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制服がキュートすぎる、アテネの衛兵

アテネの中心にあるギリシャの国会議事堂は衛兵がガードしていて、毎時衛兵の交代式が行われます。

アテネの国会議事堂

ギリシャの衛兵部隊の歴史

この衛兵の交代式を行う部隊は、Evzonesと呼ばれるエリート部隊。

そのもともとの起源は紀元前まで遡るとのことですが、正式な部隊としては19世紀後半に国境警備にあたる4つの歩兵連隊が組織されたことが始まりだそう。バルカン戦争や2つの世界大戦で活躍し、多くの功績を収めたとのこと。ところが、第二次大戦後は軍の近代化により3部隊が解体され、残りの1部隊のEvzonesが今でも残っています。

衛兵部隊に所属するには

18才以上の全ギリシャ人男性には9〜12ヶ月の徴兵義務が課されており、その中から体力があり、適している者がこの部隊に選ばれるそう。身長は187センチ以上、直立状態で膝同士が触れ、肩の高さまで足を真っ直ぐ上げることが要求されるのだとか。選ばれた者は5週間のトレーニングに参加し、その半分は脱落するそうです。

トレーニングを終えるとペアを組まされ、民族衣装の制服を着用するときはお互い助け合い、一緒に衛兵の職務を行います。ペアは常に一緒で一人が職務を行うことができなければ、もう一人も職から外されるそうで、他の人とペアを組むことはないそう。そして制服の着用には1時間ほど要するのだとか。

衛兵部隊の役目

この部隊は完全に儀式専門部隊。国会議事堂での役目以外には、世界遺産のアクロポリスで毎週日曜日の日の出と日没に行われる旗の掲揚・降納、大統領の外遊への随行、外国の要人の歓迎、年2回開催されるパレードなどへの参加に限られ、一部はニューヨークで毎年開催されるギリシャの独立記念日のお祭りに参加するそうです。習近平の後ろにも↓

そして衛兵の交代式を見学!

国会議事堂前に到着すると二人の衛兵が立っていました。スカートにタイツ、そして先に丸いポンポンが付いた靴が独特。1時間直立不動の状態から開放される時です。

周りには普通の軍服を着た兵士が数人いて彼らが見学者に指示を出したりしています。衛兵は原則会話をしてはならず、緊急の場合のみ合図を送り、普通の軍服の兵士に話をすることができるそう。

そして、引き継ぐ衛兵が正面にやってきました。

足を大きく上げつま先までゆっくり動かす動作が印象的です。まさか予想していなかったので最初はびっくり!こちらは動画で。

元々居た衛兵が持ち場を離れると、交代する衛兵が前進し左右のブースに向けてそれぞれ左折・右折し進んでいきます。とにかくゆっくりでいつ終わるのやらという感じでした。

直ぐ目の前を通って退場していきましたが、みんなとても背が高く大きいです!

衣装といい行進の仕方といいとても面白かったです。

衛兵の制服とその意味

調べてみると衛兵の制服は季節や行事によって5つのバリエーションがあるそうです(↓)。真ん中の白色が正装、すぐ左のカーキ色が今回見た夏服、すぐ右のネイビーブルーが冬服、外側がその他特別な時に着用されるそう。

彼らが履く靴は、靴底に60本の釘が打たれていて、歩くたびに大きな音がします。後ろに下がるときはすり足で下がるので、黒板に爪を立てるような音。何でも祖先に「私達ギリシャ人は生きていて、何より自由の身である」ということを伝える意味があるのだとか。

そして白い正装のスカートのひだは400もあり、オスマン・トルコ朝による400年の屈辱の支配を忘れまいという意味だそうです。

私は正装の白い制服が好きですが、皆さんはどれが好きですか?

次回はアテネのプラカ地区を訪れます。ブーゲンビリアが咲き乱れる中キュートな家々が並びます。


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