【産前産後のむずむず脚】
Umito / カラダ・コンサルティングの山本健太です!
理学療法士の資格を持って地域で予防の活動に取り組んでいます!
・睡眠について最低限知っておいてほしい情報
・睡眠習慣を見直す情報 を発信します!
前回は、赤ちゃんの睡眠と鉄欠乏の関係についてお伝えしました!今回は、産前産後のむずむず脚症候群について考えていきます!
むずむず脚症候群の発生
産前産後の母親の健康に睡眠が重要なのはもちろんのこと、こどもの成長にとってもどれだけの睡眠を確保できるかは非常に重要な問題です。そんな睡眠を妨げる睡眠障害として産前産後に特徴的なものに、むずむず症候群が挙げられます。その名の通り、脚がむずむずする不快感を伴い、じっとしていられなくなる病気です。多くは、鉄欠乏症に伴って発生することが多いようですが、遺伝的な要因や葉酸・エストロゲン欠乏などの要因も関与しているようです。
産後より産前に発生することが多く、260人の妊婦を対象とした研究では妊娠後期において26.5%の人に確認されたようです。鉄欠乏は、産前だけでなく分娩における出血や産後の悪露によっても引き起こされることが多く、産後2ヶ月時点でも18.1%の人に確認されたようです。そして、産後経過とともに発生率は減少して産後6ヶ月で対象群と有意差のない7.2%まで落ち着いたようです。産前に発症していた人は、産後にも起こりやすいかもしれません。非薬物療法として、中等度運動や温浴の効果が一部認められており、足が冷えない工夫は必要だと考えます。
鉄分補給のポイント
前回もお伝えしたように、鉄欠乏により睡眠作用をもたらすアデノシンが低活動となり、グルタミン酸の過活動が引き起こされるとともに、ドーパミンの過活動も同時に起こり、運動・体性感覚領域に問題が生じるようです。そのため、血液検査において鉄欠乏が判明した際には、鉄分の補給が必要となるかもしれません。むずむず脚症候群の症状がある場合は、病院に相談していただきたいですが、産前産後では、予防的に鉄分や葉酸のサプリメントを服用している人も多いのではないでしょうか。
鉄分のサプリや食事による摂取において、アスコルビン酸であるビタミンCと摂取すると吸収率が高まることがわかっています。鉄剤の摂取において、水とオレンジジュースとコーヒーそれぞれを検証したところ、水に比べて低容量のアスコルビン酸を含むオレンジジュースの方が30%も吸収率が増加したようです。しかし、アスコルビン酸が高容量になってもその増加率は変化せず、アスコルビン酸が多ければ多い方がいいということではないようです。しかし、同じく通常アスコルビン酸を含んでいるコーヒーにおいては、吸収率が50%以上減少したようです。そのため、コーヒーの摂取は時間を置くことが推奨されます。そして、摂取のタイミングも重要であり、鉄分は午前中の服用が最も効果的であり、吸収に時間がかかるのか鉄分への抵抗性が高まることもあって、午後の服用では吸収率が低下し、午前または午後に追加量を服用しても吸収率には上限があるためか一定量以上は吸収されない。過剰摂取は鉄が胃腸に留まることで、下痢や便秘など症状を引き起こしかねないため注意が必要です。自己判断での服用はなるべく避けて、医師や専門家の指導を仰いでください。
参考文献:Jahani Kondori M, Kolla BP, Moore KM, Mansukhani MP. Management of Restless Legs Syndrome in Pregnancy and Lactation. J Prim Care Community Health. 2020 Jan-Dec;11:2150132720905950. doi: 10.1177/2150132720905950. PMID: 32054396; PMCID: PMC7025421.
Lepuzanovic M, Sinanovic O, Aziraj-Smajic V, Kapic D, Basagic E, Muftic M. Prevalence of restless legs syndrome during pregnancy and postpartum period. J Perinat Med. 2024 Aug 5. doi: 10.1515/jpm-2024-0208. Epub ahead of print. PMID: 39097937.
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