スタートアップの必要資金額の計算(1) MIN関数
これまで数多くのスタートアップ経営者から相談を受けたのが、資金調達をするときに、どのように必要額を計算すれば分からない、または、ざっくり計算できるけど、ベンチャーキャピタル(VC)に説明するにあたって十分なレベルなのか分からない、というもの。今回は、スタートアップ企業の必要資金額について解説します。
なぜスタートアップは資金を調達するのか
本記事におけるスタートアップの定義とは、「売上が増える前に先行投資することで、長期的に大きな利益成長を目指す」企業と定義します。一般的な中小企業だと、少しずつ売上を上げて、社員を採用して、また売上を上げて・・・となるわけですが、スタートアップはもっとアグレッシブに投資を進めるわけです。
必要資金額=赤字の合計
そうすると、スタートアップは先行投資するわけですから、起業当初は赤字が続きます。いずれ売上が後追いで伸びてくると、いずれ黒字になります。
この赤字額の部分の合計(以下のスライドの黄色)が、必要資金額となります。つまり、必要資金額=黒字になるまでの赤字の合計となります。
数字にすると以下の通り。左の上図が売上、左下が費用です。1年目と2年目は売上より費用が大きいので、赤字になります(右図)。この2年目までの赤字の合計をこれから調達しなければいけません。
必要資金額=費用ではない
さきほど、必要資金額=黒字になるまでの合計と説明しましたが、いろいろなスタートアップ経営者と話していると、この計算をしっかりやっていない方が多くいらっしゃいます。例えば、「来年10人採用したいので、10人×年収500万円=5,000万円を調達したい」といった具合ですね。これは費用であって利益ではないので、注意が必要です。
計画は、月次で作成する
スタートアップの事業計画は、長期だと5年くらいの計画を作ることが多いです。そうすると多いのが、1年目、2年目・・・5年目と年次ベースで計画を作る経営者が多くみられます。
ざっくり年間の売上目標を作りたいのであれば構わないのですが、必要資金を正確に計算するためには月次(毎月)計画を作成することをオススメします。なぜかというと、年次計画と月次計画で、必要資金額の計算結果が異なるからです。
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