頭から血が出るほど考える。
コピーを書くときは1日に、100本も200本も書いていると思う。
「今週もう芯変えるの2回目なんですけど。」って、頭の中でブツブツ言いながら、毎週毎週フリクションの芯を変えている。
でも、100本書いても、上司に提出するのは数本くらい。
それ以外のコピーは、膿。
コピーを書く作業は、膿を出すのに似てる。
「これは普通すぎる。」「これは尖りすぎて意味わかんない。」と、ないなと思う表現や言葉をひたすら書いて、身体の中から出していく。
どんどんどんどん出してって、無い表現を捨ててって、もう頭の中空っぽだ…。と絶望に落ちる寸前が勝負どころ。
そこから逃げずに粘り続けると、とっても解像度の高いピカピカなコピーが生まれる。
でもこれが最初から何も書かず、真剣に頭をひねりまくれば渾身の1本が書けるかと言ったら、それは無理。だし、そんな風にしているコピーライター聞いたことない。(いたら教えてください)
コピーは、まずとにかく普通のことをひたすら書いて、書いて、書いて、書いて、表現の膿を出して。
それで、やっと渾身の1本が生まれるものだと思っている。
昔、「書いたコピーを全部見てくれないなんてありえない。」と講座か何かで言っている人がいたけど、それはちがう気がする。
いくら数書いても、そのコピーは過程だから。
大人は、努力で評価されないのと同じ。大事なのは、結果。
企画メシのトークショーであの糸井さんが、「いいコピーを書くためには、頭から血がでるほど考える。」って言ってたとき、正直泣きそうなくらいホッとした。
「いいコピーが書けるかどうかは才能です。」なんて言われたら、どうしようってドキドキしたし、怖かった。
でもやっぱり、いいコピーライターは才能じゃなくて、努力できる人だった。よかった。
糸井さんほどの人が、そこまで考えるんだったら、私は脳が裂けるくらい考えないといいコピーライターにはなれない。
上等だ。