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コロナ不況を乗り越える財務計画(1)ケース分析(CHOOSE関数)

コロナウィルスの影響で、いま多くのスタートアップが収益計画を見直しています。売上の見通しは不安定、将来のコストをどこまで抑えれば十分な現金を維持できるのか・・・悩みはつきません。

今回はケース分析を紹介します。Googleスプレッドシートも共有しますので、ぜひ業務に使ってくださいませ。

ケース分析とは

将来の見通しは外れることが多いので、複数のケース(シナリオ)を作るのが、計画策定の基本です。特に最近のように将来が不安定の場合は、「最悪のケースでも十分な現金を手元に残せるか」というシミュレーションをたくさん行います。

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このケース分析はM&Aの世界でも使われていて、たとえばA社を1,000億円を買収するときに、その1,000億円という金額が妥当か説明するときには、「悲観ケースを想定した収益から計算される企業価値が1,000億円(なので妥当だよね)」という言い方をするわけですね。

Solid and Attractive(手堅く、魅力的な)計画

スタートアップの世界でいえば、たとえばベンチャーキャピタル(VC)に対して収益計画を説明するときにも、複数のケースを作ることが多いです。

アグレッシブケースでは、たくさんのマーケティングを行い、大きく成長してIPOするプラン。一方、もし売上が思ったより伸びない場合には、マーケティング費用を抑えてしっかり利益を出すというコンサバ(保守的)ケース。この両方のケースを見せることで、「うまくいけば大きく成長できるし、そうでなくても、しっかり利益を出してくれる会社なんだな」とVCを説得することができます。このような計画を「Solid and Attractive(手堅く、魅力的)」と呼びます。

複数ケースをつくるときに、やってはいけないこと

今回はこの収益計画のうち「広告宣伝費」を3つケースを作って、現金残高がどれくらいブレるかシミュレーションします。

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では、どのように作業するか?ここで一番やってほしくないのは、この表を3つコピーして、それぞれ広告宣伝費を変える、というやり方です。

すごーーく危険です。

なぜかというと、3つ表をつくってしまうと、たとえばどこか計算ミスが見つかった場合、3つの表すべての計算式を修正しなければいいけないから。エクセルというのは、計算式をコピーするだけメンテナンスも大変になります。

スイッチを活用したケース分析

今回は、スイッチを用いることで、1つの表で3ケースを作成するテクニックを紹介します。

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