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意外性に出会える日経新聞スクラム読み

「電力会社がレタス工場!?」

ひとりで新聞を読んでいたら、決して気づかないであろう記事に気づくことができるのが、スクラム読みのいいところ。

今回は2019年9月26日(木)の日経新聞朝刊を使い、体験入部のメンバー2名を含む7名で、スクラム読みをおこないました。

日経新聞スクラム読みとは?

日経新聞スクラム読みは、ひとりで読むのがあたり前の新聞を、みんなで読み合うことでより深く学ぼうという活動です。
記事の内容に、参加者の知識や経験、考えを加えることで、ひとりで新聞を読むよりも、より深く、多くのことを学ぶことができます。

日経新聞×noteが運営するコミュニティ、Nサロンの「新聞部」のメンバーで行っています。
(過去の開催内容などをまとめたマガジンはコチラ↓)

スクラム読みの手順

日経新聞スクラム読みの基本手順です。
今回は30分のショートバージョンでおこないました。

▼手順
①選ぶ
 各自が新聞を読み、最も気になった記事を1つ選ぶ
②話す
 「記事の内容」、「その記事を選んだ理由」を1人ずつ、みんなに発表
③広げる
 ピックアップされた記事について、自分の意見や知識・経験をシェアする
④つなげる
 グレレコをもとに、記事の内容やシェアされた意見を抽象化してつなげる

選ぶ・話す・広げる

記事を選んで、その理由を話す。

「あの人はどんな記事を選ぶんだろう?」と想像することも楽しみのひとつですが、記事の要約のしかたや、説明のしかたにもその人の個性があらわれ、それを聞くのも楽しみのひとつです。
ロジカルに話す人、情緒的に話す人。あたらしいメンバーのときはいつもワクワクします。

今回も各メンバーの「らしさ」があらわれていました。

①ktana_さん(エンジニア)

▼選んだ理由
フェースブックはここ数年叩かれていたが、それは「サービスを先につくって、それを世に出して反応をみる」というやり方だったから。
そのやり方を改め、これからは反応を予測し、問題を出さないようにしていくとのこと。
リスクマネジメントのやり方を、経験をもとにするやり方から、今後は蓄積したデータを使ったやり方に変えるのではないか。フェースブックは大量のデータを持っているので、そういったやり方にすると言ったらできるイメージ。
また、データを使って事前にリスクマネジメントするやり方がうまくいけば、事業化もできるのではないか。

働いている会社で、データの収集はできているものの、活用ができていないというktanaさん。
データ活用ビジネスに成功している企業の一つであるフェースブックの方針転換にとても関心が高いようでした。

これに関連する記事として、同じ朝刊のこの記事にも着目しました。

企業に蓄積されている情報の半分以上が利用されていなかったり分析されたりしていない「ダークデータ」とも言われる。

データ分析の界隈では、「データ分析の時間の7割~8割はデータ収集と前処理」とよく言われます。
私もデータ分析の仕事をしていますが、一番苦労しているのが「データの収集と前処理」です。
そのため、私個人としては、フェースブックがどのようにデータマネジメントを行っているのかが気になりました。

ザッカーバーグ氏の記事に関して言うと、一面のトップ記事で取り上げられているのに驚いたとともに、以下の一文に目をひかれました。

個人データの保護では「これまでと異なるプライバシーモデル」が必要になるという。

個人情報について、日本の個人情報保護法では以下のように定義されています。

生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述などによって特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それによって特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)、または個人識別符号が含まれるもの。

引用元:日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)

個人情報の保護については、世界的な関心も高く、EUではGDPR(EU一般データ保護規則)が2017年に施行され、日本の個人情報保護法も2017年に改正されており、2020年にも新たな改正が予定されています。
これら環境の変化により、データビジネスにおける個人情報を保護するためのコスト(システム面だけでなく、運用面も含めた)は年々増しています。

その一方、「手の動きなどに関連して生まれる大量のデータ」と記事にあるとおり、IoTデバイスなどのハードウェアやネットワークの性能向上により、今後ますます大量の個人情報(データ)が生み出されることになります。

こうした大量データをどのようにコントロールしていくか、データから得られる利益と、データの安全性にかかるコストをどう両立させるかが、今後のデータビジネスの重要なポイントです。
ザッカーバーグ氏が言う、「これまでと異なるプライバシーモデル」とはどのようなものなのか、今後注目です。


