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創作

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#短編小説

【創作】炎

いつも私が休憩室を出た後にだけどっと笑いが起こり、その陰にある喫煙所では職員数名が煙とともに私への陰湿な悪態を漏らしていた。事務所の前を通る時、経理の女は横目で私を睨むし副社長は舐めるような視線をよこす。それらを振り払ってロビーを突っ切り一目散にトイレへと向かう。仕事に戻る前には必ずこうしてトイレに篭って今さっき食べたばかりのものを全部吐き出すことにしている。二本指で下の根っこをグイと押さえつけれ

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淵は僕らの周囲をぐるりと囲むような形でいつでもそこにある。淵までの距離は一定でなく常に伸びたり縮んだりしている。僕らが生活に溺れ肉体ばかりに意識を向けているうちは淵は遠くにあるよう感じられるが、ある時、肉体に注がれていた意識がぷつりと途絶えたその瞬間、淵はもうすぐそこまで迫って来ている。
淵との距離が縮まることにより僕らは否が応でも淵の持つその黒々とした底知れなさを目の当たりにする羽目になる。普段

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Mとの記録(2/2)

↑のつづき

「せかいちゃん、さっきね、お父さんが…お父さんが話があるって家に来て、私、私ね?自分の進路の話かな?って…こないだ進学したいって伝えたからてっきりその話ができるのかなって思って。待ってて、学校終わって待ってたのに、ちが、ちがくて、全然…。お父さん、自分の裁判にかかるお金を私に稼いで来いって、そう言うんだ。か、家族だからっ…ふぐっ、家族だから協力し合うのは当たり前なんだって…お父さん、

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Mとの記録(1/2)

彼女と私が友人として過ごしたのは彼女の18歳という期間のうちのほんの数ヶ月に過ぎないが、その数ヶ月はたかが数ヶ月と言い捨ててしまうにはあまりに濃密で沈痛な数ヶ月であった。

ここでは彼女の名前をMとする。
Mと私はとあるSNSで出会って連絡を取り合うようになり、お互い惹かれ合うものがあったためか或いは単に寂しさのためか、急速に仲良くなっていった。話す頻度こそ高くないものの一度話し込むと止まらなくな

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