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種を播くと、心が震える

冒頭の写真はビーツの発芽。緑ではなくピンク色なのが新鮮だし、かわいい。

去年から家庭菜園をやっています。つまり今年はまだ2年目です。わからないことがまだまだ多いですが、畑をはじめて以来、人間基準の価値観が消え失せました。

コロナウイルス蔓延でさえ、「地球上で今たまたま起きている自然現象」という捉え方でしかない。できれば死にたくないけど、もしも罹患して自分が死んだら、「しょうがない、自然だから」そう思っている自分がいます。

さて私は、下の写真の畑で作物を育てています。ちなみにこの場所は去年のゴールデンウィーク前までは、本当に何もない草ボーボーの荒れ地でした。今は畝が12本。我ながらよくこんだけ開拓したものだ。感無量です。

去年は隣の畑のじいちゃんが、ナス、きゅうり、オクラ、トマト、ピーマンの余った苗をくださったので、メインの野菜は苗から育てました。去年の夏、種から育てた野菜は、枝豆、モロヘイヤ 、落花生、ゴマ 、インゲン(ほとんど育たず)、小豆(これも育たず)くらい。

その中で、それなりに育ったものはすべて豊作でしたが、特に苗を育てて定植したゴマとモロヘイヤ が育ったときは、思い入れが強く、感動したのを記憶しています。

それに味をしめて、今年はトマトもナスもトウガラシも、ほぼすべての野菜を種から育苗しています。

するとまあ、リモートワークで家にいることもあって毎日がワクワクです。次から次へと発芽して育っていく植物を見ているのが楽しくてたまりません。全然、飽きない。そしてショッピングにも行楽地にも、まったく行きたいと思わない。理由は、自然観察と比較すると、ちっともおもんないから。

トマトやナスの種を播くのは人生はじめての経験だったので、まさかと思うほど発芽して苗が植えきれないほど育ってしまい、急遽友人や家族合わせて12組の方たちに苗を引き取っていただきました。

輸送時に上から物を落としてしまって折れたトマトも、何事もなかったかのように脇芽が本線に成り代わって成長しています(写真中央部)

今は落花生(三代目。写真下)の苗が急成長しています。その他、アスパラガス、ビーツ、レンズ豆、空芯菜、モロヘイヤ (二代目)、飛騨かぼちゃ(去年買って食べたものから採取)、ヘチマ 、ひまわりの苗も育っています。昨日、スイカが畑に進級しましたが、去年食べた実の種から育てたものです。

畑はズッキーニの花が一昨日あたりから咲きはじめ、一気に賑やかに↓

一方で、明確な理由はわからないけど(植えるのが早過ぎた?)育ちが悪いが悪いものや、ナメクジに本葉1枚目を喰われた結果、再生することができず、双葉のまま一生を終えることになりそうなトマトもいます。

と、まあ、人間の世界同様、自然界ではいろんなことが起きますね。頻度および程度が、人間界よりも頻繁かつ過酷だということを思い知らされます。

種から苗へ、苗からさらに大きく育てるには、条件が整っていないと無理で、小さな本葉が出て喜んでいたら翌朝ナメクジに食い尽くされ、燃え尽きた線香みたいな残骸が虚しく土から出ていたり、殻が外れず干からびたりカビたり、やっと畑に来ても虫や日照りで枯れたり。

だから、「本来、自然ってそんなもん」という感覚になってきます。そうすると、人間だけの世界への関心や執着は薄れ、人間特有の欲もかなり失われていきます。

でも私はこの感覚で暮らす事が、心地よいなと。小学生の頃の自分が帰ってきたというか。

もっと多くの人に、この感覚を味わってもらえたらなあ。種を植えてみませんか?プランターでも十分楽しめるので、どっこも行けなくてもストレフリーどころか楽しくてしゃーなくなりますよ。

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