②まめさん(建築系会社の事務職)

▼選んだ理由
Twitterでは話題になっているが、TVなどではあまり取り上げられていない。困っている人がたくさんいるはずなのに、あまり知られていないのが怖い。
外房に仕事の関係者がいるが、電話がつながらず、とても心配

千葉県の大規模停電の記事は、前回(9/13)のスクラム読みでもピックアップされていました。
メンバーからも、「今でもまだ話題になっているのがすごい」とのコメントがありました。

知り合いの東電関係者によると、「現地対応者はほぼ24時間働いており、寝る時は床で寝ている」状況で、懸命の復旧作業をされていたようですが、「鉄塔の復旧作業には特別な資格が必要」だそうで、そのことも被害を長引かせた一因のようです。

その他、メンバーから、

・2週間も電気が使えないと生活にならない
・どんな備えをすればいいかわからない

というコメントもありました。

以前、NHKの「巨大都市 大停電 ~“ブラックアウト”にどう備えるか~」という特番を見ましたが、「日頃の備え」について、とても考えさせられる内容でした。

まずはできるところから。とりあえずこのアプリを入れました。


③あさむーさん(経理)

▼選んだ理由
WeWorkのIPO幹事獲得を目的として、ウォール街が群がっているという記事。IPOの手数料7%と高いことから群がっている。
バブルこうやってつくられるのかもしれない。

ファイナンスラボ仲間のあさむーさんらしく、今回も株に関する記事をピックアップ。
ただ、他のメンバーには馴染みのない内容が多かったようで、

・IPOってなに?
・ただ上場するだけで証券会社に手数料が入ってくるの?
・なんで高い手数料払って上場するの?

と、質問が相次ぎました。

IPOは、「新規株式公開(Initial Public Offering)」の略語で、その企業の株式を株式市場に公開(=上場)し、個人投資家や機関投資家などに株式を購入してもらうことで資金調達をすることです。
日本では昨年、ソフトバンクの上場が話題になりました。

IPOの公募価格より、上場時の価格(初値)が高くなることが多いことから、購入を希望する人も多いです。(自分もよく参加しています)
ただし、たまに初値が売出し価格を下回るケースもあります。
最近だと、Chatworkの初値が公募価格を下回りました。

ちなみに、Nサロンを運営している株式会社日本経済新聞社、株式会社ピースオブケイクは株式を株式市場に公開していない、非上場企業です。

話をWeWorkの話に戻します。

TechCrunchの記事によると、調達額は最低でも30億ドルとあります。その場合、手数料7%とすると、単純計算で2.1億ドル(約225億円)。
今年3月に上場したリフトの調達額が21億ドル、5月に上場したUberの調達額が81億ドルであり、WeWorkもWeWork、IPOを取り仕切る幹事行にとっておいしい大型IPOになるはずでしたが、ここに来て、大株主であるソフトバンクGがIPOの保留を示唆するなど、雲行きが怪しくなっているようです。


④安藤さん(水産系会社の総務)

▼選んだ理由
2100年と言われても現実感がなく、2100年の世界を予測することに意味を感じない。
国連でのスウェーデンの女の子(グレタ・トゥーンベリさん)の演説が物議を醸しているが、地球温暖化は複雑な要因で起こっているはずなのに、問題を単純化して、世代間の対立を煽っているところに危うさを感じる。

他のメンバーからもコメントがありましたが、子を持つ親の立場からすると、2100年は自分の子ども、孫が生きる時代であり、そこで起こりうる問題に対し、対応を考えるのは意味のあることだと思います。

「この問題は、人類でコントロール可能な問題なのか?」というコメントもありましたが、自然現象をコントロールすることは不可能でも、「何かできることはないのか?」を考えるのが大切だと思いますし、それを実際の行動にうつすことはもっと大切。

今、ある自治体のエコ推進を支援する仕事をしており、「どうすれば地域の人にもっと関心をもってもらえるのか?」、「どうしたら実際の行動にうつしてもらえるのか?」という課題を抱えていることもあり、このテーマについては、改めて意見交換したいと思いました。


⑤おおつかさん(HRテックの営業)

▼選んだ理由
なんでレタス工場なのか?、なんで九州電力と京都のスタートアップが連携しているのか?
26面(マーケット商品)にレタスの価格が上昇しているという記事もあり気になった。
1日あたり5t生産ってすごくない?九州電力が運営するのもすごい。

