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死ぬまでにやりたいこと考えたら弟に行き着いた

先日、今年やりたいことを考えました。

目標を掲げるのは久しぶりのことなので、さあどうしようと思っていたのですが、こんな記事を見つけました。

こちらの記事で紹介されていたのはこの本。

https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4776211378/toyokeizaia-22/


画像はamazonより

こういった自己啓発本(?)の類って、読んで満足して特に行動しないという落ちになりがちなので購入することはあまりないのですが、今回はちょっと気になったので購入して読んでみました。
本の内容については触れませんが、読んでみて思ったことをここにまとめます。


弟に会いたい

私の両親は、私が社会人になったのを機に離婚しています。弟はそのとき中学生。父親についていきました。

私と父親は仲が悪いというか、嫌われているというか、とにかく会話がなくて無視されている状況です。高校卒業してからだから、もう8年くらい。
黙っていても妙な圧力があって、話しかけるのも怖いです。できれば今後も自分からは接点を持ちたくないくらい。
でも弟は父親についていった。だから、もう会えないんじゃないかなあと思っています。連絡先も知らないし。

弟は発達障害(ASD)です。言語能力が弱くて、文章をうまく理解できない。文章がわからないから、学校の勉強はついていけない。でも、訓練すれば健常者と同等になれるという理由で障害者手帳は出ませんでした。いわゆるグレーゾーン。
私が高校生の時は、グレーゾーンの子を受け入れてくれる高校が地域にあったのだけれど、数年前に受け入れをしない方針になりました。たぶん、人手不足です。そうなると弟のようなグレーゾーンの子はどこに行けばいいのか。一般の子についていけるように努力するしかないのか。
母は熱心に教育していました。行き過ぎた教育虐待に見えました。

私が東京に帰るとき、弟は泣いた

母はよく弟に怒鳴り散らしていました。でも母には悪いことをしているという自覚がありません。というか、怒る以外でどうやってグレーゾーンの子を普通まで引き上げればいいのかわからなかったのだと思います。
それでも母の怒鳴り声は聞いているだけで辛く、自分が怒られているようでした。私ももう限界で、高校卒業を機に、父親に無理言って東京の大学に進学させてもらいました。この頃から父親はため息が多くなり、痩せていき、口をきいてくれなくなりました。たぶん私のせいです。

大学に進学してからは年に1回だけ地元に帰るようにしていました。
高校の頃は険悪だった母親との仲は、距離ができてうまくいくようになりました。父親とは変わらずです。

弟は私が帰ってくるのを楽しみにしていてくれていました。
「お姉ちゃん、地元に帰ってこないの?」
「お姉ちゃん、地元で就職しないの?」
とよく言われました。

ある年の帰省最後の日、その日は平日で弟は学校があります。
私は寝坊助で弟が玄関で靴を履いている音を聞いて、寝起きのまま弟に挨拶しに行きました。
「行ってらっしゃい」と言ったら、弟は泣きながら抱きついてきました。
私がティッシュ持ってきて涙を拭いた後、弟は何も言わずに家を出ていきました。


大学卒業直前に帰省した時、実家は家庭内別居状態になっていました。
1階は父親と弟が、2階には母親が生活していました。母親は段ボールに荷物をまとめ始めていました。突然父親に「もう弟の面倒は見なくていいから」と言われ、接触を禁じられたようです。
弟は父親がいるときは母親に話しかけず、私が帰省しても父親が一緒だったのでほとんど会話しませんでした。

そのままコロナ禍になり、帰省のタイミングがなくなり、その間に両親は離婚。離婚は母親から事後報告でした。
父親とは会話がないまま、弟は携帯電話を持っているのかすらわからずもう会えていません。高校に通えているかもわかりません。
私の中で弟はランドセルを背負ったままです。

寝る前に睡眠薬を飲む生活を3年ほど続けています。睡眠薬は耐性がついて時間が経つにつれ効き目が悪くなってきて、その度に薬を変えています。

今飲んでいるのはデエビゴという薬。最初の処方の時に医師から「夢見が悪くなるかもしれません」と言われました。
最近ずっと家族の夢を見ています。まだ家族全員仲が良かったときの、昔の家族が出てきます。弟も小学生のままです。逆に昔の両親からあの時よりもっと酷く詰られたりすることもあります。
目が覚めると、どんな夢の内容でも、もう戻ってこない家族を思って悲しい気持ちになります。でも、しばらく薬は変えないつもりです。だって仲の良かった頃の家族に会えるんですから。


もし、あと1年で人生が終わるとしたら、私は弟に会いたいです。
小学生ではない今の弟に会いたいです。
「お姉ちゃん、助けてやれなくてごめんね」と、伝えなきゃいけないです。


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