても、殺された遺族が喜んでいても、殺人はダメだっていうんだから。」

「良い、と答えた子に、更に問います。法律で殺人OKであったならば、あなた自身、街を歩いていて急に襲われても、文句ひとついってはいけませんよ。問題ないですか?」

だいぶ意地悪です…。
多くは神妙な面持ちになって、静かになっていきます。
変な空気が濃くなりますが、少し待ちます。

ʕ ·ᴥ·ʔ  核心に至る

すると、ぽろっと核心を突く生徒がでてきます。

・自分が殺されるかもしれないから

クラスにもよりますが、おおむね、全体が「あー、確かに」と腑に落ちてくれます。 ここまできたら、セッションは終わりにして、少し整理していきます。

問い:なぜ人を殺してはいけないのか。

最初の回答 [表層]
 ・犯罪だから。法律で決まっているから。
 ・道徳的にダメだから。殺された人の家族が悲しむから。

最終的な回答 [核心]
 ・自分が殺されたくないから。

最初の回答が間違っているわけではありません。
しかし、最終的な回答に至った子は、最初の回答が不十分であったことが分かります。

人間誰もが他人を傷つけない世界であればこうした議論になりませんが、現実は違います。
すると、自分が安心して生きていくためには、ルールで人を傷つけることを禁じざるを得ません。

誰かが死んだら悲しい。多くの人間がそういう感情を持ち合わせています。 だから、「殺された人の家族が悲しむから」という道徳的な回答が先に出てくるのは当然です。
しかし、わざわざルールがあるということは…そうしないと、各々の命の安全は担保されないことを意味しています。そして、道徳や倫理は、個人の安全が保障された、安定した社会の中で初めて成り立つものである、ということにも改めて気づかされます。

ʕ ·ᴥ·ʔ  表層から根本へ

生徒には、このセッションを元に、一度出た回答に対して「本当にそうなのか」「なぜそうなのか」のプロセスを重ねることで、表層から根本に至ること、そして、それが「論理的思考」の入り口であることを説明しておりました。
なかなかにセンセーショナルなテーマなので、割と興味をもって聞いてくれることが多かったように記憶しています。
とりわけ、受験科目としての「国語」は「読解力」を問うものであり、問題用紙・解答用紙にあるすべての視覚情報を読んで、理解し、分解し、正解に辿り着く力を測るものです。
さらに、所謂「論説文」と呼ばれるものは、筆者がこの「疑う、深堀りする」視点を持ってテーマについて論ずるわけで、読み手である受験者も同じ視点をもてなければ、筆者の考えを理解し、分解することはできません。
この反復訓練が「国語の勉強」ということになり…論説文を満点取れればどんな難関校でも合格点取れる(実際は無理だけど)……云々と、よくある受験指導論を展開して、初回の授業は終わります。

ʕ→ᴥ← ʔ  大人でも同じ

 自分自身あれから年月が経ち、サラリーマンとして、社会活動に携わるようになって久しいですが、生徒たちに偉そうに語っていたことは社会人にとっても非常に重要なことであると、身に染みて感じます。

例えば、表層から根本へ至るプロセスは、ビジネス的に胡散臭く考えると、トヨタ生産方式で有名な「5WHYs」のフレームワークなんてものが存在します。抱える問題に対して「根本原因」を突き止めるために、問題となっている事象に「なぜ?」を5回繰り返していく手法です。

なぜなぜ分析とも…

ロジカルシンキングだ、論理的思考だ、と小難しく言えばそうなるのでしょうが、何はともあれ、入り口はいったん「なぜ?」「本当?」と立ち止まって考えてみることなんだと思っています。
前回の記事でロジカルシンキングは、「ちゃんと考える」ことだと書きましたが、 考えるためには立ち止まることが必須です。なので、子供だろうと大人だろうと、まずは「なぜ?」「本当?」の気持ちを持っておくことが、ロジカルシンキングのスタートなのではないでしょうか。

最後に余談ですが…いわゆる最難関と呼ばれる高校の受験問題は、初見で大人がやったら多分不合格😅
えげつない論理的な解答プロセスを求められます。ご興味あれば、ぜひ(笑)


ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます!
こんな感じでゆるーく、でもたまに真面目に、
ビジネススキルについて思うところを発信していきたいと思っています。
コメントや質問があれば、ぜひぜひお寄せください!
では、また次回!

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