おおつかさんの話を聞いたときの第一印象は、「こんな小さな記事のレタスに着目し、さらに関連情報まで別の紙面からひろってくる着眼点すごい!」でした。
当日朝行われていた豚汁イベントが影響しているのかと思いきや、レタス関係なし。
(おおつかさんとは、TONJIRUSTANDという世界一「ホッ」とする豚汁を世の中に届ける活動をしています)

おおつかさんの

「なぜレタス?」

という問いに対しては、「食べることが趣味」のまめさんが答えてくれました。

・たぶんレタスは育てやすいから。
・最近工場野菜増えている。シュウ酸を抑えたほうれん草など、栄養素コントロールもできる。

野菜の栄養素をコントロールできるなんてはじめて知りました。

「なぜ九州電力?」

については、検索したところ、9/25の日経の記事に以下の解説がありました。本業の電力販売へのプラスの影響を期待した投資のようです。

ひとりで読んだときには気づかなかった、意外なニュースとの出会い。これがスクラム読みの醍醐味です。


⑥いごはち

▼選んだ理由
超低金利政策の影響で住宅ローン金利が下がりすぎ、金融機関のコストを考慮すると、これ以上下げられないところまできている。
少しでもコストを抑えようと、対面からネット経由での対応がメインに変わってきている。
今でも、住宅ローンなどお金に関する知識を教えてもらえる機会は少ないのに、ネットがメインになるとさらにその機会が減り、自分でお金の勉強することの重要性が増す。

住宅ローン、資産運用、税金など、知らないと損するお金に関する事柄は本当に多いと思います。
まだ、ふるさと納税のことをよく知らない人も周りにいたりします。

「お金の話って誰も教えてくれない・・・」とktanaさんがいう通り、お金に関する知識を学ぶ機会は、学校でも職場でも本当に少ないです。
Nサロンの中にはライフプラン部という部活があり、先月、初回ミーティングがありましたが、お金に関する知識や考え方は本当に人それぞれでした。

そんな中、「ここまで公開していいの?」というくらいに詳細に、わかりやすく家計管理についてブログを書いているメンバーがいました。

「家計管理ってどうすればいいか全然わからない・・・」

という人はこのブログを読んでみてください。わかりやく、具体的な手順も書いてあるので、本当にオススメです。


つなげる

スクラム読みの特徴である、記事と記事をつなげる上でかかせないのがグラレコ。今回は部長のエビちゃんが担当です。

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記事と記事をつなげるのは、安藤さんが初挑戦。

「人がコントロールできるものとできないものの見極めが大切」

ビックデータを使ったリスクマネジメント、レタスの工場栽培など、これまで人がコントロールできなかったものもコントロールできるようになってきている。
その一方、自然災害、温暖化などはコントロールできないもの。ただ、救助のための人の派遣など、コントロールできる部分はある。
そうした、人ができること、できないことを見極め、取り組んでいくことがかっこよく、セクシーなこと。

と、話題の言い回しを使ってまとめてくれました。

まとめ

今回も2名の方がスクラム読みに初参加してくれました。
読み合わせをするメンバーが変わると、新たな視点を得られるのがスクラム読みのいいところです。

今回は、おおつかさんの「レタス」が私のツボでした(笑)
ひとりで読んでいたら、決して気づくことはありませんでした。

30分のショートバージョンのため、「③広げる」の時間をあまりとれなかったことが心残りですが、次回に期待です。

・コミュニティ横断のスクラム読み
・日経の方を交えたスクラム読み

にもまた挑戦したいと思います。

新聞を媒介にして、知識や経験を語り合うスクラム読みは、

・世の中の仕組みを理解したい
・自分の知識を深めたい
・多様な人とのつながりを増やしたい

という人にオススメの活動です。

もし「興味あり」と思われた方は、お気軽にTwitterのDMなどでご連絡ください。Nサロン新聞部への入部も大歓迎です!
新聞、一緒に読みましょう(^^)

参加メンバーのnote

ktana_さん

安藤さん

まめさん

おおつかさん

エビちゃん

#COMEMO #NIKKEI

この記事が参加している募集

いつも支えてくれている嫁と息子に、感謝の気持ちとして美味しいお菓子を買ってあげたいと思います^^