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No.19 竹之内幸さんの好きな屋久島~志戸子~

みなさま、こんにちは。
声がかかればどこへでも、興味があればどこまでも♪のフットワークの軽さが強みの山・森・川のエコツアーガイドの竹之内サチと申します。


日々、新しい屋久島を求めて、北へ南へ、お日様の時間からお月様の時間まで走り回っています。
そんなわたしの好きな屋久島。
いろいろありすぎて迷ったのですが、ここはやはり愛しの我が集落・志戸子について書こうと思います。
志戸子は宮之浦から北へ7㎞の位置にある人口300人ほど(2020年6月現在、全島で約12200人)のこぢんまりとした集落です。ガジュマルやアコウの自然林が残り、その景観を活かしたガジュマル公園は観光スポットのひとつとなっています。

ガジュマル公園

木のトンネル

そのガジュマル公園から徒歩1分の志戸子漁港には見事な離水サンゴがあり、そのまわりには色とりどりの魚やウミガメたち。さながら水族館です。

離水サンゴ

そして、ぜひ足を運んでもらいたい場所が大きな鳥居が目印の住吉神社です。
苔むした参道の先にはアコウの古木にオオタニワタリ。
深々とした森なのに南国感もある、とても屋久島らしい神社です。
拝殿の壁は一面のみなので、借景効果もあり解放感も抜群です。

住吉神社

しめ縄


また、旧暦の8月29日には住吉神社大例祭が執り行われます。3年に一度の大祭には太鼓を乗せた花車が志戸子区内を走ります。この花車を見るだけのために大祭へ来てもいいのではと思うくらいです!(次大祭は2021年ですよー)

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このような区民の集まりに必ず出てくる食べ物といえば、首折れサバのお刺身とニラ入りつけあげ(トビウオのさつま揚げ)です。

首折れサバ

つけあげ

ニラの香りがたまらない志戸子特製つけあげは、屋久島島民でも食べたことのある方は少ないのではないでしょうか?
トビウオ漁が盛んで、島内でも1~2を争うほどの漁獲高があった頃は各家庭でその都度つくっていたそうです。
しかし、志戸子沖でトビウオが獲れなくなってしまった今では5月下旬から6月上旬に水揚げされる時期トビ(ツクシトビウオ)を仕入れ、みんなで集まって一年分のミンチ(つけあげの素)づくりをしています。

町報

ミンチづくり

民俗史に興味のある私はこの「結」の時間が大好きで、手仕事しながら教えてもらう一世代前の志戸子話にいつも聞き入ってしまいます。半分くらい聞き取れないこともありますが、それはそれで(私にとっては)新しい方言を
覚えるチャンスなのです。笑


そろそろ県をまたぐ移動自粛が解除になりそうです。
その時にはぜひ食文化や言葉の違いにも目を向けて屋久島時間を過ごしていただければと思います。たった数キロしか離れていない隣の集落でも全くといっていいほど文化の違う屋久島。知れば知るほど一言では表せなくなる屋久島の深遠さを楽しんでくださいね。

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竹之内幸
1978年生まれ。愛媛県松山市出身。
自然の面白さを伝える仕事がしたいと始めたガイド業。途中、ツキノワグマを追いかけたり、青年海外協力隊・環境教育隊員として中米グアテマラに派遣されたりしながら今年でなんと15年目に突入です。
ホームページはありませんが、「屋久島エコツアーガイド ヤクサチ」という屋号で活動しています。

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