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投資#142 小麦の種子やイネの種子がなかったら・・・


書籍の情報


タイトル:世界史を大きく動かした植物
著者:稲垣栄洋
発行所:株式会社PHP研究所
製作日:2018年8月29日

書籍の一部要約

  • コムギの祖先種と呼ばれるのが「ヒトツブコムギ」という植物は、種子の落ちない突然変異を起こした株で、「種子が落ちない」という性質があり、植物にとって致命的な欠陥である。しかし、人間にとっては、収穫してしやすく、食糧しやすい。

  • 農業の発祥の地であるメソポタミアで最初に発達したのは、家畜を飼養する牧畜であった。人間はイネ科植物の茎や葉を食料にすることができない。そこで、草食動物にイネ科植物を食べさせて、その動物を食糧にするしかなかった。

  • タンパク質は植物の体を作る基本的な物質だから、種子だけではなく、親の植物にとっても重要。でも、タンパク質や脂質を種子に持たせるためには、親の植物に余裕がないとダメなので、イネ科植物は光合成で得ることができる炭水化物をそのまま種子に蓄え、芽生えは炭水化物をそのままエネルギー源として成長するというシンプルなライフスタイルを作り上げた。この炭水化物こそが、人類にとって重要な食料となった。

  • 植物の種子は、良い育成条件になるまで、植物が時期を待つためのものである。植物の種子はすぐには腐らない特徴があり、人間にとっても都合が良かった。保存できるものだから、たくさん持っていても困るものではない。分け与えることもできる。つまり、種子は財産であり、分配できる富でもある。そして富が生まれた。

感想


小麦は、パンやうどんとして
食べることが多いですし、

イネは、炊いて、ごはんとして
食べますよね。

身近な食材について書いてあるが、
とても面白い観点で書かれていて、
虜になってしまいました。

小麦って、種子が落ちるイメージ
がなかったのですが、

よく考えてみれば変ですよね。

茎が折れて、地面に着くか、
鳥に食べられて、フンとして
地面につくか、しないと、
発芽できません。

種子の落ちない突然変異を
起こした株を増やして、
現代の食料としていたのですね。

この株を発見した、
われわれ人間の祖先は
すごいです。

見つけた本人も、今日の姿を
知る由もないでしょうけれども。

イネ科の植物もまた、
意思を持って、
種子に炭水化物を蓄えた
というよりは、

種子に炭水化物を蓄えた
突然変異種がでてきて、
それをわれわれ人間の祖先が
発見して、増やして、
現代の食料としていたのでしょう。

その昔は、種子にタンパク質等が
多くあり、炭水化物は少なく、
人間が食べるには不向きだった
のでしょう。

だから、家畜に食べさせ、
家畜を食べてきました。

でも、直接、食べることのできる
イネ科植物を手に入れてからは、
それをも食糧としたのですね。

小麦の種子やイネの種子を
大量に手に入れられるようになり、
保存も効くから、

富の蓄積ができるようになった
というのも面白い観点です。

一方、富の蓄積ができるようになった
からこそ、現代では、貧富の差が
でき、社会問題となっています。

もし、小麦の種子やイネの種子を
現代のように手に入れられなかったら
どうなるのか。

下記のような記載もありましたので、
参考にしながら、検討したいと
思います。

人間の胃袋というものは大きさが決まっているから、一人が食べられる量には限度がある。大食漢の人も小食の人もいるだろうが、人間一人が食べられる量に、そんな差があるわけではない。そんなに欲深い人も、お腹いっぱいになれば、それ以上食べることができないのである。
狩猟生活をしていれば、一人で大きな獲物を手に入れたとしても、とても食べ切れるものではないし、欲張って独り占めしようとしても腐らせてしまうだけである。
それならば、たくさん獲れたときには、分けてもらった方がいい。冷蔵庫のない大昔は、食糧は保存しておくことができないのだから、みんなで分かち合った方がいいし、その方が安定的に食べていくことができるのである。

世界史を大きく動かした植物

小麦の種子やイネの種子が
なければ、今日のような
文明も無かったかもしれません。

でも、貧富の格差はすくなく、
みんなで分かち合うことが
より顕著な社会であったと思います。

歴史をたらればで語ることになり、
不毛かもしれませんが、

お互いが助け合うよりよい社会のまま
だったのかもしれません。

まとめ

小麦の種子やイネの種子がなかったら、現代の社会問題のいくつかは起きなかったのかも


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