ヘチマでガスコンロを掃除する快感
私は掃除が嫌いだ。理由は単純で、めんどくさいから。楽しくないし、きれいになってもすぐ散らかったり汚くなるから掃除すること自体に生産性を感じられない。でも、あまりにもガスレンジが汚いので、今日は意を決して向き合うことにした。
ガスレンジの掃除といえば、これまでは油汚れに強いオレンジピール成分入りの、キョーレツな匂いと色の洗剤を使用して行っていた。けど、今日はやめた。とれるNo.1という米ぬかと微生物でできた洗剤的なもの(界面活性剤などが入っていないので、洗剤ではない)でやることにした。
そしてスポンジは、石油由来のプラスチックのものではなく、もう散々使い古して繊維がへろへろになったヘチマを使った。
私は昨年の夏に、スポンジを作るためにヘチマを栽培した。一年分くらい収穫できて、これを皿洗いに使ってみたところ、形が一定でないことで慣れるまでは少々持ちにくいことを除けば、使用感がことのほか良く、もう二度とプラスチックのスポンジを使いたいと思わなくなった。これについてはまた別の機会に書くとして、とにかくヘチマは予想を覆すレベルで万能である。
ガスレンジの掃除は、まずはコベコベにへばりついた油を拭き取った後、少量の水と、とれるNo.1(液体ではなく粉のもの)を適当に撒いて、手で擦る。それだけでけっこう汚れは落ちる。
次に、例のへろへろのヘチマで汚れを拭き取る。こびりついているところはヘチマの繊維で擦ればそこそこ取れるし、思ったよりも水分を良く吸い取ってくれる。それを湯で洗えば、また拭き取れる。それを数回繰り返せば、炭化してどうしようもない部分を除けばあっという間にきれいになる。ヘチマを洗うときも、ヘチマから汚れはさっさと落ちていく。
つまり、オレンジ成分入りの洗剤も頑固な汚れに立ち向かうスポンジも、いらんやん!ということだ。
しかも「米ぬか+ヘチマ」のコンビネーションで掃除すれば、手がまったく荒れない。まったく。しかも、拭き取りに使うペーパータオルのゴミも出ない。
使い終わったヘチマは、さすがにもうお役御免ということで、捨てることにした。いや、捨てるのではなく土に返すことにした。窓から「ありがとうヘチマ!」と言いながら裏庭に投げる快感たるやもう!
というわけでこれまで使い続けてきたものたちが、米ぬかとヘチマを凌駕するレベルで優れているということはないことがわかった。むしろ、石油でできている、手が荒れる、ゴミが出るという点において何ら良い点なんて見つからない。
ヘチマはグリーンカーテンとして夏場は重宝するし、わりと簡単に育てられるので興味がある人はやってみる価値があると思う。私は今年も栽培し、これからもヘチマスポンジを使い続ける。
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