角田光代 だれかのことを強く思ってみたかった
とても大切にしている本が何冊かある。
この本はその中の一冊で、装丁も小説も写真も大好き。
私にとって東京という街はやっぱりどこか特別で、憧れであり夢であり孤独であり寂しさだった。
東京に住んだのはたった一年半だったけど、あの短くて濃い日々はいまだに特別で大切な記憶。
この本には些末な出来事が溢れているけど、そんな日々こそ美しい。
私の記憶であり、誰かの記憶でもある。
そんな本です。
タイトルがまた印象的で、その時その時は強く確かなものだと思っていたけれど、私の人を想う気持ちなんぞ不確かで自分勝手で、誰かを強く思えたことなんてないのではと本を読むたびに自問自答します。
角田光代さんの文章は少し寂しくて美しい。
佐内正史さんの写真もとても良いので本当におすすめの本です。
あなたの記憶も探してみませんか?