ガウディの故郷レウスのガウディ博物館で彼の建築に触れる
サグラダ・ファミリアなどの建築物で知られる建築家アントニ・ガウディはバルセロナから南西に110キロほど行ったところにあるレウス(Reus)で生まれ育ちました。
前回はそのレウスにあるガウディの師匠、リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーが設計したペレ・マタ病院を訪れました。
レウスには残念ながらガウディによる建築はありませんが、ガウディの建築についての博物館「ガウディ・センター」があります。今回はこの博物館を訪れてみました。
1階には市の観光案内所が入っており、2階から上が博物館になっています。
ガウディの建築の構造を説明した展示が色々ありインターラクティブなものも。
コロニアグエル教会の設計のため、糸の両端を固定して吊るすとできる逆アーチの曲線(フニクラ)の実験にかなりの時間を費やしたとされるガウディ。このフニクラの再現もありました。
鏡に写し出されたのはまるでサグラダ・ファミリア。
ニューヨークに建設されるはずだったガウディの高層ホテルもこの構造で、「Fringe」という米ドラマでCGによって再現されています。そのシーンがこちら。
エンパイア・ステート・ビルの建設が始まる前の1910年前後に計画がなされ、なんと高さ350mと当時世界一の高さになるはずだったとのこと。ホテルのほかにもシアター、レストラン、博物館などが入る複合施設で、当時の図面が残っています。911でワールドトレードセンターが破壊されてしまった跡地にこの建物を建てようという運動もあったようです。
その他、博物館にはガウディ設計の模型が数多くありました。
グエル公園の洗濯女の回廊も実物大より少し小さいスケールで再現されていました。くぐって歩けます。
天井まであるカサ・ミラの模型。
サグラダ・ファミリアの内部構造。
グエル公園の中央階段。
屋根や塔のモニュメントの模型が一気に集合した部屋。どれがどの建物のものか分かりますか?
クレートに入ったパーツ。
サグラダ・ファミリアに住み込んでいたガウディ。当時の彼の部屋も再現されています。
簡単なビデオ上映もありました。
興味深かったのはCGの映像でサグラダ・ファミリアの進捗を表したもの。あとどこの部分の建設が残っているかが分かって、「まだ正面に塔が4本も建つのか」とびっくり。これから建設する部分がどこかサグラダ・ファミリアにも模型がありますが、映像で時系列に見るとおもしろいです。
それほど大きな規模の博物館ではないにも関わらず、興味深い展示が色々ありました。ただ、サグラダ・ファミリアの展示スペースでも見ることができるものもあるので、この博物館だけのためにわざわざレウスまで行く感じではなさそうです。
それでも、レウスはベルモットの醸造が盛んで、ムンタネーのカサナバスやペレマタ病院などのモデルニズム建築でも知られているので、それらと併せれば十分に訪れる価値があります。
次回はガウディの生家などを含めレウスの町歩きです。
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