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経済観念がない?買い物依存症?~きっかけは家庭環境?負の連鎖~

世の中には自分の『あたりまえ』が通用しない人がいます。
私のあたりまえは、仕事で稼いだ分でその身の丈にあった生活をするのがあたりまえだと思っていました。
しかし、世の中にはそうでない人がいます。
今回例に挙げる人はMさん男性です。
この方は、普通に仕事をしてます。一見すると、どこにでもいるごく普通のサラリーマンです。特段に話し方がおかしいとか、恰好が変だとかはありません。ですが、この方の経済観念は歪んでいます。

歪んだ経済観念はどのような生活になるのか?

仕事で稼いだ分で生活をするのではなく、仕事で稼いだ分でローン返済をするという生き方なのです。
なので、生活費に充てる分はごく僅かなのです。
極論、スマホ代とタバコ代だけ、のような極端な思考で生活費を捻出します。
通常の経済概念で生活をするとまずは贅沢はしなくても衣食住の確保により生活の土台を形成します。節約はするかもしれませんが、害するほどに節制はしません。ですが、このMさんはまず、生活には不必要だが自分の欲求を充たすための物をローンで購入し、その残りで生活をします。自ずと、生活が『質素?』ではなく、『貧相』になります。
なんで、このような経済観念になるのか…この方の場合は、家庭環境に問題がありました。

歪んだ経済観念のキッカケは?

Mさんの人生をさかのぼります。
現在のMさんの経済観念の分岐の一つに父親からの言葉があります。
それは
『ハンコつけばいいんだ』
です。この父からのセリフをMさんは30年経っても守っているのです。
詳しく解説します。
Mさんは父親から何か買い物したり購入したりする時は印鑑を押せばいい、と習ったのです。それは、ローンを組んだり、借金したい時は、印鑑を押せばいいと習ったのです。
Mさんの父親は仕事はしてました。ですが、欲しがる物が身の丈に合った購入品ではありませんでした。要は収入と支出のバランスが悪く、支出の方が大きく上回っているのです。Mさんの父親の欲しがるものは、自分の周りの人よりワンランク上です。身の丈に合ってない物を欲しがるのです。なので当然、生活費を圧迫するほどのローンを組むしかないのです。

ここで、『自立・自活』している人なら、『えッ?じゃあ、どうやって生活するの?』と思われることでしょう。
ここからが心理に関わるとこですが、Mさんの父親の妻、Mさんの母親に話は繋がります。Mさんの母親は、見栄っ張りの父親の尻拭いを一生懸命にする人でした。

Mさんの母親『私がいないと何にもできない』が口癖~共依存~

周りの人よりワンランク上の物を欲しがり、勝手にローンを組む父親、そして、それを『私がいないと何にもできない』と言って、そんなろくでなし男の行動を止めようともしない母親。
この内容を
・どこにでもあることだよね
・しかたがないよね勝手にしてくるんだもん
と、容認する人は要注意です。
この内容は共依存の関係です。
共依存の関係性で定番の例えがアルコール依存症です。アルコール依存症とはアルコールをやめなくてもいい状態を誰かが作っているから成り立つのです。
生活は破綻していても、酒を飲み続けられる状況を誰かが支えているのです。それが、共依存関係です。
Mさんの父母も同じような共依存関係なのです。生活が破綻するような経済状況であっても、Mさんの父親の見栄っ張りの買い物をMさんの母親は止めないのです。むしろ、父親が見栄を張ることで、自分の存在意義や存在価値をMさんの母親は見出しているのです。なので、父親の見栄っ張りを止めるどころか、尽力し促します。
夫の問題行為や問題行動を促しサポートをする(イネーブリング)とサポートする妻(イネーブラー)の関係性です。

共依存関係の父母を見て育ったMさん

そのような状況を見て育ったMさん。
カッコつけてワンランク上の買い物をし、それを支える、むしろ尽力する母親。
これが、子供の頃に見たMさんの夫婦の関係性の構図であり、Mさんに組み込まれたデフォルトです。
そして、その夫婦の日常の会話はもちろん不健全な『罵りあい』です。
口では、相手を罵りあいながら、経済的には勝手をするダメ夫を許して、自分から離れられないように仕向ける母親。
この中で育ったMさんは、夫婦の関わり方は罵り、嫌味を言い、無視をするなどの亀裂を生じる夫婦関係を構築し、経済的には、自分の好きな物を購入し、それを許し、さらに生活まで支えてくれる妻をあたりまえに望んでおり、むしろ、そういう人を『妻』と指すと思い込んでいます。
このMさんの夫婦という概念は、夫である自分の勝手を支え、許すのが妻だと本気で思っているのです。思考や判断は歪み、歪んだ愛を本物の愛だと捉え、その愛を成就させようと必死になります。

ここで、さらにさかのぼります。
では、父親が自分の趣味や嗜好品などにお金を使い、母親はそれを支える。ですが、ではこの母親が稼ぎがいいのか?というと、そうではありません。ごく普通のパート主婦。親子4人の生活を支えられるほどの稼ぎはありません。
じゃあ、どうやって生活していたのか?
ここで、さらに登場するのが親の親(祖父母)です。

親が生活基盤を親に頼って生きていた

Mさんの親が、その親から世話を焼かれていました。
簡単に説明すると、祖父母が生活を支えており、父母はずっと恋愛気分でいきており、恋愛の延長線上に妊娠・出産があって、Mさんが存在しているのです。
Mさんの親の精神的な感覚は、自分の親元にいて、衣食住を子供の頃のように親に頼ったまま自立や自活をせず、形式上結婚はしても、男女関係という恋愛感覚の延長線上に結婚をして出産をしているだけなのです。精神的な成熟や成長もなく、二人の関係性も男女関係→夫婦関係に移行せず、形式だけ夫婦ではありますが、精神面が恋愛依存症のまま年月を重ねていってるのです。そして、そこで生ずる精神面が共依存関係を創り出しているのです。その観念の中で前頭葉が未発達な子供時代を毎日過ごし、関係依存を学び、欲望のままの生活を学んだMさんは当然歪んだ経済観念と夫婦関係しいては人間関係をデフォルトにしてしまうのです。

共依存関係や共依存関係を強要する人を変える方法はあるのか?

あくまでも確率の低い可能性ではありますが、リスクやコストをわからせることかと思います。
犯罪者の中にはリスクやコストを教えて理解させると、その時始めて自分の行為をやめようとすることがあるそうです。それと同じで、己の経済観念によりリスクやコストが発生することやもっと有意義な事にお金を使う事などを教えることで、その人自身を変えるというより、その人の経済観念を変化させる関わりをすることで、徐々に変わるのではないでしょうか?

歪んだ経済観念が進行すると『買い物依存症』に陥るケースも

このMさんみたいな思考や感情の人はいます。そして、この思考と感情のまま突き進むと『買い物依存症』を引き起こす可能性が高いです。
そもそも、身の丈に合っていない特別な物を手に入れないといけない精神状態とは『ありのままの自分』を受け入れられておらず、何かに頼らないと自分を支えられない状態なのです。そんな精神状態が続けば、依存の沼にズブズブとハマっていくようなもの。
買い物による自己肯定感や承認欲求を充たす行為を続けていれば、買い物という行為がないと精神安定が保てなくなります。
こうやって『買い物依存症』に陥るのです。
皆さんの周りにもいませんか?身の丈に合わない車やマイホームを購入したことをきっかけに、疲弊感や疲労感で何だか貧相になった人。それは、身の丈に合わない買い物でローンに苦しんでいる人かもしれません。

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