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【ワットナーンチーチョーティカラーム】釈尊にだって悩める日があった。水曜日夜生まれの守護仏のいる寺院

分身したりマンゴー生やしたりと超人伝説満載の釈尊。
そんな釈尊にも、人間らしい一面があるのです。

タイではそれぞれの曜日に守護仏陀がいますが、この水曜日夜生まれの守護仏陀【プラプッタループ・パーンパレーライ】はとても愛らしくて、個人的に大好きな仏像のひとつです。

水曜日夜生まれの人にとって特別なお寺を紹介します。

緑に囲まれた静かな名刹

ワットナーンチーはワットナークプロクのすぐ隣にあります。

ワットナークプロクからは歩いて5分程度です。 

ワットナークプロクは極彩色に溢れた華やかな寺院のため結構にぎわっているのですが、それに比べワットナーンチーはひっそりと落ち着いた寺院。
ぐっと人も少なくなり、とても穏やかな雰囲気です。

敷地はとても広いのですが、建物自体はちんまりとしており、密集していません。

しかし、それがまたこの寺院の良さでもあります。

プラプッタループ・パーンパレーライって?

大きな石の上に座り象と猿から供物を受けている仏像です。

水曜夜(18:00~24:00)生まれの守護仏陀
とされています。

両足を下ろした倚像(いぞう)は
日本では
ほとんど見られない座り方です

日本のサイトを見ると「悟りを開いた後、教えに誰もが耳を傾けなかった頃に森林にわけ入り動物たちに語りかけ説法した様子」と書いてありますが、タイのサイトでは「弟子同士の喧嘩を仲裁しようとしたがやめなかったため、うんざりして森に雲隠れしたときの様子」と書いてあります。

個人的には後者の方がなんとなく人間味があって、釈尊を身近に感じられるので好きなのですがどちらが正しいのでしょうね?

ちなみに雲隠れ仏陀の話は、弟子達が戻ってきてくださいと懇願し、しゃあなし戻るのですが、象が一緒に連れて行ってほしいとお願いしたら君は地上では大きすぎるからダメと言われ悲しみにくれて死んでしまうという終わり方です。

大きな岩と大きな象さん

そんなプラプッタループ・パーンパレーライは礼拝堂にいらっしゃいます。

中に入るととても立派な岩に腰掛けた釈尊の姿が。
そしてその前には水瓶を鼻に持って捧げる大きな象と蜂の巣を捧げる猿の像があります。

象の大きさは結構インパクトありますよ。

もうちょっと後ろに下がって全体を見てみると…

ほらね!
象さんの大きなお尻が!

この像は結構色んな寺院でも見かけますが、だいたいは象も猿も小さいサイズです。
これだけどーんと大きいのは他では見たことがありません。

四方に配置された本堂の仏像

次は本堂に入ってみます。

控えめな窓枠の装飾に、控えめな結界石。
夕暮れ時によく似合います。

中に入るとなかなか面白い仏像の配置でした。
ほとんどの寺院では入口を正面に配置してありますが、中央以外は四方を向いています。

中央は瞑想坐像、左右は降魔印坐像、後ろは涅槃像でした。

壁画もなかなか保存状態が良く、品のある美しい壁画です。

200年以上続く伝統行事を守る

運河の方に進むと緑がたくさんの広場のような場所があります。
やたら野犬が多くてビビりながらも、堂々としとけば何とかなるみたいな変な意地を張りながら周辺を散策。

そこにもお堂があって、色んな仏像が祀られています。

何の説明も無いのですが、このガラス張りの中の仏像のところに仏舎利があるようなんです。

というのも、寺院のFacebookでこれに関する動画を見たからです。

毎年12月の第2下弦の月の日に、仏舎利を納めた箱を舟に乗せて運河をぐるりとまわる儀式・仏像渡御祭(シャクプラ)を主催しているそうです。

寺院前の桟橋からクロンターン運河からバンコク・ヤイ運河に向かいます。
その後タリンチャン地区で行列を止め、僧侶の食事を求めます。
終わったら、バンコク・ノイ運河の河口まで行きチャオプラヤー川沿いに右折。
その後、バンコク・ヤイ運河に入り寺院に戻ります。

って結構な距離を移動するのですね!
このルートを地図で見るとこんな感じですよね…ほんとかしら?

このシャクプラという儀式は、最近ではほとんど見られないそうで、文化庁とワットナーンチーが協力して復活させたそうです。

普段は静かなこの寺院も、この時には多くの取材陣や参拝客で賑わいを見せます。

なかなかこの時期はオンシーズンで割高のため、あまり行くことは無いのですが、一度はこれを見るために行ってみるのもいいかもしれませんね。

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